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今日も、歩幅が揃わない。

たとえ我が子であろうとも、誰かのために自分を置き去りにする関係は続かない。ここまでの人生で、そう結論づけている。

とは言え、懲りずに誰かを気に掛けていたい。自分一人の負荷だと空回りして前に進んでいる気がしないからなのか、なんなのか。

経験が増えると、それらにキャプションをつけて引き出しに仕舞い、前に進む。そして、後ろを歩いている人が、初めて目撃したシーンをまっさらな気持ちで感じ入る前に、うっかり手垢のついたキャプションを紹介してしまうという罪を犯す。

”それはこういったことであり、すでにこちらの引き出しに整理しております。さあ、前へ”

引き出しの中身が異なる3人のパーティーで歩む登山道。後ろに回ると、振り向きもせず前へ行く仲間を恨めしく思う。前へ回ると、もたもたしている仲間を疎ましく思う。

時に、横一列に歩幅が揃うことがある。その瞬間のシーンは、単独で歩いていると言葉を添えることもなく、見逃していたことだろう。


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