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2024年の栄養のトレンド

今年も残すところ、あと4か月。

今更ながら、2024年の栄養トレンドについて、考察いたします。

2024年の栄養トレンドは、長寿、持続可能性、全体的な健康の追求を中心に展開してきました。

これらのトレンドは、単なる一時的なブームではなく、科学的根拠に基づいた健康維持の方法として注目されています。

栄養の専門家は、短期的な効果を期待するダイエットよりも、バランスの取れた食事が長期的な健康に重要であると強調しています。

このトレンドを取り入れることで、個々のニーズに合った栄養プランを作成し、全体的な健康を向上させることが可能です。


タンパク質の質と健康への影響

2024年の栄養トレンドでは、特にタンパク質の質が重要視されてきました。
これまでは、タンパク質の摂取量が主な関心事でしたが、最近ではその質にも注目が集まっています。

タンパク質は、体内でさまざまな機能を果たすアミノ酸で構成されており、これらのアミノ酸の種類とバランスが健康に重要な影響を与えることが明らかになっています。

たとえば、動物性タンパク質源、特に卵は、すべての必須アミノ酸を含む「完全タンパク質」として知られています。

これに対して、植物性タンパク質源はしばしば不完全であるとされ、すべての必須アミノ酸を含んでいないか、十分な量を提供できないことがあります。
しかし、植物ベースの食事をしている人でも、適切な組み合わせでこれらの不足を補うことができます。

たとえば、米と豆を組み合わせることで、完全なタンパク質源を実現することが可能です。

近年の研究では、タンパク質の質が筋肉の修復と成長に及ぼす影響が注目されています。
特に、ホエイプロテインやカゼインなど、消化吸収が良好で必須アミノ酸を豊富に含むタンパク質は、アスリートや高齢者にとって非常に重要であることが示されています。

これらの高品質のタンパク質を適切に摂取することで、筋肉量を維持し、身体機能を向上させることが期待できます。

植物由来の食事と持続可能性

植物由来の食事がさらに普及し、健康と環境への影響が評価されることが予想されます。

フレキシタリアンと呼ばれる、主に植物ベースでありながら時折動物性食品を摂取する食生活が広まりつつあります。

これにより、健康上の利点を享受しつつ、環境への負荷を軽減することが可能です。

ランダム化臨床試験では、ビーガン食(肉や魚、卵などを食べない食事)と健康的な雑食を比較した結果、ビーガン食を摂取した群でLDLコレステロールや体重の減少が観察されました。

しかし、この研究では、植物ベースの食事における栄養素の不足を補う必要性が指摘されており、ビタミンB12、鉄、カルシウム、オメガ3脂肪酸などの摂取が特に重要とされています。

これらの栄養素を適切に補うことで、植物ベースの食事が健康に与える影響を最大限に引き出すことが可能です。

植物由来の食事は、持続可能な食生活にもつながります。

国連によると、植物中心の食生活を取り入れることは、地球の生物多様性を保護し、土壌の健康を改善し、水の使用量を減らす効果があるとされています。

また、持続可能な食習慣として、地元産の旬の食材を選ぶことや、食品廃棄物を最小限に抑える努力も推奨されています。

脳腸軸と繊維の重要性

脳と腸は自律神経系や液性因子(ホルモンやサイトカインなど)を介して密に関連していることが知られています。
この双方向的な関連を“脳腸相関”または“脳腸軸”とよばれており焦点が当てられています。

腸内細菌叢(腸内に生息する細菌のかたまり)が脳の機能や気分に影響を与えることが明らかになっており、これにより、全体的な健康を改善するための新しいアプローチが提案されています。

腸内細菌叢の健康を維持するためには、プレバイオティクス繊維を含む食品を摂取することが推奨されています。

プレバイオティクス繊維は、腸内に存在する有益なプロバイオティクスの成長を促進し、腸内環境を整える役割を果たします。

例えば、バナナやオート麦、アスパラガスなどは、これらの繊維を豊富に含む食品です。

脳腸軸の研究は、うつ病や不安障害などの精神的な健康問題の改善にも寄与する可能性が示されています。

特定の腸内細菌がドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質を生成することができるため、これらの細菌を増やすことで、気分や精神的な健康を改善することが期待されています。

パーソナライズされた栄養の進化

最後に、パーソナライズされた栄養が浮上しています。

栄養の効果は個人によって異なるため、一般的なガイドラインに加えて、個々の体質や健康状態に合わせたアプローチが求められています。

最新の研究では、ホルモンバランスや血糖値の管理が、栄養の個別化において重要な役割を果たすことが示されています。

たとえば、炭水化物を脂肪やタンパク質と組み合わせることで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。
これは、糖尿病患者だけでなく、減量やエネルギー管理を目指す人々にとっても有益です。

また、食物繊維を含む炭水化物を選ぶことで、体内での糖の吸収が遅くなり、血糖値の安定に寄与します。

これらのパーソナライズされたアプローチは、全体的な健康を改善し、個々の栄養ニーズに対応するための効果的な方法です。

社会的な意義

これらの栄養トレンドは、個人の栄養だけでなく社会的に意義があるものだと考えらえます。

その理由として

①バランスの取れた食事や高品質のタンパク質、適切な栄養素の摂取は、個人の健康を維持し、慢性疾患のリスクを減らすことができます。


特に、生活習慣病の予防には、栄養バランスが欠かせません。

適切な量と質のタンパク質は、筋肉の維持と修復に重要であり、特に高齢者にとっては、筋肉量の減少を防ぎ、健康寿命の延伸に寄与します。ビタミンDやカルシウムなどの栄養素も骨の健康をサポートし、骨粗しょう症の予防につながります。

疾病のリスクを減らし、予防をするということは、医療費の削減になり、日本の健康保険制度を持続的に保持していくことにつながります。

②持続可能な社会の実現には、環境への負荷を軽減する食生活が重要です。


植物ベースの食事が増えることで、食料生産に伴うCO2の排出量が削減され、環境保護に貢献します。
また、地域の食材を選ぶことで、輸送に伴うエネルギー消費を減らし、地元の経済を支援することにも
つながります。

植物由来の食事には、ビタミンC、ビタミンE、抗酸化物質、食物繊維が豊富に含まれています。
これらの栄養素は、免疫力の強化や抗炎症作用を通じて、個人の健康を支え、さらに食品廃棄物の削減にも寄与します。
繊維質の多い食事は腸内環境を整え、健康的な腸内細菌叢を維持するための栄養源としても重要です。

③脳腸軸の健康を維持することは、ストレスや不安の軽減、精神的な健康の向上につながります。

結果的に脳の健康に好影響を与え、神経伝達物質の生成をサポートし、うつ病や不安障害の予防に寄与します。

④全ての人が栄養豊富な食事にアクセスできることは、社会全体の健康を向上させるために不可欠です。


ひいては、それは経済活動の活性化につながります。

だからこそ、教育プログラムや政策を通じて、栄養知識の普及、低所得者層の人々がバランスの取れた食事を摂るための支援策として、サプリメントの提供も検討されるべきでしょう。

これからは、個人の肉体的な健康だけでなく、精神的な健康のサポート、そして健康の公平性の確保に尽力していくことが、より一層求められる必要があります。

これらを支える栄養素として、まずタンパク質の確保。
そして、ニュートラヴァイタやニュートラBK9に含まれるビタミン、ミネラル、抗酸化物質。
そして、食物繊維、オメガ3脂肪酸などが重要な役割を果たします。

これらの栄養素を適切に取り入れることで、社会全体の健康と福祉が向上し、持続可能な未来への一歩を踏み出すことが可能となるのではないでしょうか!!

「地球上の誰一人として取り残さない」ことを理念とし、人類、地球およびそれらの繁栄のために設定されたSDGsの17のゴールへの寄与は、食卓から始めることもできるのです。

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