「内向と外向」うつや認知症に対する簡単なテクニック
「内向」という言葉があります。
考えが自分の内側、内側へと向かってしまう状態です。
反対に「外向」というのは、自分の意識が外へ向いている状態です。
うつや認知症というのは、特にですが、完全に「内向」している状態です。
内へ向かう=過去にいる、とも言えます。未来が見えません。未来のことなんて考えられません。考えたとしてもネガティブなことでしょう(これが過去にいるということです)。
ですので、そこから抜け出す、最も早い、最も簡単な解決策としては「外向」する、ということにつきます。
しかし、家の中で「内向」しているのにいきなり「外向」というのも難しいものです。外に出ることが一番ですが、難しいのでしたらまず窓を開けたり、玄関のドアを開けて外を見ます。
ポイントはただボーっと見るのではなく、まわりにたくさんある物をひとつひとつ意識して見てください。
自分にこういう風に聞くんです。
「お向かいのビルのテッペンの角を見てみよう」
そして、見ます。
また、自分に聞きます。
「お隣の家にある鉢植えに咲いている赤い花を、見てみよう」
そして、見ます。
またまた、自分に聞きます。
「あの壁の左の方にあるシミをよ~く見てみよう」
そして、見ます。
とつぜん
「あれ。シミだと思って、よく見たら、コケが生えていたんだ…」
・・・なーんて、何かに気づいたりします。
この時点であなたは「外向」しています。
そんな風に、ひとつひとつ、そこにある物に意識を向けながら、ゆっくり、観察していきます。外向へ向かうステップです。
もし、あなたではなく、貴方の大事な人やお友達が内向していたら、貴方が聞きます。
「地面を見てみてください」
その人は、見ます。
見てくれたら「ありがとう」
と言ってあげてください^^
(これが、見る方としては、結構嬉しいのです)
「空を見てください」「ありがとう」
「あの街路樹の幹を見てください」「ありがとう」
「あの韓国料理店の看板を見てください」「ありがとう」・・・
特に認知症の疑いが出てきている方は、ゆっくりでいいのですが、より細かい指示を出すようにします。
「この木の上から三枚目の葉っぱを見てみてください」
すると一生懸命見ようとして、その方の意識は全部、現時点に戻ってきます。これが完全な「外向」です。
さらに続けます。
「あのスーパーの入り口にある、消毒液を見てください」
「ありがとう」(このあいづちを忘れずに^^)
「あの家の窓に置いてある、花瓶を見てください」
「ありがとう^^」
「道の向こう側にある柵の上のスズメさんを見てください」
「ありがとう^^」
これをある程度の時間…
散歩がてら、出来ればその人が、なんとなく気分がよくなって、顔が明るくなったり、ちょっと楽しい気分になってきたり、先ほど書いたように
「あれ?このおうち、こんなところに花瓶が置いてあったのね~。毎日通っていたのに知らなかった!」
「あら、ここの角に、バラが植えてあったんだ!」
なんて、新しいことに気づく瞬間があったりします。
こんな感じのところで終わるのがベスト。
(時間があったら続けてもいいですよ)
毎日、決まった時間でなくてもいいので、続けられるようにちょっとがんばってみます。
毎日毎日、外を見て、外向して、外向して、外向出来るように続ける・・・
少しずつ気分がよくなります。
慌てなくてもいいんです。まずは習慣にしてみてください。
あきらかに精神的な診断を受けていない人でも、すごーく疲れた時や、今日なんか眠れないなーっていう時にやるととても効果があります。
やっている最中、あくびが止まらなくなったり、疲れがきつい時は、少しまた疲れたように感じることもあり得ます。面白いのですが、この反応を通り抜けて行って最後に気分がなんとな~く上がって、まわりが明るく感じるまでやると、かなり個人の状態があがります。
精神的にすっきりして、もやが晴れます。
これが「外向」です。
今、まさにこの時点に自分がいて、正気でモノを考えることができます。
さっきまでイライラしていたけど…
さっきまで内向していたけど…
また、前に向かって行こう、と思えてきます。
現時点に、自分がいて、過去ではなく、未来を見ているのです。
そんなわけで、このテクニック、誰にでも非常に効果があります。
(赤ちゃんにやってもいいですよ。ぐずっていたのが、泣き止んだりします)
効果はありますが、恐ろしい副作用は、ありません(笑)
安心して、行ってください。