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さ き
2020年7月27日 14:43
買い物に向かう途中で雨が降ってきた。こまめに通うには少し遠い距離にあるスーパーでは、買い物袋に入るギリギリの量の食料をいつもまとめて買って帰る。勢いの弱いシャワーのような雨のなかを、傘もささずに濡れながら、重い荷物に振り回されないよう必死になって歩いていると、なんだか急に、自分が惨めに思えて悲しくなってきた。もし今の私の姿を見つけたら、あの人はどうするだろうか。きっと、どこからともなく傘を買っ
2019年2月20日 14:58
いつだったか飲み物を飲んだ後にする下唇を舐める仕草がすきと言われた無意識に舐めてしまうたびその人のことを思い出すこれを思い出と呼ぶのかな私はそれを恋とは呼ばなかったな
2019年2月20日 15:27
コンビニで暖かい飲み物をひとつ買ってふたりで分け合って散歩がしたい今夜の映画とおつまみを喧嘩しながら選んで帰って薄暗い部屋でふたりで観たい床に敷いた布団に寝転がって枕元の酒を飲みながら話がしたいゆっくりできる雨の日の朝は外の世界から遮断されたような独特の静けさに耳をすませて寝顔を眺めるうちにまた眠ってしまいたい忙しい早朝だったらお湯を沸かしにこっそり布団から抜け出し
2019年2月20日 22:39
女のすべてを知ろうとする男も、男にすべてを解ってもらおうとする女も、きっとどちらも同じように愚かです。すべては手に入らないときちんと理解したうえでそれでもお互いをもっと知りたいまま互いの愛をもっと欲しいままでずっと一緒にいられたら どんなにか素敵なことでしょう。
2019年2月20日 23:14
誰にも言わずに相手にも伝えずに大切にしまっておくそんな気持ちがひとつくらいあったっていいやと思う愛は与えるものなのに返すものではないはずなのに向けられた愛に気づいたときに返せる愛が自分にはないとわかった時に堪らなく苦しくなるのは何故でしょうか私にはまだ分からないままですでもだから返せないことが分かっている愛はきっと与えても苦しめるだけだとひとり抱え込んでしまいます
2019年2月21日 22:40
ぽつり、ぽつりと滴り落ちる雪解け水のような言葉がわたしに教えてくれたことそこにわたしの知らない冬があったこと長いあいだ厳しい寒さと底知れぬ雪がそこを支配していたこと今、わたしの胸を濡らすあなたのあたたかな涙が教えてくれること春は、わたしの腕のなかに
2019年2月21日 22:54
きっと永くは続かないと心のどこかで思ってる美味しい料理だって冷めればすぐに悪くなる咲いた花もいつかは枯れるだけど美味しい料理を作るためには根気と時間が要るように種を植えて水を与えて花を育てるように気長にゆっくり時間をかけて時には何かをぐっと堪えてそれでも人を愛したいとあなたもそう思うでしょう?終わらないものはないのなら終わらせない努力をやめないでそう
2019年2月26日 19:51
私はまたホットケーキを焦がした。私は料理があまり得意ではない。下手くそというよりかは、作ることを面倒くさがってほとんどしないために、いつまで経っても上達しないのである。こんなに偉そうに言い訳をしてみたものの、ホットケーキなんて、小学生になる前の子どもがはじめて自分で作るようなお菓子、それさえもまともに作ることが出来ないのだから、きっと本当に向いていないのだろうと思う。ホットケーキの失敗はこ
2019年3月12日 00:18
わたしは、おじいちゃんが亡くなった日を憶えていない。亡くなったことを知ったのは、何年前だったろうか、父からの電話だった。バイトを終えて、スマホの通知を確認すると、珍しく父から連絡が入っていた。何か怒られることでもしたかなぁ、くらいに思っていた。今思うと、その方がよっぽどよかった。耳の外で鳴る電話越しの父の声は、なんだか他人事のように聞こえた。そのくらい、おじいちゃんの死は、噓みたいだった。バ
2019年4月16日 19:27
まだ足取りの覚束ないこの人と、未来が霞んで見えない不安の中を、私は手探りで進んでいます。どこで、足元の小石に足をとられて転んでしまうか、強風にのって飛んでくる枝葉は私たちを傷つけやしないだろうか、見えない不安は私の想像の中でだんだんと大きくなっていきます。最期まではぐれずに登りきれるかも分からない、頂上の見えない霧の深い山の傾斜を歩んでいます。この人よりもっと山登りが上手な人が、一緒に登ろうよ
2019年5月5日 11:28
まいにち すこしずつ 考えていること あの人に話したい くらいに 大きくなってきたら ひっそりと 言葉だけをとっておくすべてを見せてしまうのは 勿体ないから なんて 言い訳をしながら 伝える勇気のない きもちを そっと
2019年5月2日 22:23
雨の日は会えない 晴れた日は君を想う今夜はこんな邦題の映画を観ようと、久しぶりにキャンドルに灯をつけました。映画がはじまって、5分で妻がなくなりました。それ以上の感想はここで書くのはやめにしておきます。もしもあなたがこの映画を観たら、続きはその時にでも話しましょう。 映画を観ながら、いろいろなことをぼんやりと考えました。言葉にできるほど
2019年7月4日 19:07
今日の君との時間玄関が開く。おかえりなさいのハグをして、お互いの1日を労わり合う。近くのコンビニまで散歩する。いつものカフェオレと、君のとおんなじパンを真似っこして カゴに入れると、君が笑う。レジの小太りのおじさんが打ち出したのは、637円。300円ずつお金を出して、今日は私が50円を払う。お店を出たら、早速お揃いのパンを開けて、なんとなくかんぱいしてみる。おいしいね。と言ったあとは、ふた
2019年8月14日 20:48
自分の感情が黒くなっていくのを感じる。会いたいと言ったって会えないことくらい頭では分かっている、それが良くない。寂しい、会いたい、会えなくて悲しい。そんなブルーな感情を、どうしようもないからと、そのままにしてしまうから。そのうち、ブルーの涙を流していた心は鉄のように錆びついて、茶色く濁った言葉が漏れ出してくるようになる。会えなくて寂しいのにあなたはとても楽しそう。いっそのこと連絡を取らずにあなたを