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個別最適な学びについて考える(98)ー市川伸一(2000)勉強法が変わる本ー心理学のアドバイスーから

お疲れ様です.本日も元気にアウトプットをしていきましょう!

月曜日の祝日ってなんか早く起きてしまいますね。
身体が早く起きることをわかっているのでゆっくり寝たくても勝手に起きてしまいます。そんな時は朝からインプットということで進めていきましょう。

今日は子どもたちも読めるような本にしてみました。岩波ジュニア文庫の本です。
子どもたちの学習観も少しずつ変えていかないといけないのかもしれません。

本日は「市川伸一(2000)勉強法が変わる本ー心理学のアドバイス.岩波書店,東京」です。では,早速読んでいきましょう!

■学問に王道はないか?
 「学問に王道なし」とは、よく言われる言葉である。
 じつのところ,ぼくはこの言葉があまり好きではない。
 学習方法とか教育方法を研究している者にとっては、「どんなやり方をしたって、同じようなものさ」と言われているようで、仕事を否定されたような気がしてしまうのである。
 もちろん、このことわざの真意としては、「王様だからといって、楽をして成果があがるような勉強法はない」と解釈するべきだろう。たしかに、勉強しなくてもできるようになる方法はまずないと断言できる。しかし、どんなやり方でやっても同じだということにはならない。
「労多くして、益少なし」という方法もあるし、やっただけに見合う成果が得られる方法もある。
 これは、スポーツの世界を見ても明らかだ。練習しないでうまくなる方法はないが、時間をかけてひたすら練習すれば上達するというものではない。選手やコーチや体育学の研究者は、つねに練習方法を工夫している。学習や教育についても、選手である君たち、コーチである教師、そして、心理学や数学の研究者が工夫をする余地がたくさんある。
 もし「王様」の立場だとすれば、せっかくお金をたくさん持っているならば、学習や数育の研究を大々的に行って成果を生かせばよいのである。ほくたちのような貧乏な国立大学の研究者にも予算を回してほしいものだ。などと冗談はさておき、このことわざでひっかかる点がもう1つある。
 それは、たしかに「楽々」とは勉強できなくても、努力があまり苦にならない環境だってあるのではないかということだ。スポーツの練習にしたって,トレーニングは厳しい。しかし、自分の進歩が実感できたり、友達といっしょに練習に励んだりしていれば、「つらさ」が「楽しさ」に変わってくる。音楽の好きな人,絵画が好きな人も、似たような経験があるだろう。勉強や学問もまったく同じなのだ、こういうことは、王様でなくてもできる。

市川伸一(2000)勉強法が変わる本ー心理学のアドバイス.岩波書店,東京

最初は辛く感じることがあっても取り組んでいるうちに実感を感じて,学習をすすめるということができるという話です。
こうした学習観を感じることができる学習環境や授業設計をしていくのが教師だということですね。

いつでも子どもたちに学習観が変わるような声かけは必要だと思いますし,みんなが同じ方向を向いていることは非常に重要だと思います。

王道な方法なんていうものは,子どもの実態によって崩れ去るものですし,それぞれに合った方法なんて何千通り,何万通りとあるのでしょう。
それを自分で調整し,学習を進めることができるようなファシリテーション力は教師に試されていく課題になると思われます。

本日はここまで!また次回の記事でお会いしましょう!

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nanjolno
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