もめ
つまずきも迷いも愛おしい、女の風景の断片集。 パートナー、こども、仕事、親…他者との関係性の中で自分を探究。
ラブホテル。秘めごとの香り、閉じたセカイ。そんなラブホテルが、もしも、まちに開き、オープンなホテルになっていくとしたら? アートやミュージックが溶け込む、ラブホテル「エスパシオ」(山口県山口市)は、およそ2年後を目指し、ラブホテルの形態から、いわゆる観光ホテルに変わろうとしています。それはなぜなのか、本当にそれでいいのか、変わるには何がハードルなのか…。さまざまな問いや葛藤自体をオープンにし、さまざまな人と考えていくトークイベントシリーズです。 企画者の一人、もめによる記録です。 https://www.instagram.com/love.hotel.hiraku/
虚実織り交ぜたフィクション
日々起こったことを切り取ったこと。
友達づくりの実験活動! アタック1984(イチキューハチヨン)。 距離が縮まる不思議な魔法。 その瞬間、人生背景、仕事のジャンル、趣味嗜好が違っても、旧知の仲のようになる。キーワードは、「え、1984年生まれ?」(=同い年) 「1984年生まれに会いたい!」の旗を振ることで、友達増やせるかの実験企画。実験ばかり。(前回の投稿参照) この企画は、仮想の場づくり。 37歳なので、いったん2月中までに37人としゃべることを目指し、軽くログって、3月にどうだったか振り返ろうと思います。 人生は実験だ!
40歳は、嬉しい。 今の感情を測るため、胸に手をあててみたところ、40歳が嬉しい。 ちゃんと、私に相応しいドラマが、この先も用意されているんだろうなと思う。そしてそのドラマを、たくさんの人と関わり合いながら、私らしく謳歌していきたい。 まずは次の10年、酸いも甘いも味わい尽くそう。
日曜の夕刻、買い物に出ようと思うと雨が降る。 「何もしない1日でいいのか」と娘が憤慨するので、粉を練るレシピ本を久々に開き、夕飯の献立を選んでもらう。生地に具材を挟んで焼く簡単なもの。生地を寝かしている間に雨脚が緩んだら、散歩がてらスーパーへ向かおう。サイズアップした娘の体操着へアイロンプリントで校章をくっつけるついでに、久しぶりに給食袋にもアイロンをかけるが、昔はもっとマメにやっていた気もする。 6月になった。 ずいぶん疲れた。会社で担当するプロジェクトの山場も、私的開催
一週前、山口にあるラブホテルのワンフロアがぎゅうぎゅうになるイベントを終えた。私が直感的に名付けた「ラブなホテルの開きかた」という言葉がキーワードとなり、目に見えないところで人が動き始めていることを感じている。 一緒に企画運営した三宅くんと、ゲストに来てもらった塩満くんとは、コミュニケーションやプロジェクト(の卵)に対する、ボールを投げ合うリズムが小気味良くて楽しい。起き抜けにジムで軽めの有酸素運動をした時の体みたいに、心に血が通ってじわじわ温まっている感覚があった。 イ
秘密のヴェールに包まれたラブホテルに出会った 会場に30人超えのぎっしり満席。(立ち見あり) 10人も集まるんだろうか、という想定を軽々と超えた。 探り、探りの進行。参加者も、徐々に、今、エスパシオがどんな状況で、このイベントが何なのかというのを理解していったようだった。参加者一人ひとり、最後に一言話してもらった頃、会場の熱がグッと上がっていったのを感じた。久しぶりに、心が震えた。 山口県にあるホテルエスパシオのことを知ったのは、ちょうど1年前の冬。会社の仕事で制作して
高校生の頃、同級生何人かに「もめっていつも幸せそうやね」って言われたことが、記憶に残っている。私立の女子中学が暗黒過ぎて、辞めて受験した公立の共学が合ってたんだと思う。 「幸せそう」「楽しそう」 そんな言葉から遠ざかってしまったな… そんな私にまた出会えることがあるのだろうかなあ、と、時々同級生の言葉を思い出していた。 最近、勤め先の面談で「もめさんのプロジェクトは、いつも楽しそう」と言われた。もしかすると、いつも楽しそうモードの私に、20年くらいの時を経て再会できたのか
バービーの映画を観た。とても面白かった。バービーの世界では、大統領も、ノーベル賞受賞者も、みんなバービー、つまり女だった。バービー=女、ケン=男で、バービーの世界では、バービー優位の世界で、現実の人間社会はケン(男)社会だ。とても滑稽に映るけど、現実世界を表している。私たちは目の前の事象に心を慣らしてしまっているけど、しっかりと滑稽な世界に生きているのだ。 現実世界の私の仕事では、ディレクターと呼ばれる仕事をしている。所属する会社は、社会を良くしようとしてるスタンスだし、
手のひらを手術した。利き手の中指が痛み、検査をすると手術が必要だと。手荒れが原因なのか細菌が入り込んでいたようだ。簡単に膿を出すくらいのイメージでいたら、ちゃんとオペ室に入って想像よりガチ手術だった。 帰りが遅くなりそうだと思い、近所の友人にSOSを出して、娘の晩御飯を依頼した。部分麻酔で感覚を失った右手を三角巾で支えて帰ると、「骨折の人やん」と娘は笑った。友人は、全然気にせんといてなと言って、551の豚まんと手作りの米粉食パンを持たせてくれた。ドタバタした1日の終わり、不
山積みのタスクと、タスク進行の手掛かりとなる僅かな情報を残して、彼はアフリカへと旅立った。ほとんどの締め切りが、彼の帰国直後。途中、電波のほぼ入らぬ地に入ル。 国境近くでzoomに入れないという彼不在の中、彼の友人たちと彼発案のプロダクトに関するミーティングをする。 愛と仕事は、混ぜるな危険。そんなことを言ったひと月後、混ぜまぜにやらざるを得ぬ水無月に入ル。 五月、家にやって来た星読み人が、「これからとっても忙しくなり、なんでもやれるところまでやって自分の限界を測る」と
アフター主婦の、遅咲きの会社員生活4年目。社歴は浅くとも、いい歳だ。年齢の観点での若手たちのケアが、私の業務に紛れ込んできた。そういうのは苦手だからとも言ってられず、振る舞いを変化させていくお年頃なんだなと、ステージの緩やかな切り替えを意識し始めた。 近頃、ステージを緩やかに切り替えたと言えば、パートナーの活動への関与度合い。これまであえて可能な限り入らないように防波堤を拵えていたが、少しだけ緩め始めた。 私は過去に、夫婦で同じ仕事をしたがゆえに破綻に至った経験をした。そ
漫画家の鳥飼茜が、再婚した浅野にいおと離婚していることを知った。恋愛時代の日記が綴られた「漫画みたいな恋ください」は、出版された2018年当時、一気に読んだ。離婚経験があって子どもがいる女の、結婚経験のない男との恋愛中の様々な描写には、共感ばかりして自分の話かと思った。一方で、未経験の、この先もしかしたら自分も経験するのかもしれない未来の感情を追いかけるように読んだ。だけど、そうか、離婚したのか。 最近3度目の結婚をした人と話をすることがあった。かつてプライベートなパートナ
一日の終いのささやかな楽しみは、Netflixで映画やドラマを見て感動し、Tverでバラエティ番組を見て爆笑すること。賢い今どきのカタカナな話題が飛び交う職場な分、就寝前は俗っぽいもんでスイッチ切り替え。体の方も、メンテしなくても毎日元気…とはいかなくなったから、youtubeでリンパマッサージの動画を見ながら、手のひらにオイルを染み込ませ、肩と足の疲れを癒す。時折、近所のもみほぐしに駆け込む。お酒を飲む前には、奈良の漢方、陀羅尼助が欠かせない。 短・中期間で、稼働のピーク
目の前は、青い空。自転車は、すいすいと前へ進む。時折かかる雲や、じっとり濡れる冷たい雨も、自然現象。また、さわやかな空が広がることを知っている。 日々を、楽しんでいる。過去の経験貯金を切り崩しながら前進し、体の中がスカスカになって、供給が追いつかない不安感も、もうない。これまでの人生が栄養素となり、足元から吸い上げて、今日の私の心に供給されている。 35歳から身を置いた真新しい環境。昔取った杵柄を振り回して、茅だらけの地に自分の居場所をあけていくところからスタートした。
一年前の夏に「ステップファミリー・ステップ」という文章を書いた。自然が多い土地に一泊旅した時のことで、その時に刻まれた充実した記憶の再生のため、どこかに旅したかったのだ。 週末、四国の川沿いにいた。私の希望を起点と軸に、彼が三者三様の希望と制約を織り交ぜて、ひとつの旅行プランとして落とし込み、諸々の手配を済ませてくれた。 相変わらずステップな家族の在りようは、難しい。良い癖も悪い癖も、身体と記憶にしっかり刻まれてしまっていているが、見たいのは自分にとって新しい世界。難しい
1984年生まれ。 今、人生の何幕目なんだろう。 それなりに酸いも甘いも経験してきたと思う。 はたらくってなんだろう。 家族ってなんだろう。 我が身に起こったことを通じ、感情を観察し、メモ書きのように残してきた。 その時々で移り変わっているような、変わらず同じことを言っているような。 2016年から2022年までの観察記録を、編み直し、並べてみた。 至極個人的な葛藤の断片だが、誰かの人生の隙間に一片でも届けば嬉しい。 50部だけつくりました。 1000円にしました。
誕生日の祝いの品として、指輪をもらった。照れくさく感じながら付けている。 耳でも首でもなく、指に付けるアクセサリーを贈られるというのは、意図を勘繰る。関係性への態度というか、代替し難い存在だと伝えてもらったのかなと受け取った。 指輪は、友人のおしげが作ってくれたものだった。ちょうど1年前に、「昔暮らしていた地域の友人たちに会いに行きたい」という、私の願いを叶える旅に出た。その時に会ったおしげは、アクセサリーや楽器を作ったり演奏していて、パートナーのルウナはイラストを描いた
外食、家事代行、ベビーシッター。 家庭から、外とつながることで、身を軽く。 ある意味これらは、社会の中でのチームプレイ。 同じような発想で、会社の中でのチームプレイ。 自分一人でなく、チームプレイで成り立つように あらかじめ立ち振る舞えばいい。だからリーダーは「補完」が必要な存在だっていいはずだ。 夫婦で同じ企業に勤める友人が、昇進の試験に挑戦するか躊躇っていた。やれるかどうか自信がないと。子どもが二人いる。夫婦共に友人だが、その時話していた友人は女の方だ。少し手が離れた