ぽとす@保育士大学院生

とある街の保育園で保育士をしています 最近、大学院生にもなりました

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マガジン

  • ぽとすの保育について思うこと

    毎週月曜日、現役保育士ぽとすが、日々の保育について思うことを気ままに書きます

最近の記事

保育士が学会に参加してみて

昨日、乳幼児教育学会に参加させていただいた。 発表ではなく、純粋な参加。 しかも、前回の学会参加がオンラインだったから、今回が初めての対面参加となる。 どうなるか、少しドキドキな気持ちがあったが、結果参加してよかったと感じる。 最新の研究成果をこの場で知ることができる。 なにより、その研究者が目の前にいる。 論文でしかみたことがなかった人が、目の前にいるとなると、なんだか芸能人にでもあったような気がしてしまう。 ミーハーだね。 さて、学会では大きく分けて二つのやりかた

    • 保育は戦闘力勝負じゃない

      保育士として経験を積んでいくと、だんだんとできることが増えてくる。 それは、クラスの回し方だったり、手遊びのやり方だったり、行事の運営だったり。 そういったスキルが増えてくると、ついつい人と比べてしまうことはないだろうか。 あの人は、これが苦手だから保育士として未熟だ。 経験が足りてないから、まだまだだよね。 なんでいつまでたってもできないのか。 そういって、相手のことを評価し、ときには言葉に出してないだろうか。 ある人がこんなことを話していた。 保育はチームである。

      • 保育者のウェルビーイング

         「ウェルビーイング」という言葉を知っているだろうか。  英語でいうと、”well-being”である。  well(よい)+being(状態)という意味。  世界保健機関(WHO)の定義によると「個人や社会のよい状態。健康と同じような日常生活の一要素であり、社会的、経済的、環境的な状態によって決定される」という。  すごいざっくりいうと。「なんかいい感じだよね」ということ。  このキーワード、これからの保育者にとって、すごい大事な言葉になってくる。  保育をしているとき

        • 保育士こそ選挙に行こう

          昨日、衆議院選挙が行われた。 みなさんは行ったであろうか。 私は行った。 なぜ行ったのか。 私の場合は、「保育士だから」という理由が大きいかもしれない。 まず、保育園は私立公立に限らず、税金によって運営されている。 そして、どれだけお金を園にかけるのかを決めているのは国であり、その政策を決めているのは議員であるのだ。 だから、議員を誰にするかによって、私達の園に関わるお金が変わるといったもいいだろう。 さらに言えば、教育に関わる政策をきめていくのもまた国会議員である。

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        • ぽとすの保育について思うこと
          77本

        記事

          すべての保育士にノンコンタクトタイムを

          「ノンコンタクトタイム」という言葉を知っているだろうか。 保育士の働き方改革の中で、鍵となる言葉だからぜひ覚えていただきたい。 これは、保育士の勤務時間の子どもから離れる時間のことである。 子どもから離れ、製作準備をしたり、保育計画をつくったり、行事の準備をしたりする。 保育士以外の人にとって、この言葉は奇妙にうつるかもしれない。 そうした作業は子どもから離れるのは当たり前。なんでわざわざ、「ノンコンタクトタイム」という名前をつけるのか、と思うかもしれない。 だが、これ

          すべての保育士にノンコンタクトタイムを

          なぜ「保育」なのか

          「保育」という言葉。 私達保育者は、子どもに関わるとき、「教育」ではなく、「育児」ではなく、「保育」という言葉を使う。 あらためて考えてみると、なんでそうなのだろう。 少し勉強したひとなら、「保護(養護)」と「教育」が合わさってできた言葉だから、と答えるかもしれない。 実際、私もそう思っていた。 でも、最近読んだ本によると、どうも最初は違ったらしい。 明治期の近代化の中で、「幼稚園」というものが新たに作られようとしていた。 今までの江戸時代の身分制度から脱却し、新しい時代

          保育士大学院生の私が論文から研究テーマを見つけた方法

          すべての研究では研究テーマが必要だ。 ただ、それをみつけるのって、結構難しい。 やりたいことがあったとしても、それをどのように研究すればいいかわからなかったり、そもそも何がやりたいのかわからなくなってくる。 そんなとき、論文は大きな力となってくれる。 0から考えるのではなく、先人たちの力を借りることで、自分のやりたい研究・やるべき研究がみえてくる。 今回はそんな、自分の研究テーマを見つけた方法を書いていきたい。 ①     自分の一番好きな論文を見つける 最初は自分の興味の

          保育士大学院生の私が論文から研究テーマを見つけた方法

          インタビューとは何か、それは共同作品。

          保育の研究を行うとき、よく使われる手法が「インタビュー」 でも、インタビューをする、とはどのようなことだろうか。 最初にイメージが浮かんだのは、テレビの街灯インタビュー。 商店街のお客さんに、 「最近の物価について、どう思いますか」 とレポーターが尋ねると、 「いや、結構高いね」 と答える。 そこには、お客さんという話し手と、レポーターというきき手の二人がいて、そこには「きく」「話す」という一方向な構造があった。 それがインタビューであると思っていた。 でも。それは果たし

          インタビューとは何か、それは共同作品。

          なんのために保育士をしているのか

          保育士として働き続ける中で、なぜ保育士をしているのか分からなくなるときがある。 久しぶりにあった会社員の友だち。 お酒を片手に、昔話から始まり、自然と今の仕事の話になる。 上司や後輩の愚痴。残業が多かったり、仕事のやりがいの話だったり、話がはずむ。でも、話が進むなかで、友だちと比べてしまう自分がいる。友だちの会社は、休みが多かったり、給料が高かったり、キラキラしている。 自分はどうだろう。仕事は忙しいし、責任があるわりに、休みが少なく、給料もそこまで高くない。 飲み会の帰り道

          なんのために保育士をしているのか

          不登校の子なんて存在しない

          ネットを見ていたら、こんな記事を見つけた。 だから「学校に行かない子」が増え続ける…SNSで広がる「無理して行かなくてもいい」論に抱く"強烈な違和感" 見守り、寄り添うだけでは問題が長引くだけ #プレジデントオンライン https://president.jp/articles/-/85856 私がこの記事を読んで感じたこと。 そもそもとして、不登校の子という言葉がよくないと思う。 ゲームをすることが好きで、友だちとスマブラをやって楽しんでいるAくん。 漢字の書き取りが

          不登校の子なんて存在しない

          「共主体」という考え

          「子ども主体」 保育者をしている人なら必ずきいたことがあるのではないか。 子どもがイキイキと過ごし、みずから活動をしていく。 保育において根幹となるものであり、大切なことである。 だけれども、その言葉が語られるとき、私は「保育者」はどのように捉えられているのだろうと感じる。 大人は主体ではないのだろうか。 私たち大人もまた、保育園という場の中で、自ら考え、活動していく。 大人もまた主体である。 ここで、一つの議論が起こる。 それでは、子どもは主体ではないのだろうか。 結局

          「共主体」という考え

          みくのしんさんは保育者に向いているんじゃないか

          この前、こんな記事を読んだ。 https://omocoro.jp/kiji/462699/ この記事を簡単に説明すると、本を読むことが苦手なみくのしんさんが、友人のかまどさんと一緒に、「山月記」を読んでいくというものである。 これがまあおもしろい。 とにかくみくのしんさんがすごいのだ。 最初の一文で、「俺に読めるはずがない!!!」と怒声を上げたかと思うと、李徴が詩の大家を目指して役人を辞めたシーンでは、「芸人さんの下積み時代の話みたいだね」と素朴な感想をつぶやいたり。 そ

          みくのしんさんは保育者に向いているんじゃないか

          保育者は「黒子」ではなく「主演」である

          保育者は「黒子」のような存在である、となにかの文章で読んだことがある。 子どもがのびのびと、生き生きと育つために、保育者が環境を整えたり、活動を考えたり。 そういった意味で、「黒子」という言葉が使われていた気がする。 確かに、そのような側面もあるだろう。 だけど、「黒子」という言葉からは、保育者は子どもの一歩引いた立場のような、目立たない存在のような、そんな印象を受けてしまう。 その意味で私は、保育者はもっと前に立ち、登場人物の一人、なんなら、子どもと一緒のW主演であるとさえ

          保育者は「黒子」ではなく「主演」である

          保育士の私が、いい論文だなと感じるとき

          現在私は、保育士として働きながら、大学院に所属し、修士論文に向けて様々な保育の論文を読んでいる。 その中には、いい論文だなと感じるものがある。 今回はどんなものがいい論文と感じるのか紹介していく。 保育者に対するリスペクトを感じる 私が多く読む論文は、保育者や考えや行動を研究対象にしているものが多い。 そのため、論文を見ると、筆者が保育者をどのように捉えているのかが、なんとなくわかってくる。 例えば、インタビューのやり方。 しっかりと保育者と向き合うために、長期間にわたっ

          保育士の私が、いい論文だなと感じるとき

          子どもと思いっきりあそぶ

          保育士をしていると、うまくいかないことはある。 いつもならなにげない同僚の言葉にイライラしてしまったり、子どもに必要以上に怒ってしまったり、ささいなミスが増えてしまったり。 そういうとき、私は子どもと思いっきりあそぶ。 全力で追いかけっこをしたり、水遊びを服がビショビショになるまでやってみたり、たくさんお話してみたり。 そうやってみると、なんだか肩の力が抜けたような気になる。 自分のモヤモヤが、少しずつ減っていくような気がする。 楽しいな。 この感情が、私を保育士という生き方

          子どもと思いっきりあそぶ

          保育士が行う寝かしつけのやり方

          保育園で過ごす子どもたちは、お昼寝をする。 そのときに、保育士は寝かしつけをする。 このやり方は保育士によって様々だ。 ここでは私のやり方を紹介する。 子どもがお布団に入る。だけど、少し興奮気味なのか、しゃべりたそうな様子がある。 なので、ちょっとした会話。 今日、園庭楽しかったね。給食、おいしかったね。 穏やかに話しながら、だんだんと気持ちがおちついてくる。 次に、胸のあたりをやさしくとんとんする。 一定のリズムで、ゆっくりと。 子どもの呼吸に合わせて行うことが多い。 そし

          保育士が行う寝かしつけのやり方