
本当は大切にしたいのに…怒りで関係を壊さない方法
https://amzn.to/41nttbT私たちは日常生活の中で、思わぬ瞬間に怒りの感情に襲われることがあります。
相手の心ない言動にイライラしたり、不公平な状況に憤りを感じたりすることは、誰にでもあることです。
ですが、感情が爆発して、つい大切な人を傷つけてしまった時は、すごく後悔しますよね。
この前私も、実家に帰省して久しぶりに両親に会ったのに、なぜか小さなことにイライラしてしまって、怒りをぶつけてしまいました。
「両親と会える時間は貴重なのに…」
自分の家に帰ってきて、ひとりぼっちになった後、激しく後悔しました。
恋人や家族、親しい友人など、本当は大切にしたい相手だからこそ、つい感情が高ぶり、後悔するような言動をしてしまうことってありますよね。
なんでそんなことが起こるのでしょうか。
そして、どうすれば関係を壊さずに済むのでしょうか。
よくある対処法は、ぐっと我慢することですよね。
アンガーマネジメントの話題になると、6秒数えましょうと言う話だけが一人歩きしているように思います。
しかし、無理やり怒りを抑え込むのは良い方法とは言えません。
溜め込んでしまえばいつか爆発してしまうかもしれませんし、そうでなくても抑え込んだままで生きていくのが幸せだとは思えないのです。
本来なら、怒りの感情は悪いものでも、危険なものでもありません。
むしろ、上手に扱い、適切に表現することで、怒りは人間関係を改善し、人生を前に進めるためのパワフルなエネルギーになってくれます。
今回は、怒りの感情を健全に受け止め、前向きに活かすための方法についてご紹介します。
ちなみに今回の記事は、下記の本を読んだ上で書いています。
より詳しい内容が知りたい方は、是非この本を読んでいただくことをお勧めします。
「感情を抑え込む」のではなく、「そのままの形で表現しない」と決める
まず大事なのは、怒りへの対処として感情を無理に抑え込もうとするのは間違いということです。
怒りを感じたとき、爆発させるか、押し殺すかの二択ではなく、「感情を整理して伝える」という選択肢があります。
・抑え込む=「何もなかったことにする」「自分の感情を無視する」→ ストレスが溜まり、いずれ爆発する可能性がある
・適切に伝える=「怒りを冷静に整理し、相手に伝える方法を考える」→ 自分も納得でき、相手とも良好な関係を築ける
そのためまずは、怒りを感じた時に相手を攻撃しないということと、建設的に表現すること、この2つを学ぶことがとても重要です。
瞬間的な怒りを抑える方法
怒りを感じた瞬間に爆発しないためには、「まずは一時停止する」ことが重要です。ここでは、怒りが爆発する前にできる具体的な対策を紹介します。
怒りを感じたら、まず〇〇する」ルールを決める
怒りを爆発させやすい人は、あらかじめ「怒りを感じたら最初にやること」を決めておくと、衝動的な行動を防げます。
「怒りを感じたら、まず水を一口飲む」
「怒りを感じたら、まず一歩下がる」
「怒りを感じたら、まず手をグーに握る」
何か1つ「怒りの合図」となる行動を決めておくと、衝動的な行動を抑えやすくなります。
6秒ルールを実践する
怒りのピークは約6秒間と言われています。
その間、何もせずに深呼吸をするだけでも、爆発を防ぐことができます。
方法:息を4秒かけて吸い、2秒止めて、4秒かけて吐く。これを数回繰り返す。
その場から一時的に離れる(タイムアウト)
怒りを感じたら、一度その場を離れることも効果的です。別の場所に移動するだけで気持ちが落ち着くことがあります。
- 例:「ちょっと飲み物を取ってくる」「トイレに行く」などの理由をつけて、意図的に距離を取る。
言葉に出す前に「心の中で3つの質問をする」
怒りにまかせて発言する前に、心の中で以下の3つの質問を自分にしてみましょう。
「これは本当に言う必要があることか?」
「この言い方は相手を傷つけないか?」
「この怒りの理由は何なのか?」
この3つを考えることで、衝動的な怒りを少し抑えることができます。
自分の怒りの元となる一次感情とは何か?
怒りは「二次感情」と呼ばれ、その裏には必ず「一次感情」が隠れています。一次感情とは、怒りの原因となる根本的な感情のことです。
例
・悲しみ:「期待が裏切られた」「自分を理解してもらえなかった」
・不安:「先の見えない状況が怖い」「自分の立場が危うくなるかもしれない」
・恐怖:「責められるのが怖い」「失敗したくない」
・寂しさ:「大切にされていない気がする」
・恥:「自分が無力に感じる」「プライドが傷ついた」
例えば、上司に厳しく指摘されたときに怒りを感じる場合、その裏には「恥」や「不安」が隠れていることがあります。
「自分はミスをしてしまった」「能力が低いと思われるかもしれない」といった気持ちが怒りに変換されているのです。
まずは一次感情に気づくことが大事
怒りを感じたとき、「本当はどんな気持ちなのか?」を自問し、自分の一次感情に気づくことが大切です。
そして、その感情を否定せずに受け入れることで、怒りのコントロールがしやすくなります。
例:
「自分は怒っているけど、本当は悲しいのかもしれない」
「怒りの裏には、不安があるんだな」
こうして自分の本当の気持ちを認めることで、怒りを適切に処理できるようになります。
怒りをコントロールするためのステップ
1. 怒りを感じたことを認める
怒りを否定せず、「今、自分は怒っている」と認めることで、冷静になる第一歩を踏み出せます。
2. 怒りの背後にある一次感情を探る
「なぜ怒っているのか?」と自問し、その背景にある一次感情を理解しましょう。
例えば、「悲しいから怒っている」「恥をかいたから怒っている」というように、根本の感情を見つけることがポイントです。
3. 一次感情を受け入れる
一次感情を否定せず、「自分は今、悲しい」「不安を感じている」と受け入れます。
感情を抑え込まずに認めることで、気持ちが軽くなり、怒りが和らぎます。
4. 対処法を考える
一次感情に対して、適切な対処法を考えます。
例えば、悲しみを感じているなら、信頼できる人に話を聞いてもらう、不安を感じているなら情報を収集して安心感を得る、といった具体的な行動を取りましょう。
アサーティブに感情を表現しよう
ここまでの内容を実践して、自分がイライラした原因を突き止め、その感情を受け止めることができたらすごいです。
でも、怒りへの対処法として十分ではありません。
今後同じことを繰り返さないために、怒りを感じた原因を根本的に変える必要があります。
とりわけ他者とのコミュニケーションで生じたイライラは、なぜ自分が怒ってしまったのかを相手に伝える必要があるのです。
そのためには、怒りをそのまま爆発させるのではなく「適切な方法で伝える」ことが大切です。
そのために有効なのが、アサーティブ・コミュニケーションという方法です。
アサーティブ・コミュニケーションとは?
自分の感情を抑え込むのではなく、攻撃的にもならずに、相手に正直な気持ちを伝える方法です。
アサーティブに伝える3つのステップ
1. 事実を伝える(主観を交えない)
2. 自分の感情を率直に伝える
3. 相手に望むことを伝える
例えば、友人との約束に相手が遅れてきた場合、
× 攻撃的な伝え方:「なんでいつも遅れるの?もう二度と待たない!」
× 感情を抑え込む:「まあ仕方ないよね…」と本心を言わずに我慢する
○ アサーティブな伝え方:「約束の時間を守ってもらえないと、私は悲しい気持ちになるんだ。次回は連絡をもらえると助かるよ」
このように伝えることで、怒りを爆発させることなく、自分の気持ちを適切に表現できます。

怒りは自然な感情ですが、その表現方法次第で、大切な相手との関係に大きな影響を与えます。
一方で適切に怒りの感情を扱えれば、人間関係を改善し、人生を前に進めるための強力なエネルギーとなります。
怒りを感じることを否定せずに受け止め、表現方法を工夫し、前向きに活かすことで、感情に振り回されない自分を手に入れたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございます。