保育士大学院生の私が論文から研究テーマを見つけた方法
すべての研究では研究テーマが必要だ。
ただ、それをみつけるのって、結構難しい。
やりたいことがあったとしても、それをどのように研究すればいいかわからなかったり、そもそも何がやりたいのかわからなくなってくる。
そんなとき、論文は大きな力となってくれる。
0から考えるのではなく、先人たちの力を借りることで、自分のやりたい研究・やるべき研究がみえてくる。
今回はそんな、自分の研究テーマを見つけた方法を書いていきたい。
① 自分の一番好きな論文を見つける
最初は自分の興味のある論文をとにかくたくさん読んだ。
全部読むと大変なので、最初の概要だけとかもあったけど、気になったものをたくさん読んだ。
論文を探すときは、J-STAGEを使い、「保育学研究」のみに絞った。
保育学研究にある論文は質・量ともに担保されているので、最初はこれだけで大丈夫。
保育者の専門性に興味があったら、「保育 専門性」とか、「保育 関わり」とか
子ども理解に興味があったら、「保育 子ども理解」とか、「保育 幼児理解」とか
とにかく検索して、興味のあるタイトルの論文を見ていく。
するとだんだん自分が好きな論文が見つかると思うので、それを軸に考える。
明確な目的があれば、そのキーワードを入れてもいいと思う。
ただ、具体的なワードだと論文がないときがあるので、そのときは、キーワードをずらしたり、広くすることをおすすめする。
(例:サークルタイム→集まり場面、話し合いなど)
② その論文の関連論文を読む
好きな論文が見つかったら、その関連論文を読む。
まずは下の引用文献から見る。
これも、保育学研究だけに絞ったほうがいいと思う。
他の雑誌だと、調べるのが大変だったり、質がよくないものがあるので。
また、好きな論文から少しずらした論文を探していく。
見つかった論文から、また引用文献をみてみると、どんどん関連論文が増えていく。
嬉しいね。
③ 論文を整理する
関連論文が10~20本くらい集まったら、整理していく。
まず「研究の目的」の整理。
保育学研究にある論文は、研究の目的がしっかりとしており、概要を見ればそこで分かる。
研究の目的は、一文で簡潔にまとめられているはず。「保育の過程の質を構成する保護者と保育者の関係性の視点から連絡帳の記述に焦点を当て,連絡帳の意義を明らかにすること」みたいな。(保育学研究 2015 「保護者と保育者の記述内容の変容過程にみる連絡帳の意義」より)
余裕があれば、結果や考察もみると、より具体的に理解できるようになっていく。
④ 自分の研究テーマを考えてみる
先行研究の研究目的から、自分の問いを絞っていく。
ならべてみると、なんとなく「これとこれ組み合わせれば面白そうだな」とか、「この対象クラスを5歳から3歳にずらせば面白そうだな」みたいなことが見えてくると思う。
そうして、どんどん自分の研究テーマを作っていく。
⑤ 研究テーマを一文で書く
最後に、この研究テーマを一文で書いてみる。書いてみると、自分の研究テーマがはっきりする。
これが意外と難しい。
このとき、用語の定義ははっきりとさせておく。
「連絡帳」「葛藤」普段使っている言葉も自分で話せるようにする。
あまり難しい専門用語を使わないことをおすすめする。
初めてきいた人でも理解できるくらいが理想。
また、専門用語をつかわないことで、より目的がはっきりとわかる。
また、書いてみると、かなり問いが広かったり、あいまいだったりすることがある。
そうしたら、さらに絞ってみたり、別の言葉を使ってみて、自分の研究テーマを作っていく。
こんな感じで自分は研究テーマを作りました。
おそらく、研究テーマを決めるのって、修士論文の最初の大きな関門だと思う。
ぜひ、くぐり抜けてほしい。
応援している。