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社会人2年目、アメリカ旅行記①
成田空港に到着するといつもそわそわしてしまう。今足を下ろしている地が1日もかからずして遠く離れた世界、つまりは別の国に代わってしまうから。自分で計画を立てて決めたはずなのに、不安がつのる。
次はどの国に行きたいと聞かれたら真っ先に出てくる国がアメリカだった。
今のうちにと思い、5月にアメリカへ旅に出る計画を立てた。場所はサンフランシスコからロサンゼルス周辺をぐるっと1まわりする。
大自然と大都市が共存している、なんでもあるスケールの大きなアメリカに行きたい理由は人それぞれだと思うけど、自分の場合はルート66を運転してみたかったからだ。
ルート66は中学生の頃に知った文化。10年以上前の思い出になる。当時「アメリカ大陸横断」という本を買った。何度も読んだ。この本は今でも日に当たる場所に置き続けていて、表紙はかなり色褪せた。
本にはルート66が通る都市が西から東まで紹介されていた。中学生ながらに名前を知っている都市があった一方で、とても興味が惹かれたのは名前も知らない都市だ。
たとえばアリゾナ州になるセリグマンという街はディズニーピクサーの代表作カーズの街のモデルとなっている。カルフォルニア州のサンバナティーノにはマクドナルドのミュージアムがある。
当時、自分の中で雑貨のブームがあった。お土産風のカーナンバーやらポスターやらをよく買っていた。その影響で買った本。10年越しに実際に見に行いきたいとなった。
ということで、高校時代の友人(名前は中華とする)を誘い、旅を決行することにした。
彼は周りが社会人2年目を迎えた今でも中華弁当屋(そこそこ有名でロケ弁とかやっているらしい)でバイト中だ。
中華とは大学1年にイギリス、去年の冬にイタリアを旅した。その時は3人で、もう1人友達がいたので今回も誘ってみたが、彼は金融機関に勤めている都合上、長い休みが取れなかった。(彼の名前は銀行としたい)
社会人になって気が付いたのだが、意外とまとまった休みが取れる場合もある。同期も1週間休んで海外旅行をしていたりする。学生時代には2度とできないと思っていたけど案外休めるのはありがたいことだ。
就職活動では、まとまった休みをとれる会社なんて1つも考えてなかった。(考える頭もなかった)ちなみに中華はまだ一度も就活をしていないらしい。
そんな中華に旅行予定の5月(ゴールデンウィークだったからまっとまた休みが取りやすいと思い決めた)の2か月前に誘ってみると、即決してくれた。フリーターは恐るべしである。
決まれば、次は具体的な内容を決める。2か月間の間に5~6回ほどファミレスに集まってだらだらと計画を立てた。ファミレスは毎回銀行の近くに設定したため無条件で3人で集まる。
何回か集まってここだけは必ず行く、の2つを決めた。
1つ目はディズニーランド。2つ目はドジャースの試合である。
この2つを中心にスケジュールを立てていった。
そして迎えた5月1日。
仕事では2日前から引継ぎを始めるという大罪を犯し、当日はTWで午後2時に仕事を切り上げた。チャットに1言「しばらく休みます」と打って退勤をすると、同じ課の人たち全員から絵文字リアクションをもらった。うれしいと思いながら、ドタバタで仕事を早退し、成田空港へ急いだ。