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もめのメモ書き

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つまずきも迷いも愛おしい、女の風景の断片集。 パートナー、こども、仕事、親…他者との関係性の中で自分を探究。
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#エッセイ

僕の右手を知りませんか。

手のひらを手術した。利き手の中指が痛み、検査をすると手術が必要だと。手荒れが原因なのか細…

もめ
1年前
13

移動の民。

山積みのタスクと、タスク進行の手掛かりとなる僅かな情報を残して、彼はアフリカへと旅立った…

もめ
1年前
8

ブレーキ、その先に。

漫画家の鳥飼茜が、再婚した浅野にいおと離婚していることを知った。恋愛時代の日記が綴られた…

もめ
1年前
15

涙拭く木綿のお豆腐ください

「木綿」という名前は、唯一の拠り所。 はじめは嫌いだった。中学生の頃、ちょっと苦手な同級…

もめ
3年前
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また会いましょう、変わるから。

時間の経過と共に、異なるかたちで再会、ってことが起きる度に、人生は面白いと噛み締める。 …

もめ
3年前
7

川の字と、ラブホテル。

「暮らすように旅する」という言葉が定着し、久しい。観光体験や宿泊施設のキーワードに「日常…

もめ
3年前
8

星を求むる蛾の願い

祖母が他界した。 96歳で老衰とのことだった。 祖母のことを、わたしは憧れていた。 好奇心が旺盛で、生涯学び、アウトプットを続け、趣味は仕事にもなり、90代に至るまで世界へ旅をし続けた。 祖母の家は、わたしの実家と隣り合わせ。父方の祖母であり、祖父の介護をきっかけにわたしが小学生にあがるタイミングで引っ越してきたのだが、当時の母と祖母の間には嫁と姑のいろいろがありそうだったので、母の目を盗むように、こっそり訪れては長居をし、二人っきりで話をするのが好きだった。日頃わたしが

祖父母の思い出を、ギャラリー島田さんへ

ワゴン車の後部座席に、大きな作品を2点、積んでいる。車の持ち主は、神戸の老舗の額縁屋の雅…

もめ
3年前
7

ステップファミリー・ステップ

レンタカーで、ショートトリップ。この春から同居を開始した大人ふたり、子ひとり。運転は交互…

もめ
3年前
17

37歳に寄せて。

ここ10年くらいで一番平穏。人生の凪タイムと呼んでみよう。 ㅤ 仕事のシフト、子どもの預け預…

もめ
3年前
10

もしもの時に報せてもらえる関係でありたい。

もしも人生をやり直せるなら、一人でもあの町に住み続ける道を選びたい。何度も繰り返しそう思…

もめ
3年前
12

時が重なり、呼応した。

ちょっとしたデジャヴュだった。 デジカメを手に、京都の商店街の今を切り取り、古い記憶を乗…

もめ
3年前
3

今日も、歩幅が揃わない。

たとえ我が子であろうとも、誰かのために自分を置き去りにする関係は続かない。ここまでの人生…

もめ
3年前
4

過去にかえる。

感情はナマモノ。自分の言葉で、瑞々しくトレース出来るのは、その時だけ。せっかく味わった経験から言葉が生まれたならば、外に出して誰かの視線に触れさせたい。だけど生まれた瞬間に出すことは、余程、全方位に肯定的なエピソードが土台になっていない限り、難しい。だから、虚実織り交ぜたフィクションとして描いてみたり試行錯誤してきている。 書きたい経験は、痛さが伴うものだらけ。わだかまりのある思い出は、時効を待ったり、修繕を試みたり、現実世界の整地作業が出来たら、体外へ放出してもいいかな、