見出し画像

うつ病 薬のこと

誰もが言葉としては知っている鬱病。
しかし、自分がなってみるとあまりに知らなくて驚かされる。

うつ病で何年闘病というような話を聞いたことはあったが、その実情を知る機会はなかった。

ずっと落ち込んでいるから、あるいは人と会うのが嫌だから、薬を飲みながら家にいる、位の認識しかなかった。

確かに当たらずとも遠からず。

どうにもこうにも理由なく落ち込んでしまう日もある。
この、理由なく、がポイントだ。
女性ならホルモンバランスや生理の関係で理由なく落ち込むことがあるが、ああ、そろそろ生理だから苛立つなという理由がある。
うつ病だから落ち込むわけだが、落ち込む理由はなく、突然落ち込みの渦に巻き込まれて出られなくなる。

人とあうのは怖い。
今でもまだ家族と病院関係者以外とは会っていない。
買い物には何とか行くようになったし(人と目を合わせなくていいように帽子着用)、車も運転出来るようになったが、人が怖い。

薬はもっとハッキリ効くものだと思っていた。
確かに飲んですぐ効く薬はよく考えると恐ろしいが、正直、睡眠薬以外は効いているのか効いていないのかわからない。

本当は絶対いけないのだが、一切の薬を1度全て飲まなかったことがある。

眠れなかった。全く眠くならない。
おまけに色々な音がビックリするくらいよく聞こえて癇に障る。
私は落ち込んでもイライラはしないが、その時はひどくイライラした。
そのうちそこだけスポットライトが当たったように、手すりと柱がくっきり見えた。
一ミリでも動いたら死ぬな、と本能的に感じた。
布団をかぶって一晩中じっとしていた。
薬を飲みに行っても、トイレにすら行ってはいけない、動いたら終わりだ、と思った。
怖かった。

途方もなく長かった夜が明け、朝になり、少し落ち着いてきて激しく後悔した。
自己判断で薬を止めてはいけない。

でも、と思う。
今私を何とか動かしているのは薬なんじゃないのか?
そこに私はあるんだろうか?


いいなと思ったら応援しよう!

なんと双極性障害だった
よろしければ、サポートしていただけると嬉しいです! 生きる励みになります。