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長鎖脂肪酸でも不飽和脂肪酸のαリノレン酸は必須脂肪酸で、その含有量が多い『くるみ』は健康長寿の食材です!
ここ数日、脂肪酸についてのコラムが続いておりますが、今日は長鎖脂肪酸についてです。昨日のコラムでは長鎖脂肪酸は、炭素が多く消化吸収経路が複雑なためエネルギーとして使われにくく、かつ体に蓄積されやすいため、体には良くないとの認識だったと思います。
ただ、長鎖脂肪酸の中にも不飽和脂肪酸に属するもの、例えば、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸や、n-3系列のαリノレン酸、DHA、EPAなどは意識して摂るべき脂肪酸となります。
長鎖脂肪酸のすべてが体に悪いわけではなく、体に良い働きいやそれ以上に、αリノレン酸は食品から摂取する必要がある「必須脂肪酸」ですらあるのです。
飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸から見た食材等は、先日の2月16日17日のコラムで触れておりますのでこちらもご覧いただければと思います。
ここで詳しい食品に占める含有量をいくつか例であげますと、オレイン酸については可食部100ℊあたり、ひまわり油が80000㎎、オリーブオイルが73000㎎ですから、80%、73%をオレイン酸が占めていることがわかります。
αリノレン酸を含有するエゴマ油は58000㎎、亜麻仁油は57000㎎ですので58%、57%を占めていることになります。
ナッツ類の‟くるみ”は9000㎎ですから、数値的には9%程度ですが、エゴマ油や亜麻仁油をごくごく飲むわけにいきませんから、むしろくるみを積極的に摂取するのもありだと思います。
ちなみに、くるみ(胡桃肉)は中医学に基づく薬膳でも健康長寿の食材で、アンチエイジング効果が期待できると言われます。五気六味は温性甘味で、帰経が腎(簡単に言うと腎に効く)であるため、まさに生命を維持するための食材であるとも言えます。
ここは、αリノレン酸が必須脂肪酸であることと合致致します!
このように、αリノレン酸が人体にとって必須脂肪酸であるように、様々な脂肪酸は意識して摂るべきものであると同時に、摂取過多は逆に人体に悪影響を及ぼすと言うことになります。