誕生日の夜
24歳の誕生日を迎えた。何でもない平日の水曜日。
去年は日曜だったし、その前は大学生だったから時間がたくさんあった。
友達や好きな人が祝ってくれた。
今年は久しぶりに家族にお祝いしてもらった。直接声をかけてくれたのは家族だけになる。
24歳ともなると歳への執着が減った。大学時代に感じていた1歳1歳への重みに慣れてきている。
来年ともなると25歳で四捨五入すれば30になるけど、もう少し気楽にいたいものだ。
職場に出入りしている保険レディーにつかまって、30分くらい説明を受けた。保険プランの紹介をしてくれたのだが、資料にはがっつり今日の日付が生まれ年として記載されている。
保険のおばちゃんにすら気づかれないので仕方なく、ぎっしり書かれた数字と保険内容を見つめ続けた。
家に帰るといつもは使わないお皿にトンテキとサラダ、ポテトサラダがのっかていた。皿が変わるだけで特別感は生み出せる。
トンテキをとんちきとか言って遊んでみた。みんなにスルーされたけど個人的には気に入った言葉。
トンテキを3枚食べてお腹いっぱいになった気がしていたけど、すぐにケーキを食べた。
マスカットがのっているショートケーキだった。暑いこの頃にも食べやすいと母は言うが、クリームにやられて最後は上半身すべて使って呼吸をしていた。
たらふく食べると気分も落ち着いてきた。すぐに横になることはできないけれど今日は早めに寝たい。