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あやの
2022年5月3日 16:38
おしゃべり好きな少女の震える手。無関心そうな少年からの素敵ですのひと言。耳を赤くする彼女が纏うオーラ。この世界に漂う不安を敏感に感じとる心が取り残されてしまう社会。声なき声に鈍感な僕らは雫を与えることができるだろうか。
2022年5月6日 22:24
言葉にすることが怖くて。得体の知れない何かを喉元から感じて。心が窮屈になって。僕は感じたことを言葉にした。誰も反応してくれなかった。ただ沈黙の時間だけが流れていた。苦しかった。何かおかしなこと言ったかな...間違ったこと言ったかな...こんな些細なことばかり気にする自分が厭になる。君が想像している程人は人のことに興味ないから。気にしすぎだよ。遠くから聴こえる声に
2022年5月14日 07:59
心に迫ってくるんだ。寂しさ。不安。恐怖。愛することが怖くて。愛されることが怖くて。信じることが怖くて。信じられることが怖くて。青くて脆いガラスのようだ。触れたら一瞬で割れ割れた破片で誰かを傷つける。だから僕は、生きていくために強くなりたいという想いを心に纏う必要がある。感情に嘘をつく必要がある。こんなことを考えながらひとり空を見上げる。涙が頬を伝う。感情って何
2022年8月2日 16:51
緑のマフラーをした君を僕はずっと探していた。君と出逢う前から。僕は僕という存在を。知られることが。理解されることが。怖くて、怖くて、震えていた。生きていくことさえ怖かった。不安だった。その想いを内に秘めていることも知らず君は僕に近づいた。そして、苦しめた。君は僕の中に眠る何かを知りたがった。その何かを通して世界を見透していた。なぜこんなにも僕の中に溶け出そうとす
2022年8月30日 22:18
僕の心が小さく震えていた。こんなにも穏やかな夜があるのか、と。耳を澄ますと聴こえてくる波の音。そして、君の声。君の甘い声が。囁くような声が。僕の身体に響き渡る。穏やかな愛に包まれる。君の声はずるいよ。ずるい....感情の波に飲まれていた僕だったがいつの間にか君の声で優しく溶かされていた。僕の中に眠る愛を見つけだしてくれてありがとう。気づかせてくれてありがとう。
2022年3月31日 16:31
雨が降ったら私を想い出して欲しい。彼女はその言葉を最後に、僕の目の前から姿を消した。雨がよく似合う人だった。どれだけ幸せに満ち溢れている日でも、いつも影を残して、僕の心を少しずつ侵蝕していった。愛って何だろう。心の奥にしまった記憶を手繰るように彼女はつぶやいていた。僕は何も答えず、ただ聴いていた。聴くことしかできなかったから。大丈夫。と、そっと唱える。必ず逢
2022年2月22日 22:44
目に映る世界がどれだけ美しくても突然襲ってくる。悪魔の蕾が。まるで僕の幸せを奪うかのようだ。降り注ぐ光がどれだけ価値のあるものでも心の在り様によって一瞬で闇に変わる。僕の目から映し出されるモノ。カタチ。イロ。オト。コトバ。ウゴキ。その全てが僕の姿。海の底へゆっくりと沈み行く。手を伸ばす。僕は過去を生きながら。未来を生きながら。今を生きる。
2021年8月13日 21:45
ぼくは人と関わることを辞めた。人と関わらなければ「傷」は残らないから。雨音が響き渡る図書室の片隅で、ぼくはまたページを捲る。このページの先にある光を探して。いつからだろうか。人を信じることを辞めたのは。幼い頃に母を病気で亡くした。母を亡くした悲しみで父はおかしくなった。だからいつも家で一人ぼっちだった。それが当たり前だった。学校に通い始め、ぼくにとっての当たり前が、他の
2021年9月2日 17:26
いつもより静かな一日を過ごしていた。だからなのか、たくさんの音が私を迎えた。雨の音。鳥がさえずる音。心地よかった。目を覚まさずにそのままでいたかった。そんな中、暖かい音に包まれた。キッチンで料理を作る音。湯を沸かす音。耳を澄ますと聴こえてくる。おと。日常の音楽会にまたきっと足を運ぶ。
2021年9月25日 23:02
空から舞い降りた一縷の光。泉。温もり。白馬を連れた一人の少年に見守られながら、小さな身体で大きな声を上げる。周りに響き渡る、太鼓の音、手のひらを合わせる音、草履を引きずって懸命に歩く子どもの足音。それら全てをかき消すかのように。小さくも大きな声は、一本の木に届いていた。空へと真っ直ぐに佇む一本の木。風に揺られながら、淡くも力強い色を放って。甘く温かな香り。握りしめる小さな手
2021年9月27日 22:35
ある日のこと。突然、少年は言葉を話せなくなった。いや、話さなくなったという方が正しいのかもしれない。今まで、少年は言葉によって自分のことを守り続けてきたのだ。相手を傷つけないように、傷つけないように....と。けれど、相手を傷つけないようにするというのは表向きの理由であって、本当はただ自分が傷つきたくないからだった。僕なんか言葉を話せなければいい。そうやって生きていた方が、周りにも
2021年10月15日 17:19
ある夏休みのこと。元素の不思議を探るために上野の博物館へ出かけた。たくさんの元素が描かれた下敷きを手に持ちながら歩く。そしてまた歩く。せっかくの上野。どうしても動物園の場所まで行きたくて。また歩く。一人の少女の目の前に広がったのは小さな小さな遊園地だった。トンネルを抜けた先には、眩ゆいほどの光の粒が舞っていたのだ。そう、私の世界が一瞬にして消えたのだ。
2021年10月29日 11:36
僕はずっと自分のことを冷たい人間だと思っていた。人に近づこうともしない。近づかれても上辺だけの会話で終わってしまう。なのに、心のどこかで、いつも誰かを、居場所を、求めていた。そんな自分が嫌で嫌で仕方なかった。誰かを傷つけること。誰かに傷つけられること。なんでこんな些細なことを気にしてしまうのだろうか。なんで..なんで..。考えれば考えるほど、自分の心の塊が大きくなるばかり。心の塊が爆発してしま
2021年11月4日 10:27
言葉には色がある。心にも色がある。一昨日の夜の心は淡いピンク色。昨日の心は淡いオレンジ色。やがて紺色へ。今日はどんな色が待っているだろうか。心の色は言葉の雫によって絶えず変化する。言葉って不思議だ。お母さんのお腹の中にいるような、何かに包まれた暖かい言葉。息を吹きかけたら一瞬にして散ってしまう言葉。纏っている炎があまりにも強すぎて、誰にも受け取ってもらえない言葉。