とまそ

エッセイを書いてみたいと思い始めました!人に見られても恥ずかしくないと思える文章を作り…

とまそ

エッセイを書いてみたいと思い始めました!人に見られても恥ずかしくないと思える文章を作りたいです。

最近の記事

社会人2年目、アメリカ旅行記①

成田空港に到着するといつもそわそわしてしまう。今足を下ろしている地が1日もかからずして遠く離れた世界、つまりは別の国に代わってしまうから。自分で計画を立てて決めたはずなのに、不安がつのる。 次はどの国に行きたいと聞かれたら真っ先に出てくる国がアメリカだった。 今のうちにと思い、5月にアメリカへ旅に出る計画を立てた。場所はサンフランシスコからロサンゼルス周辺をぐるっと1まわりする。 大自然と大都市が共存している、なんでもあるスケールの大きなアメリカに行きたい理由は人それぞれ

    • 心から怖かった「近畿地方のある場所について」

      背筋さんの「近畿地方のある場所について」を読んだ。 最近、世はホラーブームを迎えていると思う。「変な家」が大ヒットしてから、ネット発のホラーが沢山出てきて、本屋さんにもホラーコーナーの棚があった。(実際そこで見つけて買った。今更だけど。) 昔から怖い話が大好きで、その手の本は小学生の頃から読んでいた。学校の怪談シリーズはほとんど読んだと思っている。全部短編になっていて読みやすかった。 今でもなぜか覚えている話がある。一人暮らしの部屋の棚と棚の隙間に細い女性が入り込んでい

      • 本棚の話

        家の本棚の話。 それは家の最上階にあるたった1つの部屋にあって、家族みんなの過去の本が置かれている。絵本・漫画・雑誌・文庫本とジャンルは全く問わない。 ただ文庫本だけは数が多いのでそこに入っているのはごく一部で、基本は別の本棚にため込んでいる。 その本棚はいわゆるディスプレイラックの形式で、9つの部屋に仕切られている。 ディスプレイというだけあって、これまでに買った映画のパンフレットやポスターを飾っていた。 何年も勉強部屋としてその部屋を使っていたので、そこに置いて

        • 誕生日の夜

          24歳の誕生日を迎えた。何でもない平日の水曜日。 去年は日曜だったし、その前は大学生だったから時間がたくさんあった。 友達や好きな人が祝ってくれた。 今年は久しぶりに家族にお祝いしてもらった。直接声をかけてくれたのは家族だけになる。 24歳ともなると歳への執着が減った。大学時代に感じていた1歳1歳への重みに慣れてきている。 来年ともなると25歳で四捨五入すれば30になるけど、もう少し気楽にいたいものだ。 職場に出入りしている保険レディーにつかまって、30分くらい説明

        社会人2年目、アメリカ旅行記①

          現代っ子は流れに身を任せない

          朝から美容院に行ってパーマをかけにいった。もう3年くらい通っているお店で同じ人に切ってもらっている。 最近は開店前にお店に入れてもらって誰もいない中でやってもらえるようになった。 美容院ではあまりスマホをいじらない。自分が変わっていく様をぼーっと見ていたりする。パーマはこれで10回程度はかけているけど、毎回出来が少しずつ違う。今回は、最近までしっかりとストレートの髪だったので、前髪はあんまりパーマがかからなかったなという感じ。 満足をして外に出る。パーマ液に浸されている間

          現代っ子は流れに身を任せない

          丁度よいにあふれる夏の心地よさ

          近所のスーパー銭湯の露天風呂が、夏季限定で常温になった。1週間前にこれを知って、昨日一緒に行った友達に自慢のように話をした。 これはね、もはやプールなんですよ全裸で入る。と促しつつ、友達入ると、これはいいと言って気に入ってくれたようだった。 夏場はサウナは5分×2セットくらいがちょうどいい。体が夜になってもほてっている気がして、入りすぎるといつも以上にクラクラとする。 外気浴は露天風呂の隣にビーチにあるような椅子が3つと風呂場の椅子の4つだけだ。完全に壁に囲まれた天井が空

          丁度よいにあふれる夏の心地よさ

          江國香織さんの言葉の中で生きたい

          僕には大好きでやまない作家さんがいる。江國香織さんだ。 彼女の作品に登場する人物たちはみなありのままであり、美しく、魅力的で健康的だ。健康的、この言葉はお気に入りのフレーズであり、よく本の中に登場する。この言葉にかけられた登場人物たちはみんなまっすぐに生きている。 だからこそ、彼ら、彼女たちは手に届かないような、どこか知っているはずなのに知らない感情を教えてくれる。その感情にあふれた言葉は知っている単語であるはずなのに、ひとかたまりであればわかるのに、日本語のつなぎあわせで

          江國香織さんの言葉の中で生きたい

          神保町の路地裏カレーに満たされる

          日付を超えて寝た次の日の朝は体が重い。目が覚めると、外で雨が降っているのがすぐに分かった。 体を起こす。最近前日によるご飯を食べ過ぎるとそいつがまだおなかの中にいる感覚に襲われる。今朝はずっしりとしていた。おなかをさするわけでもなく正体はすぐにわかった。 カレーである。 昨日、学生時代の友達とカレーを食べに神保町を訪ねた。それぞれ職場も近かったから、仕事終わりに歩いて集まった。友達は大手町の方から来てくれた。 彼とよく好きなバンドや映画の時間を一緒にする。そしてその後

          神保町の路地裏カレーに満たされる

          男女仲いい高校生活なんてドラマの観すぎだから

          水曜の朝、通勤電車に乗っていると隣の号車から5人の高校生が歩いてきた。時間は9時半だったということもあり、すぐに登校ではなく、修学旅行の類だとわかった。 内訳は男子3人、女子2人の合計5人。 それぞれ同性で固まろうとしていて、男子諸君は優先席に座る。電車は始発だったので車内はスカスカだった。 訳もなく、別々にいようとする様子は、高校生の頃の自分自身に重なりあう。修学旅行は沖縄で、班行動も男女ばらばらということもあってか、4日間ずっと男子と一緒に行動していた。ばしゃばしゃ

          男女仲いい高校生活なんてドラマの観すぎだから

          間のびするくらいが

          家の窓から見える高層マンションに明かりがつくようになった。と言ってもまだ、4割程度だ。入居者を随時募集中といった感じだろう。駅前の再開発で新しく建てられたマンションだが、ひときわ大きな迫力を持っている。そびえたつと言った方がいいかもしれない。 母は「駅の目の前なんて、絶対に落ち着かないから住みたくない」と、絶対に住めるはずないのに言っている。人は遠い存在のものに敵意を見せる。 駅から歩ける距離にある我が家は、家からは車の音さえほとんどしない静かな場所にある。僕はその歩ける距

          間のびするくらいが

          面接での言葉は私を流させなかった

          就活生時代に面接で話せるネタを作りたいと思い、長期インターンシップに応募したことがある。よくある携帯販売の営業で、安く携帯を売れるので私の下で買いませんかといったものだ。内容自体にまったくというほど興味はなく、むしろ怪しいものだったが、就活に焦る当時の私に関係なかった。 それは周囲の人間も同様に就活のためのインターシップやセミナーに参加していたこともあるだろう。流されやすい私は「就活は何とかなる」と根拠ない考えで選考に向かった。 インターシップの選考はシンプルだった。面接を複

          面接での言葉は私を流させなかった