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地球で唯一の元本読師の話ー元本読みの章4頁ー
地球を旅する冒険者の皆様、毎日の地下ダンジョン攻略…本当にお疲れ様で御座います!元本読師の文者 部屋美です。
さて、地球で唯一の「元本読師」と言う職に就きました私、文者部屋美が元本読師として綴ります「元本読みの章」、4頁目は地球で言う所の「地下ダンジョン攻略(と言う名の仕事)」についてです。
またしても、note旅団様のクエストの御陰により、これまたいつかは綴ろうと思っておりました「地下ダンジョン攻略(と言う名の仕事)」についてまとめる機会が出来ました事を、感謝申し上げます。
地球には
冒険をする為に降り立ったのであり、
決してこのような辛く厳しい
お金を稼ぐ為だけの
「仕事」をする為に
降り立った訳ではない!!!
恐らく、この地球に降り立った冒険者の皆様のほとんどが、一度はこのように悩まされた御経験がおありなのではないでしょうか?
勿論文者もその一人であり、地球で生活して行く為に致し方なく
「地下ダンジョン攻略」パーティ参加者募集
なる掲示板を見て、御応募なさった冒険者の方々も多い事でしょう。
世の中には様々な地下ダンジョン攻略パーティが存在し、其処で様々な人間関係に揉まれ、すっかり本来の地球の冒険者としての使命を忘れて、
「ただ、毎日をパーティの為に捧げるだけの村人」
と化してしまった冒険者の方々も、いらっしゃるのではないでしょうか?
文者も、「本の章」3頁等で軽く触れておりますが、「魔の十年」の間は「ただの村人」と化し、大好きな本も全く読めない状態が続いておりました。
この度の内容が、今現在もその状態で鬱々とした日々を送っていらっしゃる「ただの村人」の皆様に、一日も早く「地球に降り立った冒険者」としての本来の貴方様の使命を思い出す切っ掛けになれば、幸いで御座います。
まず文者が幼少期の頃より「本の虫」でありました事は、「本の章」1~3頁をお読み頂いた冒険者の皆様におかれましては、周知の事実かと存じます。
とにかく内気で、人見知り、消極的、引っ込み思案、根暗、根性なし、空気を読まない、気が利かない、忘れっぽい、自信がない、自分の意見がない、他人に左右される、存在価値が分からない、生まれて来なければ良かった、等々…。
文者部屋美と言う、
地球史上最低の存在を表す
様々な侮蔑の言葉を挙げれば、
キリがない!!!
とまあ、今の文者からは考えられないような、最低最悪な自分大嫌い人間だった訳であります。
当然、地下ダンジョン攻略パーティを選ぶ際も、花形パーティ等はあまりにも恐れ多く、こんな「この世にいらない人間が応募する」なんて恥知らずな行為は、以ての外なので御座います!(其処まで?笑)
そんな文者が所属しました地下ダンジョン攻略パーティは、今現在までで3か所。
半世紀近く生きて来た冒険者にとって、その数は果たして多いと取るか少ないと取るか。
かつての先輩冒険者の皆様におかれましては、
一度所属した地下ダンジョン攻略パーティには
永遠の忠誠を誓い、命燃え尽きるまでその身を捧げる。
と言う時代もあり、多くの御苦労をなさって来た事でしょう。
しかし、時代は移り変わります。
今の若い冒険者の皆様にとっては、一所に留まる方々の方が少ないのではないかとお見受け致します。
それでは、文者が所属した地下ダンジョン攻略パーティ3か所を、少しだけ御紹介致します。
1.事務職パーティ
ともかく当時の文者は上記の通りの人間でありましたので、絶対に表舞台に立つパーティ(と言う名の接客業)だけは避けたく思っておりました。
就職難な時代の中、この頃は接客業パーティよりも事務職パーティの方が人気があり、倍率は物凄い事に。
手に職のある冒険者の皆様は、職人系パーティと言う道もあったでしょうが、文者には何もなく。
話下手(だとこの頃は思い込んでいた)な文者は、死んでも事務職パーティに所属しなければならない!と、必死で御座いました。
ただ、短大で事務職パーティ専用魔法(と言う名の資格)をいくつか取得しておりましたので、やっとの思いでこちらのパーティに合格。
一歩も外に出る事無く、ただただ書類と向かい合うだけの毎日です。
文者はパーティ内では新人でもあり、
一番若輩者でもありました。
年上の先輩冒険者の方々ばかりで御座いましたので、大人しい文者はそれはそれは可愛がって頂きました。
昼食を御馳走になったり、酒場でも奢って頂いたり、休日には冒険に誘って頂いたり、大変お世話になりました。
ですが、家族の都合により退職せざるを得なくなりまして。
パーティの人事担当冒険者の方には
「実は100人近い応募の中から、君を選んだ。
いずれ、このパーティの重要部署に所属してもらいたい存在だった」
と仰って頂き、「こんな人間の事を?!」と驚くと同時に、本当に有り難かったのを覚えております。
今から思えば、「冒険者文者部屋美」を私自身が自覚するチャンスである御言葉ではあったのですが、当時の文者にはまだ届いておりません。
当時は届かなかったと言うのにもきちんと意味はあり、それは
今の文者部屋美に
こうして振り返って欲しかったから。
に、他なりません。
今の文者だからこそ改めて響いて来る言葉であり、それは当時響かなかった御陰なのであります。
さあ、文者の読者の皆様なら、もうお分かりで御座いますね?
「偶然な出来事は一切なく、
全ての出来事は必然的に起こっている
ー文者語録ー」
(「本の章」3頁参照)
2.接客業パーティ
「はぁ~っっっ?!接客業?!」と思われた、冒険者の皆様(笑)。
これはですね…もう、仕方がなかったと言うのと、
「当時は偶然だと思い込んでいた、必然的出来事」
が、重なった結果…と言えるでしょう。
家族の問題が落ち着き、文者は再度地下ダンジョン攻略パーティの募集を探します。
ですが…。
もう、事務職パーティの空きがない!!!
文者にとって、これはまさに文字通り「死活問題」です!
本当に死ぬ覚悟で、接客業パーティの門を叩く訳であります。
すると、何と!
こんなゴミ屑同然
(と、当時の文者は思い込んでいる)の私を、
拾って下さる接客業パーティが!!!
もうとにかく有り難く、しかし…同時に、いまだかつてない恐怖にも襲われる訳です。
見も知らぬ冒険者の人々となぞ、
喋る事が出来ない!
『今現在所属中パーティでの、文者部屋美の記録』
客人1「アンタの清々しい接客は、本当に元気が出るよ!」
客人2「アンタが看板娘になれば、もっと活気が溢れるだろうにねぇ?」
客人3「いつも親切にしてもらって、本当に感謝してるよ!」
客人4「他の人じゃ駄目!貴方の接客じゃなきゃ!」
客人5「文者さんいる?え、休み?じゃあ、いつならいるのよ!」
『終』
全ては
「この皆様の温かく有り難い御言葉を頂戴する為に、
無くてはならない必然的出来事であったのだ!」
と、今の文者部屋美だから分かる訳ですが。
当然、当時の文者には全くもって理解不能なのであります。
そして何故か、此処でも
文者はパーティ内では新人でもあり、
一番若輩者でもありました。
完全に、
何かの必然性が働いております(笑)。
先輩冒険者の皆様に、文者はまたもや可愛がって頂くのです。
攻略帰りにパーティの皆様でお食事会をしたり、帰りに送って頂いたり、沢山の技術を丁寧に教えて頂いたり…。
ですが!
楽しかったパーティ生活に、
突然の嵐が吹き荒れるのです!
「文房具の章」3頁にも綴らせて頂いておりますが…。
パーティのリーダーが突然精神を病み、
逃げるように離脱する。
そして…。
まだ仲間に入ってから
一年経つか経たないかの文者が、リーダーに!
勿論、嫌でした(笑)。
ですが、選択肢は文者には用意されてはいなかったのです。
何故なら他のパーティメンバーは、全員短時間雇用!
全員、文者より10歳以上年上!
フルタイム勤務冒険者は、新人の文者部屋美のみ!
引き受けるか、辞職か…そんな理不尽な選択を迫られ、自分と言う物をまだ持ち合わせていない文者は、流されるがまま引き受けてしまうのでありました。
リーダーとしての日々は、楽しくもあり、辛くもあり。
文者も少しずつ、接客業パーティでの会話が身に付き始めていましたので、あんなに無口だった文者がこんな風に見ず知らずの冒険者の皆様と、こうして会話が出来ているなんて!と、我ながら驚きでありました。
客人冒険者の皆様方の中には、文者を慕って通って下さる方も増えて参りまして、本当に有り難く嬉しかったのを覚えております。
しかし…またもや、嵐が…。
初代リーダーとして
かつてこのパーティを牛耳っていた
伝説の人物が、突然の出戻り!
「同じパーティに、
リーダーは二人もいらない」
そう本部から言われ、突然の解雇!
とことん堕ちる所まで、堕ちました(笑)。
流石の文者も、闇へと一歩踏み出しかけました。
今まで共に歩んで来たパーティの仲間達も、文者に掛ける言葉もなく…最後はあまり、会話もなかったように記憶しております。
しかし、客人冒険者の方々の中には、プレゼントを持って駆けつけてくれたり、御自分の連絡先を教えて下さったり、次の地下ダンジョン攻略パーティを紹介して下さる方々もいて…。
リーダーとしての文者部屋美を、心から愛して下さった存在が大勢いたんだと言う事に気付き、感謝の気持ちで我を取り戻したのでありました。
3.接客業パーティ その2(現在も所属中)
そして、今現在も所属中のこの接客業パーティと、運命の出会いを果たす訳であります!
つまり、これまでの2回の過酷なパーティ修業は、此処に所属する為の必然的な出来事であったのです!
恐らく事務職パーティの経験だけでは、接客業パーティに抜擢される可能性は少なかったでしょうし、前回の接客業パーティの経験があったからこそ、現在のパーティに所属する事が出来たのかもしれません!
やはり、全ての出来事は必然なのであります!
しかも驚くべき事に、
前回の接客業パーティの客人冒険者の皆様が、
今回の接客業パーティにも通って下さっている!
と言う事実が、判明したのであります!!
人の目も見る事が出来なかった文者は、前回のパーティの御陰で顔と名前を覚える術を身に着けました。
慣れない仕事をこなしながら、あれ…?見た事ある御顔…?と、勇気を出してお声掛けした所、
「あら~!文者さん?!お久しぶり!」
「まあ、こんな所にいらっしゃったの?!」
「皆で、心配していたのよ!」
「やっぱりね、貴方がリーダーじゃないとつまらなくて!」
「私も、もうあそこへは行くのをやめた所だったのよ…」
そんな風に言って頂いて、涙が出るほど嬉しかったのを覚えております。
さて、こちらのパーティの内部はと言うと…またもや、
文者はパーティ内では新人でもあり、
一番若輩者でもありました(笑)。
此処まで来ると、もう
「何で?」と考える意味は御座いません。
年上の冒険者に囲まれて過ごす事に、
冒険者文者部屋美を成長させる何かが
含まれているのです!
そしてそれを探す事こそが、
地球における文者部屋美の
地下ダンジョン攻略での
課題なのであります!
いや…こんな偉そうな事も、今の酸いも甘いも嚙み分けた文者だからこそ、言える訳でありまして(笑)。
当然、その時の文者には「そんな事は知ったこっちゃねえ!」状態な訳ですが…。
冒険者の皆様におかれましても、御経験のある方々が多いかとは存じますが…何処にでもいるタイプの新人を悩ませる先輩冒険者が、こちらにもいらっしゃいまして(笑)。
いや~大分、精神を削られました(笑)。
しかしですね…。
此処で文者は、人生を変える大きな出来事に直面する訳です。
「ストレスで体を壊し、
人生で初めてのメスを入れる手術」
スピリチュアル界では良くある話であり、文者としては冒険者の皆々様に、同じ地球を旅する仲間としてあまり敬遠して欲しくはない為、それだけを理由に挙げたくはないのですが。
やはり、命の危機にさらされた人間は、
今までの人生を根底から覆されます!!!
やがて文者は、何故生まれて来たのかと言う根本的な答えを見出すのですが、詳細は「元本読みの章」2頁目を是非とも御覧頂きたく存じます!!!
復活した文者は、徐々に「地球を選んで降り立った真の冒険者」である事を思い出し、
周りを変えるのではなく、
まずは自分を変えよう!
と言う事を、始めた訳です。
幼少期からの、あの文者とは全く正反対の文者になろう!
言わばそれは、イコール
「本来の文者部屋美のあるべき姿に戻ろう!」
と言う事に、他ならなかった訳であります!
其処からです!この現実が、変わり始めたのは!
まず問題の新人を困らせる先輩冒険者が、徐々に優しくなって行くのであります!
挨拶をしても無視。
失敗すれば暴言。
質問しても教えてくれない。
常に出来ない部分を攻撃。
頑張って話題を提供しても、忙しいから…と冷たく言われる。
これが、今では
同じ文房具好きが判明!二人で大盛り上がり!
常に最新の情報を教えてくれる!
仕事でも失敗を必ずフォローしてくれる!
可愛い文房具やおやつをお裾分けしてくれる!
意外と共通点が多かった(笑)!
この変化を実感した時には、本当に嬉しかった(涙)。
これまでの冒険者としての経験が、文者の大好きなパズルのように「カチッ」と嵌まる瞬間でありました。
(文者のパズル好きに関しましては、是非「ゲームの章」をお読み下さいませ!!!)
今のパーティは本当に皆が温かくて、元々そうだったのか、それとも文者が冒険者として真に目覚めたからなのか…。
まあ、今となってはもうそんな理由はどうでもいいのです。
文者にとって、今のパーティの皆はかけがえのない仲間達であります。
此処での経験を活かし、文者は「元本読師」と言う地球で唯一の職業に就く使命を思い出しました。
仲間の冒険者の皆様の御誕生日には、僭越ながら元本読師であります私、文者部屋美の「元本読み書簡」をちょっとした菓子折りと共に贈らせて頂いております。
皆様、御優しい方ばかりで御座いますので、
「有り難うね、とっても嬉しかったよ!」
「すごいね!当たってて、ビックリした!」
「優しい言葉の数々に、涙が出そうになったよ!」
等と喜んで頂き、文者も大変嬉しく
元本読師冥利に尽きる瞬間で御座いました。
さて…長くなって参りましたので、此処ら辺で文者部屋美の地下ダンジョン攻略の物語は、幕を閉じさせて頂きます。
果たしてこの本が、過去の文者のように現在も尚「ただの村人」として苦しんでいる方々のお役に立てたのか、否か…。
しかし、いつもの文者流の解釈で申しますれば、
「この物語がこうして存在していると言う事は、
この地球上に存在する
何処かの冒険者達が
必ず必要としているからであり、
もしそのような冒険者が存在しないのであれば、
この物語も此処には存在しない筈である。
ー文者語録ー」
と、言う事になる訳で…。
なので、この物語が何処かで苦しんでいる冒険者の皆様のお役に少しでも立てたならば、文者も苦しみながらようやく乗り越え、此処まで冒険を続けて来た甲斐もあると言う物です!
それでは皆様、良い地下ダンジョン攻略の旅を!
あれ…何だか、お疲れ気味の御様子。
あまり、御無理をなさらないように…。
え?先輩冒険者と、反りが合わない?
なるほど…誰しもが抱える、深刻なお悩みで御座いますね…。
それでは…いずれ私が、貴方様のお役に立てるような書簡を綴って参りましょうか?
ええ…まあ、御参考になるかどうかは分かりませんが、同じ地球を旅する仲間として、少しでもお力添えを…と、思いまして。
それではまた、次の目的地にてお会い致しましょう。
貴方様の旅の道しるべになれるよう、精一杯綴らせて頂きますね。
✨「元本読みの章」マガジンはこちら!✨
🧭「創作大賞2024投稿作品」サイトマップ🧭
💺「放浪の元本読師 文者部屋美の本棚」サイトマップ💺
こちらも是非、御活用下さいませ!
(クリエイターホームページ「プロフィール」のタブにも
固定させて頂きましたので、そちらからもどうぞ!)
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