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愛について

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大好きなものつくりの源。それは、誰かの為につくること。故郷に育まれた風土。風土から生まれた僕らの手。手仕事から溢れて、手づくりに滲む、愛について語ろう。
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今夜、すべてのバーで

今夜、すべてのバーで

先週末、家の中に家をつくった。
いわゆる、日曜大工の手に依るものである。

オーナーは、ピカピカの一年生になったばかりのJr.だ。生き物とその摂理に興味深々の彼は、自分も巣が欲しいと言い出した。小屋とか家ではない。自らの身の丈にFITした、衣服を纏うことに似た寝床のようなアレである。

実は半年ほど前に、オーナーの意図に背き、薄いベニヤの差し込み式でつくったそれは、三匹の小豚の逸話のように、強い風

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僕が生まれる前から大工だった、棟梁のこと。

僕が生まれる前から大工だった、棟梁のこと。

スマートフォンスタンドができた。

わざわ座「大工の手」の名物で、コロナ禍に小泉誠さんが、座衆と住まい手の為に、フリーでデザインしてくれたものだ。

栗の木で🌰沢田さんがこさえた。
沢田は、大塚工務店の元棟梁だ。

「ヨッ、大棟梁」

70歳を迎え、社員大工としては、退任。
改めて、一兵卒として、腕がなまらない程度に
今日も、出てきてくれている。

彼は、四代目が小さい頃から、大工として活躍。

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山師の唄を聴け

山師の唄を聴け

山の民たちは、云います。

造成が始まると、透明だった湧水が濁る。

問題は、私たちの目に見える
表面だけの話、では無いのです。

若い頃、大阪は、河内長野の木こりの
元を訪れたことがありました。 

おっちゃんは言いました。

切るために植えられた人工林で
あっても、町の子供たちから
見れば自然の一部やし、風景なんや。

だから俺は、絶対にハゲ山にはしない。

おっちゃんは皆伐と呼ばれる
いっぺ

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林野に想いを馳せて

林野に想いを馳せて

朝の連続ドラマ小説「おかえり、モネ」
に見る、林業と漁業、山と海、森と街、
川上と川下はひと連なりなのだという
ストーリーをシェアします。



モネの由来は、本名の百音(ももね)から。
これだけでも、なんだか素敵なのです。

主人公のモネが、初めての
仕事に就いたのは、森林組合。
東北は宮城県の林山地が舞台となり
林業が着目されました。

そう、木の家の故郷が舞台なのです。

実は、その番組の

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抽象度というものさし

抽象度というものさし

宇宙に行きたいか?行きたくないか?と聞かれたら、行きたくない派である。

したがって、天文学への興味は小さい方だ。

今朝、小学一年生の息子が、天体のことを話題にした。「しんちゃん(←私のこと)、ハヤブサって知ってる?宇宙のやつ。」聞けば、学校で地域イベントのアナウンスがあったようで、地元明石駅前で開催中の実物展示のことだと、すぐにわかった。



自分のことより、家族のこと、家族のことより地域

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どこかに美しい村はあるか

どこかに美しい村はあるか

地元明石の次に、大好きな神戸の谷合のまち塩屋。旧明石藩の東の端に位置する神戸はハイカラで、これまた大好きな洋館、旧グッゲンハイム邸があります。

週末、様々な催事の会場にもなる、この古い異人館で開かれた、小さな映画観賞会に出かけました。若干一時間のドキュメンタリー映画は“どこかに美しい村はないか”という題が充てられていました。

今日のシェアは、雪の降らない冬の播磨で見た、長い冬を持つ雪国を舞台に

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心の傷を癒すということ

心の傷を癒すということ

ー誰も、ひとりぼっちにさせへん。

今日心洗われる映画を、観ました。
息抜きにとひとりで、観ました。
大好きな映画館、旧居留地にある
シネリーブル神戸で、観ました。

77年生まれの僕にとって
映画で描かれた世界は、
人生の回顧録のようでした。

自分が小さな頃の未だ知らない神戸。
青春時代を過ごした神戸。

「心の傷を癒すということ」は 
今から26年前、阪神・淡路大震災
発生時に、自ら被災しな

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