本棚の話
家の本棚の話。
それは家の最上階にあるたった1つの部屋にあって、家族みんなの過去の本が置かれている。絵本・漫画・雑誌・文庫本とジャンルは全く問わない。
ただ文庫本だけは数が多いのでそこに入っているのはごく一部で、基本は別の本棚にため込んでいる。
その本棚はいわゆるディスプレイラックの形式で、9つの部屋に仕切られている。
ディスプレイというだけあって、これまでに買った映画のパンフレットやポスターを飾っていた。
何年も勉強部屋としてその部屋を使っていたので、そこに置いているほとんどは自分の好みで置いてきた。
オーストラリアで暮らす叔母がくれた2016年のサッカー雑誌やスターウォーズの過去のパンフレットとか。
置いてあるものは冬の太陽にやられてに色褪せたものが半数。
かれこれ10年は置いてあるからため込まれた陽の光は厄介だ。実際に日の光が直接入る向きを本棚はしている。さらに壁の真ん中にあるので太陽の逃げ場がない。
そんな色褪せがわかるくらい自分の机から雑誌やパンフレットをじっくりと眺めてきた。
意外と置いてるものが変わっていないな、なんて思っていたのだけど10年前から置いてるのは数えたらたった2つだった。
横浜ワールドポーターズで買ったスパイダーマンのポスターと、アメリカ大陸横断の本。
アメリカンテイストに部屋が傾いているのはこの2つがきっかけだ。その後はアメリカ風のナンバープレートの飾り物もいくつか買って部屋に飾った。
10年前の中学時代、コミック風テイストのポスターでスパイダーマンの吹き出しのセリフも、アメリカ大陸の本に書かれた小さな文字も、目を凝らさずとも簡単に読めたのだけど、今は免許用に買った眼鏡をかけないと読めなくなった。
昔のワールドポーターズは今よりもずっとアメリカ色が強い場所だった。バルコニーのようなモールの外側にはアメリカ雑貨を扱うお店がたくさん並んでいた。中学時代、決して沢山は行かなかったけど、通っていた1回1回をよく覚えている。
もうない場所を思い出せるモノを持ち合わせている。本棚はいつ見ても惚れ惚れとしてしまう。