マガジンのカバー画像

朝日新聞記事の感想

28
リンクはプレゼントURLではないので、長い記事については朝日新聞デジタルの購読者以外の方は、途中までしか読めないことがあります。
運営しているクリエイター

記事一覧

衆愚と断じて冷笑しているわけにはいかない危機感

衆愚と断じて冷笑しているわけにはいかない危機感

 米大統領選の結果よりもショックが大きい。テレビや新聞、既成政党を既得権益と敵視し、オールドメディアが隠匿する事実があるとするSNSやYouTubeを信じる人々が、これほどの数を成すとは。

 決して予想外ではない。テレビ局がYouTubeに上げているニュース動画のコメント欄など、驚愕の偏り方をしていた。陰謀論の果て、早晩にナチズムを生み出しそうな異常な熱気に、県民でなくとも暗鬱とした気持ちになる

もっとみる
生活保護の相談窓口に元警官を置いて利用者を減らした自治体

生活保護の相談窓口に元警官を置いて利用者を減らした自治体

 群馬県桐生市が、生活保護の相談員として元警察官を配置してから、生活保護の利用者数が急減したという。

 当時の桐生市福祉課の上層部が生活保護の法制に理解が乏しいことに間違いないが、なおざりに法定受託事務を運用したというようでもない。どうにも必要な支給をすることを軽視し、兎にも角にも不正受給を防ぐことに執着していたように感じられる。元警官を相談員に登用した職員も、高圧的に窓口対応した元警官の相談員

もっとみる
闇バイトUDドライバーの刑事公判傍聴席にいた高齢の女性

闇バイトUDドライバーの刑事公判傍聴席にいた高齢の女性

 特殊詐欺事件に受け子や出し子を送迎するドライバーとして加担していた元自衛官が詐欺と窃盗の罪に問われた、大津地裁での一審における4月26日の初公判および5月24日にあった判決公判の様子を伝える記事。

 以下、この記事の結末についての感想。(ネタバレ)

 判決公判では被告に懲役3年の実刑判決が言い渡された。この判決公判の傍聴席の様子を伝えて、記事は締めくくられている。

 祖母だった「かもしれな

もっとみる
彬子女王をうかがう国民のシンパシーとエンパシー

彬子女王をうかがう国民のシンパシーとエンパシー

緊急帰国の報

 彬子女王殿下緊急帰国の報が日曜昼集計のアクセスランキングで1位になっているのには少々驚いた。購読者のアクセスばかりでなく、他紙に先がけて報じてアクセスが集まったということもあるのかもしれない。

 なおANNのニュース映像の再生数は、さほど回っているわけでもなさそう。

彬子女王への共感

 2015年刊行の留学回想録『赤と青のガウン -オックスフォード留学記-』が、今年文庫化も

もっとみる
さいたま市のふるさと納税損失額は保育園18園分

さいたま市のふるさと納税損失額は保育園18園分

 ふるさと納税制度によるさいたま市の損失は、約20億円に及ぶらしい。 

 制度について他資料で調べていないけれど、この記事から読み取った限りではおおよそ下記の計算となろうか。

流入(他自治体住民からさいたま市への寄附受入)額6.3億円−流入のための返礼品やサイト手数料など3.8億円−流出(他自治体に寄附したさいたま市民の市税控除)額90億円+流出額の4分の3は国が地方交付税で補塡67.5億円 

もっとみる
立候補者に女性のほうが多いことを残念がるバックラッシュ

立候補者に女性のほうが多いことを残念がるバックラッシュ

 島根の自民党男性県議さん、自党他党をあわせた県内の衆院選立候補者に女性のほうが多いことについて、残念との発言。

 言うまでもなく、県選出の国会議員は男性のほうが多い。島根1区は自民前職高階恵美子氏、立民前職亀井亜紀子氏、共産新顔も女性で、女性対決となったわけだが、それについて「残念」という言葉はどうやったら出てくるのだろうか。意中の男性候補が党内の公認争いに敗れていたのか。漠然と残念に思ってい

もっとみる
専門学校生が借りた電動キックボードに、大学生の友人と二人乗りしていたら、検問にひっかかった事件

専門学校生が借りた電動キックボードに、大学生の友人と二人乗りしていたら、検問にひっかかった事件

キックボードの飲酒運転事件の報

 電動キックボードをめぐる道路交通法違反(車両提供)の容疑での立件例を伝える三面記事。要は飲酒運転で、幸いなことに交通事故は起こしていないようだ。推測するに、検問にひっかかったところ、レンタルキックボードの借主が操縦せずに二人乗りの後ろで同乗していたために、運転手の大学生の酒気帯び運転のみならず、又貸しした専門学校生も異例の送検となったのだろう。

 運転していた

もっとみる
新聞社の海外特派員はサウナに偶然同席した外交官と2時間話し込んだ

新聞社の海外特派員はサウナに偶然同席した外交官と2時間話し込んだ

 外交官も新聞記者の特派員も男性同士、サウナで語り合ったのであろうという先入観のもとで記事を読み進めたのは、ジェンダーバイアス以外の何物でもない。

PKを蹴る前にサッカーボールを濡らす行為

PKを蹴る前にサッカーボールを濡らす行為

 スポーツ担当の潮記者による連載コラムで、JリーグFC町田ゼルビアの藤尾翔太選手による、サッカーボールへの水かけ行為が取り上げられている。

 8/17の試合で笛を吹いていた高崎主審が水かけ行為の後、PKを蹴る前にボールの交換を命じ、その裁定を今月審判委員会が審判の裁量範囲内で問題ないと明らかにしたことを受けて、この件が取り上げられたようだ。藤尾選手のボールへの水かけは、何も8/17の試合が初めて

もっとみる
ぐりとぐらより表紙にすべきはカステラ

ぐりとぐらより表紙にすべきはカステラ

 絵本「ぐりとぐら」の作者姉妹のうち、作画の妹さんは一昨年亡くなっていたが、このたびは作文のお姉さんの訃報。

 評伝で気に留まったのが、ぐりとぐらの第一作で二匹が作ったもの。

 え、ホットケーキ(パンケーキ)じゃなかったっけ。と思ったのは、このところ繰り返し見ている佐久間宣行のNOBROCK TVの動画で福留光帆さんが「表紙にすべきはパンケーキ」とダメ押ししていた印象が残っていたためだろう。

もっとみる
北海道ボールパークFビレッジ周辺の高校と大学

北海道ボールパークFビレッジ周辺の高校と大学

 プロ野球日本ハムの昨年からの本拠地球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」の所在地する北海道ボールパークFビレッジ。その東隣に位置する北海道北広島高校には、ボールパーク委員会なる生徒組織があるらしい。

 プロスポーツ興行に高校生が関わる余地は少なかろうとも、試合の無い日のイベントや周辺のにぎわい形成に地域の学生が与える活気というのは重要だろう。停車本数や推奨通学路はわからないが、地図を見る限

もっとみる
袴田さんの無罪判決に際し裁判長が詫びたわけ

袴田さんの無罪判決に際し裁判長が詫びたわけ

 袴田事件の再審判決に際して、静岡地裁の国井恒志裁判長が閉廷前、袴田さんの姉の秀子さんに対し、無罪判決まで時間がかかったことを謝罪したことを伝える記事。

無罪判決の注目ポイント 再審というのは、再審開始を決定した時点で無罪となることがほぼ決まっている。今回の再審で注視されているのは、証拠の捏造や黙秘権侵害の事実認定と、警察と検察と裁判所の反省である。

 1968年の一審での最初の死刑判決から1

もっとみる
性的同意と性教育:アダルト動画など性の商品化の顕著な現代において

性的同意と性教育:アダルト動画など性の商品化の顕著な現代において

 みたらし加奈さんが回答する人生相談の連載。昨日の夕刊紙面に掲載されていた回では、恋人に性的同意の確認をとるべきかという30代男性の相談に、みたらしさんは投書の内容をそのまま恋人に伝えるように背中を押している。(このnote記事のタイトルにアダルト動画とつけたが、この人生相談にはAVの話は出てきません。)

 もし人生相談ではなく社会時評として読むのであれば、応用人類学者の磯野真穂先生のコメントプ

もっとみる
世界で最も有名な子どものいない猫好きの女性であるスウィフト氏

世界で最も有名な子どものいない猫好きの女性であるスウィフト氏

 リベラル系の米紙THE NEW YORK TIMESのコラムの抄訳を掲載している連載「NYTから読み解く世界」において、歌手のテイラー・スウィフト氏が米大統領選で民主党のハリス候補への支持を表明したことが取り上げられている。

 スウィフト氏のハリス候補への支持表明については、朝日新聞でも今月12日にトランプ候補の反応とあわせて報じられている。

 スウィフト氏のリベラルな姿勢は以前からのもの。

もっとみる