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日系のメーカーからドイツ、フランス、アメリカの外資系を渡り歩き、アメリカ駐在、中国工場の立ち上げや、インド、タイ等の遠隔での拠点マネージメント経験から海外でも通用する交渉術を自分なりに構築、書籍にまとめ出版。同時期にMBAを取得し、以後、独立してコンサルタント会社を経営。

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日系のメーカーからドイツ、フランス、アメリカの外資系を渡り歩き、アメリカ駐在、中国工場の立ち上げや、インド、タイ等の遠隔での拠点マネージメント経験から海外でも通用する交渉術を自分なりに構築、書籍にまとめ出版。同時期にMBAを取得し、以後、独立してコンサルタント会社を経営。

最近の記事

交渉の3段階とは?=「理解」「納得」「行動変容」 (その1) 理解を得る

交渉の3段階(理解→納得→行動変容)という考え方があります。 交渉ではまず、主張を相手に理解してもらわなければなりませんよね。 しかし、相手が「理解した」としても感情的な理由などから、やりたがらない、気が乗らなければ、結局意味がありませんよね。 仮に相手がやる気になっても、実際に行動に移されるかどうかは様々な外部要因のハードルを超えなければならないかもしれません。 交渉とは、相手が理解しても、納得しても、具体的なアクションにつながらなければ、結局意味がありません。 しかし

    • 誰でも使える交渉術! 『チームでの交渉』

      チームで交渉する際には、個人で交渉する場合と異なる特有の課題や注意点があります。人数が増えれば、より複雑化して手に負えなくなる印象もありますが、いくつかのポイントを踏まえることで、むしろ単独の交渉より力強く、かつ効果的な交渉ができることがわかると思います。 そのポイントについて、次を参照してください。 1. 役割分担の明確化 目的:チーム内で役割を明確に分けることで、効率的かつ一貫性のある交渉を進める。 例:リーダー(議論を進行する)、サポート(資料やデータを提示)、記

      • 誰でも使える交渉術! 『優先順位の重要性』

        交渉では、あらゆる主張や権利を重視して、全てを同等に扱うと逆に何も十分には得られなかったりします。 交渉における協議事項の優先順位は、効果的な合意を得るための重要です。 具体的には、以下のステップを参考にして優先順位を付けをしていくと効率的です。 1. 目標の明確化 まず、自分の交渉の最終的なゴールを明確にします。 何が最も重要なのか? 妥協できる点はどこか? 絶対に譲れない「非交渉的要素」(例:最低価格、品質基準)をリストアップします。 例: サプライヤーとの

        • 誰でも使える交渉術! 『俯瞰してみる』

          交渉において『俯瞰して見る』ことは、非常に重要なスキルです。 『鳥の目で見る』と言い換えても良いでしょう。 これは、交渉の全体像や背景、関係者の意図や状況を広い視野で捉えることであり、短期的な利益や目先の問題だけに囚われず、長期的な成功や信頼関係を築くために必要なアプローチです。 俯瞰して見る重要性のポイント 全体像の把握 交渉では、当事者間の具体的な要求や提案に集中しがちですが、それだけでは背景にある真の課題や目的を見落とす可能性があります。俯瞰することで、交渉がなぜ

          誰でも使える交渉術! 『視覚に訴る』

          交渉において図表やビジュアルを利用することは非常に効果的です。特に複雑なデータやコンセプトを伝える際には、言葉だけではなく視覚的な要素を活用することで、より効果的に相手に理解してもらうことができます。 図表やビジュアルの利用は、交渉において次のような利点をもたらします: 複雑な情報を整理し、わかりやすくする 客観的なデータで説得力・信頼性を増す 相手の記憶に残りやすくする 共通の理解を形成しやすくする 感情的なインパクトを与える 交渉の流れの整理 などです。少

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          誰でも使える交渉術! 『質問することの大切さ』

          交渉において「質問」は極めて重要な役割を果たします。質問の持つ力を理解することで、相手との対話を有利に進め、より良い結果を導き出すことができます。それは、相手を知ることこそ、百戦を危うくしない、孫子の考え方に通じるものです。以下、質問の重要性について具体的に説明します。 1. 情報収集と理解のための質問 交渉の基本は、相手の立場、ニーズ、そして目標を理解することです。相手の立場を正確に把握できていないと、効果的な提案や譲歩ができません。質問を通じて、次のような情報を得るこ

          誰でも使える交渉術! 『質問することの大切さ』

          誰でも使える交渉術! ストーリー#6

          前回まで 武井は仕事を終えて帰宅し、千田のアドバイスを振り返っていた。そのとき、恋人の美優から連絡が入った。商社に勤める彼女は大阪出張を控えていた。 翌日、武井は本山自動車から追加の打ち合わせ依頼メールを受け、対応を始めた。人気のなくなったオフィスで資料をまとめ終えた頃、美優から「大阪出張が長引きそう」とのメッセージが届く。 彼女が困っているだろうと、急いで会社を後にした。 第六話 武井青はアパートに着くと、鞄をその辺りに投げ出し、上着を椅子の背もたれにぞんざいに掛ける

          誰でも使える交渉術! ストーリー#6

          誰でも使える交渉術! 『コンフリクトに対処する』

          交渉にコンフリクト(衝突・葛藤)は付きものです。 しかし、コンフリクトの原因が、交渉相手ではなく、自分の中にある、と言われたらどうでしょうか? 「自分はできるだけコンフリクトが生じないように、誠実な交渉を常に心がけている。もし起こるとすれば、相手側の対応によるものだ。」 .. はい、この時点でアウトです。 実は自分の中にあるコンフリクトの原因とは、『相手に対する過剰な期待』だからです。 ”過剰な”期待などしていない、と考えるのではないでしょうか? しかし、交渉内容はこ

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          誰でも使える交渉術! 『交渉相手の背後を探る』

          交渉の本質は「交渉相手の背後」にある状況、関係性、目的、制約などを理解することにあります。相手の背後を理解し、相手の真のニーズや意図を引き出さない限り、表面的な取引に終始してしまい、本当の意味での合意には至らないことが多いです。では、具体的に相手の背後を意識し、知るためにはどうすべきか、考えてみましょう。 1. 事前リサーチを徹底する 相手の会社や組織、業界の動向について詳しく調べる。 相手の立場にいる人が、どのような課題やプレッシャーを抱えているかを予想する。 相手

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          誰でも使える交渉術! 『利害の一致』

          交渉において、利害の一致(mutual interest alignment)を目指す場合、ただ単に妥協するのではなく、双方にとってメリットがある「ウィン・ウィン」の解決策を見つけることが重要です。そのためには、以下のTIPSを活用して進めていくと効果的です。 1. 共通の目標を明確にする(Define a Common Goal) TIPS: 「我々は同じ方向を向いている」というメッセージを伝える まず、交渉の早い段階で、双方が共通して望んでいる目標を確認します。この

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          誰でも使える交渉術! ストーリー#5

          前回まで 武井と千田は本山自動車での交渉を終え、帰社途中に千田は武井へ「交渉の成功は信頼関係を築くことから始まる」とアドバイスしました。武井は、千田の冷静な対応に感銘を受け、自分もいつか同じようにできるようになりたいと感じます。 オフィスでの報告後、一人でエレベーターホールにいた武井は、石田部長と鉢合わせ、なんとなく思っている不安を打ち明ける。 石田は「千田も失敗を重ねて成長したのよ」と励まし、挑戦することの大切さを伝えた。 第五話 武井青は、自宅のアパートに帰るとス

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          誰でも使える交渉術! 『論破する』

          以前、「論破する」という言葉が流行ったと思います。 テレビ番組でもそれをテーマにしたバラエティ番組が視聴率を稼ぎ、人気を得たと聞いています。しかし、そもそも交渉において論破は、最も低いレベルのコミュニケーションです。 交渉において、相手を論破することにはいくつかのデメリットがあります。交渉の場で相手を論破するという行為は、一見すると勝利のように思えるかもしれませんが、実際にはその後のプロセスや関係性に悪影響を及ぼすことが多いです。 1. 関係性の悪化 信頼の損失:交渉の

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          誰でも使える交渉術! 『上司を説得する(興味を引く)』

          交渉の手法は、会議や打ち合わせでなくても、さまざまな場面に応用できます。例えば、いつも忙しい上司の田中さんと、部下の鈴木さんの会話を見てみましょう。 田中さん(上司) 鈴木さん(部下) 鈴木:「田中さん、ちょっとお話があります。今お時間大丈夫ですか?」 田中:「今はちょっと忙しいんだけど、何の話?」 鈴木:「えっとですね、先日のプロジェクトなんですけど、やっぱり色々問題が出てきてて…。 あの、まず最初に部品の発注が遅れています。作業工程も少し見直した方がいいかと思い

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          誰でも使える交渉術! 『ビジネス上の信頼関係とは?』

          まず、次の会話を見てみましょう。 取引先のA社(顧客)である斉藤さんと、サプライヤーであるB社の滝田さんが交渉を進めている場面です。すでに1時間近くが経って、あらゆる点について議論したものの合意が得られず、交渉は難航している状況です。 滝田さん(B社の担当者)は、個人の意見は別にありますが、もちろん会社の方針に従って対応しています。斉藤さん(A社)も合意が得られないため焦っているのか、やや高圧的になってきました。 会話 斉藤さん(A社): 「滝田さん、正直言って、今回の

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          誰でも使える交渉術! ストーリー#4

          前回までのあらすじ 武井青と千田は、本山自動車との重要な会議に臨んだ。提案が順調に進む中、購買部長から「予算を超える」と厳しい指摘が飛び出す。千田は冷静に相手の立場に共感を示し、コスト削減の代替案や柔軟な対応を提案。これにより購買部長の関心を引き、武井も追加の技術サポートを提案したことで、会議は一旦の合意に至る。 会議後、千田は武井に「君のサポートがあったからこそ」と感謝を伝えられた。武井は嬉しかったが、自分はまだまだと、モヤモヤとした気持ちを感じていた。 第四話 会

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          誰でも使える交渉術! 『ミラーリングとは?』

          『ミラーリング(Mirroring)』とは、まさに鏡。 相手の言葉、態度、話し方、表情などを意図的に模倣するコミュニケーション技法です。ミラーリングは、人との親密さや信頼感を築くための方法として有効で、相手に「この人は自分のことを理解してくれている」という印象を与え、関係性を深めるのに役立ちます。 具体的な例としては、次のような方法が挙げられます: 言葉のミラーリング:相手の話した内容やキーワードを繰り返すことです。たとえば、相手が「最近、仕事が忙しくて…」と言った場合に

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