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万年筆の徒歩旅行

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万年筆くらぶ会誌『フェンテ』に投稿した雑感を順不同で転載するアーカイブ。 万年筆を筆記具より文化的な視点で話そうかと思っています。 マガジンタイトルは、中原中也の詩「自滅」から。
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#万年筆が好き

その17:万年筆の機械化

その17:万年筆の機械化

日本が世界に誇る万年筆メーカーのひとつ、セーラー万年筆にはロボット機器事業部がある。
この部署は、万年筆やボールペン等のプラスチック形成部品を生産する工程を改善すべく立ち上げられ、そこから組立装置や検査装置を経て、筆記具を超えて医療用具、食品容器等の工程機の設計と製造までも行っている。
あくまで生産工程の機械化である。決して万年筆のロボット化を図る訳ではないのだが、今やアナログ製品でもある万年筆が

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その11:万年筆の夢

その11:万年筆の夢

皆さん、夜の眠りで見る夢に万年筆が出てきたことはありますか?
私はまだまだ精進が足りないせいか、未だ万年筆が夢に出てきたことはありません。
古くから夢占いというものがあります。その諸説はまちまちで、一体どれを信じるべきかというのは人それぞれに拠るところでしょうか。ですが、大抵の場合だと万年筆が現れる夢というのは悪くはない。基本的にコミュニケーションツールの象徴とされ、吉報の暗示を指すそうです。

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その7:万年筆は何処まで書ける?

その7:万年筆は何処まで書ける?

人は一生の中でどれだけの文字を書くのだろうか。
そんな疑問をふと抱いたが、残念ながらさすがにそれには個体差があるし、まして言語や文化等の環境の差も左右するだろう。こればかりは統計の取りようがない話。
では、読み書きの“読み”ではどうだ。
文科省や民間機関の調査を組み合わせて数字を出すところでは、人の一生(10~80歳の期間で)の読書量は平均で約1,950冊ほどだそう。単行本一冊あたりの文字数が約1

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その6:万年筆の試し書き

その6:万年筆の試し書き

近年の鉄ペンは金ペンに劣らぬ書き味になっているという話をネットで目にしたので、パイロットのコンバーターを買いに百貨店の万年筆売場へ赴いた際、鉄ペンの万年筆の試し書きもさせてもらった。
これには個体差もあるだろうから私見があくまでになるが、これまで鉄ペンを愛用したことがない私にはやはり硬さが気になってしまい、ちょっと厳しいと感じて購入を控えた。ただ今回はそれが話題じゃない。
ある程度の本数の万年筆を

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その8:名探偵と万年筆

その8:名探偵と万年筆

昨年の七月上旬、何気に目にした万年筆好きな方のSNSの投稿に驚いた。
昨年のモンブラン社の作家シリーズが、英国の作家コナン・ドイルのモデルと言うじゃないか。
ドイルについては言うまでもない。19世紀末に霧の街ロンドンを駆け抜けた名探偵シャーロック・ホームズを創作した小説家だ。
件の万年筆は、キャップのクリップにホームズの拡大鏡があしらわれ、もはやドイルモデルなのかホームズモデルなのかと苦笑したが、

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その5:俳句の万年筆

その5:俳句の万年筆

八年前に亡くなった俳人 星野 麥丘人(ほしの ばくきゅうじん)が第36回俳人協会賞を受賞した句集『雨滴集』には、

 ぺりかんは万年筆や年暮るる

「ぺりかん」と言われたら、もうあのペリカンでしかないので思わずほくそ笑んでしまう。
また句集『亭午』にも

 初句会万年筆の赤い軸

と、万年筆の句が収められている。 
麥丘人に限らず、万年筆の句というものは意外と多い。正岡子規の頃からペンやインクは俳

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その2:隕石と刀と万年筆

その2:隕石と刀と万年筆

遥か昔から人々は空に対して畏敬の念を抱いてきた。
神は必ず空の上に居り、科学技術が発達して宇宙の仕組みが紐解かれて来た現代でさえ、未だにその敬いは止まらない。
そんな天から飛んできた隕石は、地層の化石と共に壮大なロマンで好奇心をくすぐり続けている。
隕石と言っても色々な鉱石で生成されているし、知らずに鉄製の武器になったり、知っていれば天から落ちてきた授かり物とされる。太古の昔のツタンカーメンの墓で

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その3:ミステリーと万年筆

その3:ミステリーと万年筆

アメリカのミステリ作家コーネル・ウールリッチ(またの名をウィリアム・アイリッシュ)の作品に『万年筆』というものがある。
御存知の方もいるでしょうが、1945年に書かれた短編小説で、早川書房のポケットミステリ648『ぎろちん』という短編集に収められている。1964年には岡本喜八監督によるミュージカル映画『ああ爆弾』の原作にもなり、今では紙の本は絶版となっているが、古本市場か電子書籍なら今でも購入は可

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その9:付喪神と万年筆

その9:付喪神と万年筆

かの『御伽草子』に出てくる「付喪神」は、長い歳月を経ることで物に宿る精霊や妖(あやかし)のこと。付喪神は「九十九神(つくもがみ)」と書かれることもあり、「積み重ねた長い時間」という99年や「多種多様な物」という99種の意味合いから、物に付喪神が宿るまでの歳月はおよそ100年とされる。そのため付喪神を忌み嫌う人々は、年の瀬の煤払いの際にこぞって古い道具を捨ててきた。
とは言え、付喪神は人を襲う荒ぶる

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