心の在りか

最初は、なぜ事実を具体的に調べるのが大切なのかがよくわかりませんでした。

内観を始め2~3日は、なかなか鮮明に過去の自分が思い出せず集中できませんでした。

それに、母に対して自分は今までに一番していただいたことがあるのに、ほとんどはっきりとしたことを思い出せませんでした。

食事毎にかけていただく放送を聴きながら、涙が出ることも度々ありましたが、自分自身の内観の事では心から気づいて涙が出ることもありませんでした。

しかし、4〜5日目ぐらいから内観に集中できるようになりました。
その頃から、自分と相手に対しての過去の映像がはっきり思い出せるようになり、相手のその時の気持ちが少し理解できました。

そして最終日前日の消灯20分前位に、母親に対して内観をしているときに、亡くなった祖父が入院していたことを思い出しました。

祖父が「何か食べたい」と言えば、母は病院まで運び、一生懸命看病していました。

その祖父が亡くなり、その3日後には、僕と弟達は母の元を離れて韓国にいる父の元へ引き取られることになっていました。


その時の自分は、「なぜ父のところに行くのか」「なぜ引き止めてくれないのか」と、心の中で母を責めておりました。

けれども、母の気持ちはどうだったのかを思った時に、母は父親を亡くした悲しみの中で、子供たちを手放さなければならない悲しみ、計り知れない辛い状況の時に、僕は母と離れる自分の悲しさしか考えていませんでした。

そのことに気づいたときに、止めどもなく涙が出てきました。

その後は穏やかな気持ちになりました。

自分は本当に罪深き人間だというのが、頭ではなく体といいますか、心で少しわかったのだと思いました。

それと、心の在りかが少しわかったような気がします。

そして、内観によって、これから物事に対しての考え方が変わっていくと思います。

本当にありがとうございました。

 (神奈川県 24歳男性 無職)

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