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心から怖かった「近畿地方のある場所について」

背筋さんの「近畿地方のある場所について」を読んだ。

最近、世はホラーブームを迎えていると思う。「変な家」が大ヒットしてから、ネット発のホラーが沢山出てきて、本屋さんにもホラーコーナーの棚があった。(実際そこで見つけて買った。今更だけど。)

昔から怖い話が大好きで、その手の本は小学生の頃から読んでいた。学校の怪談シリーズはほとんど読んだと思っている。全部短編になっていて読みやすかった。

今でもなぜか覚えている話がある。一人暮らしの部屋の棚と棚の隙間に細い女性が入り込んでいるというものだ。この話は挿絵もあって、実際に細い女が隙間から覗いているという絵。学校の怪談シリーズのあの独特なタッチだったので不気味だった。
それから日常生活では隙間に視線がいかないようにしていたと思う。

今の話のように、日常生活に入り込んでくる怖さこそが最も嫌であり味わいたいものだ。
その点で言えば、「近畿地方のある場所について」は大の大人が夜道を歩くのが嫌になるくらい怖い話であった。もっと言えば、遠くをみるのも嫌だし、普段から色んな所に目がいってしまうけどそれさえも嫌になった。
1つの謎が立体的に解明されていくのは読んでいてゾクゾクする。
いつも買った本は通勤電車で読んでいるけど、夜もあえて読むようになっていった。

久しぶりにいい意味で嫌な気持ちになる本に出会えた。





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