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週末

 学校が始まってようやく生活にリズムがついた新学期初めての週末、四連勤の最終日。足も頭もいっぱいいっぱいのワンオペ2時間。休憩時間に見たストーリーで友人が観たかった芝居を観に行ってるのを知る。焦らない焦らない、自分はいま、これから観たい作品、行きたい場所へ行くための資金を稼いでいると自分に言い聞かせる、焦らない焦らない。
 明日からまた月曜日、まだ課題に手を付けてない、帰って身体を休めたいけど絶対

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準備

 何事もなかったかのように始まった新学期水曜日、まだ春休み気分で曜日感覚が分からない。春休みは休みらしい休みもなくずっと何かしたりどこかへ行ってたので予定のない時間をどう過ごすか分からなくなっている。
 学食は新入生で座る席もないので友だちとスガキヤへ行くけどそこも大忙しで早く食べないといけないような気がする。一年前は意気揚々と毎週末にスーパーへ行って自炊をしていたけど今はそんな気すら起きずに外食

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思い出用

 4月早々岐阜で公演を行いました。初めての土地、公演1週間前に出会った人たちとのクリエイション。そっちの文化なのか、みんな呼び名みたいなものがあるらしく、結局本名が分かったのは一人だけでした。自分にはなかった部分の経験できなかった高校演劇を経験したような感じでした。稽古場の雰囲気や、独特な女の子同士の関係性、自他に対する決めつけで成り立つような関係性、誰かが決めたわけじゃないけどなんとなくで決まっ

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相談相手

東京、公演期間、演出助手なので当日制作的なこと以外は特にすることがない。とりあえず色んな人を見て、話しかけて指示されたことをして。公演中は演助同士で話をする。これから演劇のこと、自分のことも含めて。
公演も終了し退館後、高校の顧問に会いに行った。池袋で待ち合わせ、カフェに行こうかと誘われたけど、池袋駅で迷子。結局迎えに来てもらい、特に行く場所もないので駅周辺を歩きながら自分の団体のこと、自分自身

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話し相手

鏡もろくに見ない一人暮らしをしているとついつい自分の髪が伸びていることに気付かない。公演が近づいたり姉に言われない限りあまり髪を切ることがないのだが、折角の機会だと思い地元で髪を切った。
いつもとは違うホットペッパーで予約した阪急近くの商店街にある。昼間から多くの人がひしめき合っている道を歩いて昨日よりかなり寒くなったなと感じる。

金髪ショートカットで耳には沢山のピアスが付いている女性。人と

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大切な場所

久しぶりの通学路。いつも遅刻ギリギリなので先生にバレないように近道していた。駅前のマンションは完成したんだ、まだこのガソスタあるんだ。相変わらずガタガタ名古屋コンクリートと今にも崩れそうな歩道橋。近くの公園には夕日で人影になっている子どもたちが遊んでいる、騒いでるのに聞こえない。
学校が近くなると知り合いに会わないかと緊張する、会った人によって反応を変えないといけないので心の位置をどこに置こうか

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デジタルネイティブなはずなのにSNSの使い方がわからない

 気持ちは浮つかないまま沈まずに漂っている大学一年生の春休み末。予定はあるし、大方忙しい。あまり落ち着かない、多分落ち着かないように刺激を求めてあちらこちらに行っているんだろうけど。
 中学を卒業して初めて自分の携帯を持ってからというもの、依存症になってもできる限りSNSで誰かへの悪口や誹謗中傷を言わないように努めてきた。単純に気持ち悪いから。自分はXの返信欄を見たりするけど、いつまでここで永遠に

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2.20

 話してみて改めて気付く自分の言葉の変わりよう。高校の同窓生が運転する車の中で高校時代の思い出がフラッシュバックするような会話。あといくつか人が足りなかったり、場所が違ったり、方言が変わったり。
 そういえばこんな感じだった大阪人の会話のテンポと声量とイントネーション。しかも少し前まで話していたテーマのことを話そうと頭でボヤッとだけ考えたことを口に出そうとしたらもう遅い。もう全く違う話題になってい

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半地下旅行

半地下旅行

前のを覚えてないほど久しぶりの家族旅行、そして家族5人での外出。
KーPOPが流行りだして僕の青春期には常に韓国人のなりたがる人が周りに居た。生活周りにハングル文字が増え、耳にする音楽もKーPOPが多かった。そして、それと同じくらい韓国に反抗的な話もよく耳にしたし、逆に反日という言葉もよく聞くようになった。そのため行く前から2日目程まではいつ知らない言語で怒号を飛ばされるのだろうと少し怖がってい

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日記2.9

日記2.9

日記を書かない習慣がつくと昨日何があったのか、今日何をしたかの細かい部分が思い出せない。気づけばもう2月、現在実家のベッド、明日から最初で最後の家族旅行、中々に大それたイベントの前日。

中学の顧問が出てくる夢を見て起きるともうこんな時間。急いで支度を済ませて家を出る。

(運動会の予行日のような夢。大学の友達や高校の友達が仲良く喋ってる不思議な空間なのにどこか受け入れられて、相変わらず少しス

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初雪

 朝、いつも通り起きても身体は動かない状態でスマホを触る。彼女から雪が積もっているとの情報を受けてカーテンを開けると屋根が白塗りされるくらいに雪が積もっていた。暖かい部屋の中でテンションが少年のように上がるのだが、この後学校に行かないといけないとなると急に19歳の現実に戻される。そしてまたベッドに戻る。

 今から動き出せば余裕を持って準備ができるのにいつもギリギリの時間までベッドに引きこもる。特

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心理テスト

心理テスト

 占いなんてを信じるタイプじゃない、あなたは繊細で傷つきやすい人だ。なんてAIに言われても確かにそんな一面もあるのかも知れないなと思うけど全ての時において僕が繊細で傷つきやすい人間ではない。末っ子のAB型の獅子座、申年生まれ。どんな人?Googleに聞いたらどんな人か教えてくれるのかな。

 A型の長女との相性は。
19年という数字はあまりにも長いものということをすっかり忘れてしまっていた。先の公

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一番星

 「あの星ってまだあるのかな。意味わかる?」
彼女がそんなことを言う人とは思いもしなかった。

 物騒でうるさくて、早くて眩しい名古屋駅。の縁に二人で探した二人っきりになれる場所。そこで二人で高いビルよりもずっと遠くの何万光年も先にある星を眺めた。

「あ、あそこも光ってる」
「あれは飛行機じゃない?」
「そう?」
「ほら動いてるじゃん」
「あ、ほんとだ」

 もう星なんて見てないけどゆっくりとし

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自由席特急券

結局だらけて家の冷蔵庫にあるものだけ沢山食べた正月、早くも明日から学校。実家から離れることに躊躇いもなく京都から新幹線に乗って名古屋まで。
正月だからなのか、有事のせいなのかやけに人が多い。地元の駅のタイルが幾つも割れていて注意の看板が立てられていた。中二の時の地震でもここはかなり荒れた記憶がある。電光掲示板が落ちたり天井から水が流れたリズムする映像がニュースで流れてきて落ち着いてからこの駅に来

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