林野に想いを馳せて
朝の連続ドラマ小説「おかえり、モネ」
に見る、林業と漁業、山と海、森と街、
川上と川下はひと連なりなのだという
ストーリーをシェアします。
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モネの由来は、本名の百音(ももね)から。
これだけでも、なんだか素敵なのです。
主人公のモネが、初めての
仕事に就いたのは、森林組合。
東北は宮城県の林山地が舞台となり
林業が着目されました。
そう、木の家の故郷が舞台なのです。
実は、その番組の解説を、林野庁が
行っているのは、ご存知でしょうか。
登米町の木こりの想い。
森や山は、海の恋人である。
そんなことを、真摯に伝えたい想い
が伝わってきます。
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主人公のモネは、周りを海に囲まれた
島で育ちました。
ふるさと気仙沼から、山を登り、
今度は海を見下ろす登米町で
仕事をすることになったわけです。
登米町で、早朝に見られる
美しい朝霧の景色を見ながら、
故郷気仙沼の島に見た大好きな
朝もやの景色と重ね合わせて
思わず胸が熱くなり、
涙するシーンがあります。
そうです。
山と海は異なものでは無いのです。
雲や霧がつくる美しい景色が
共通するように、海がつくった雲が、
山へと渡り、森に雨を降らせる。
森に降った雨は、
木こりが植えた樹々の
葉っぱたちが受け止め、
枝を介して幹へと渡り、
根っこまで吸い寄せられます。
そして、
山の大地を潤した水は川となり、
豊富な栄養分を蓄えて、
海へと里帰りします。
そしてまた、
雲ができて、大きな循環は
あたりまえのように、脈々と
繋がっていくのです。
この川を介して、山や森から贈られる
ギフトのような水の中に含まれる養分が
減っていることが、魚の不漁に繋がっている
ことは、一般には余り知られていません。
陸の山の荒廃が、海の漁師の生業に
影響を与え、ひいては、海浜部に
住み暮らす、私たちの生きる糧に
繋がっているのです。
不漁だから、海の底を耕そう。
不漁だから、稚魚を放そう。
不漁だから、下水処理の程度を緩めよう。
川下の人間は、日々、自分たちが
出来ることから手を付けて、
知恵を絞りますが、
中々快方に向かわないのは、
繋がりの欠如かも知れません。
だから、
森や山は、海の恋人なのです。
私たち川下に住み暮らす民は、
山のこと、山の民の営みに、
時々は思いを馳せて、
その繋がりを感じて欲しいのです。
そんなきっかけを、このドラマは
つくってくれている気がしてなりません。