過去にかえる。
感情はナマモノ。自分の言葉で、瑞々しくトレース出来るのは、その時だけ。せっかく味わった経験から言葉が生まれたならば、外に出して誰かの視線に触れさせたい。だけど生まれた瞬間に出すことは、余程、全方位に肯定的なエピソードが土台になっていない限り、難しい。だから、虚実織り交ぜたフィクションとして描いてみたり試行錯誤してきている。
書きたい経験は、痛さが伴うものだらけ。わだかまりのある思い出は、時効を待ったり、修繕を試みたり、現実世界の整地作業が出来たら、体外へ放出してもいいかな、と自分を許してみる。だから、今取り組んでいる仕事のお知らせでもない限り、我が事を書くと、どうしてもノスタルジーな題材が多くなる。
この春ようやく、それなりの月日、すったもんだあり過ぎた(ている)彼と、拠点を同じくし、彼が人様に我々の関係をオープンにする気になったこと、その前には、これまた相当タフな、親権にまつわる右往左往を経て娘と暮らすことになったことなどで、少しだけ、生活について書くことが楽になった。明日、何書こう。