水曜日の窓辺

*ため息まじりに、俳句であるような、ないような、田舎暮らしの愛想なし爺ィの日記兼句帖。…

水曜日の窓辺

*ため息まじりに、俳句であるような、ないような、田舎暮らしの愛想なし爺ィの日記兼句帖。俳号「空茶」、読みは「からっちゃ」でも「でがらし」でも、お好きに。 *推敲せず思いついたままの形で投稿しがちなため、文意の錯誤、誤字脱字、ミスタッチが多くあります。追って修正いたします。

マガジン

  • 古今十七文字徘徊

    古今のふれあった俳句作品についての所感を記録しておくノートのまとめです。

  • ため息俳句 花々に会えば・・・。

    折々に出会う花々に寄せた句日記。 野草・野菜の花から名木と云われる一本桜まで、花にもいろいろ、人と同じのように思います。

  • 「ため息俳句番外」篇です。

    本編の「ため息俳句」には、ちょっと収まりそうもなかった試作的なもの、紀行文など、それと、自分の作品作りへの姿勢など、あれこれです。

最近の記事

ため息俳句 立待月

 花の頃は花に、今ごろになると宵ごとの月の移ろいに、気を取られるなんて、若いことには思いもよらなかった。    さて、今夜は立待月、十七日の月である。 立待のやや衰えし影を踏む  空茶  ニュースで日高の巾着田の彼岸花の開花が遅れていると聞いた。  それは、身の回りも同じで、青い茎は伸びてきているが、咲いたところを見かけていない。  これも、高温の秋のせいであるらしい。 去年は見き立待つ人に曼珠沙華

    • #21  やすやすと出でていさよふ月の雲  芭蕉

      昨晩は、名月に憎まれ口をたたいたが、今夜の月は素晴らしい。  そこでこの風雅な一文を。 堅田十六夜の弁  芭蕉  望月の残興なほやまず、二三子いさめて、舟を堅田の浦に馳す。その日、申の時ばかりに、何某茂兵衛成秀といふ人の家のうしろに至る。「酔翁・狂客、月に浮れて来たれり」と、声々に呼ばふ。あるじ思ひかけず、驚き喜びて、簾をまき塵をはらふ。「園中に芋あり、大角豆あり。鯉・鮒の切り目たださぬこそいと興なけれ」と、岸上に筵をのべて宴を催す。月は待つほどもなくさし出で、湖上は

      • ため息俳句 秋蒔く種

         秋に蒔く種は、まずは大根、白菜、玉ねぎ、ホウレンソウ、小松菜、隠元、ニンジン、青梗菜、そうして、ジャガイモ。  どれも、用意はできている。  大根、白菜は、この辺りでは彼岸をまでにはと云われている。しかし、衰えることない連日の暑さが、老人の農作業にはまことにこたえるのであって、畝を立て、マルチを張るまでが、つらいのだ。ようやく、大根はできたが、白菜以下はこれから。  それよりも気がかりなのは、種には発芽の適正温度があって、それを目安にするのだが、うち続く秋の猛暑はその温度を

        • ため息俳句 十五夜草

          十五日蕾みがちなる紫苑かな  空茶  十五夜草とは、紫苑の別名である。  その紫苑は、十五夜飾りには芒と共に欠くことが出来ないというのが、我が家のしきたりだが、今年はやはり暑さのせいか花が咲くのが遅くなっている。  例年であれば、満開であったのに。それでも、なんとか今夜に間に合ってくれたのだ。  紫苑は、畑の隅で毎年咲いてくれる。芒も畑にある。ともに今夜のために植えてある。  桔梗や撫子など秋の七草を飾りたいなどとネット上では推奨されているが、そういうものは身近にありそうで

        ため息俳句 立待月

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        • 古今十七文字徘徊
          20本
        • ため息俳句 花々に会えば・・・。
          87本
        • 「ため息俳句番外」篇です。
          50本

        記事

          ため息俳句例外 鶴と亀

           自治会から「敬老の日」の祝いの品を配布するので受け取りにおいでなさいと、通知が来た。  どうやらこの地域では、後期高齢者の年齢に達するとお祝いの受け取りができるようになっているらしい。  そういうことで、そのお祝いの品をいただきに、自治会に出頭してありがたく受理してきた。  タオル1本、ペットボトルの「おーいお茶」一本、それに近所のスーパーマーケットの商品券金額は伏せる)が、お祝いの品であった。    せっかくのいただきものにケチをつけるなどとは、いくら常識知らずの爺ィであ

          ため息俳句例外 鶴と亀

          ため息俳句 土偶の貌

           さて、釈迦堂遺跡群からは1116個体の土偶が出土しているそうだ。縄文前期のものが7個体、後期のものが1個体、他はすべて縄文中期のものであるそうだ。それらはすべて国の重要文化財に指定されていて、釈迦堂遺跡博物館が所蔵、展示している。  なぜか、このところ我ら夫婦は縄文文化のファンになってしまった。過日は、群馬県の「榛東村耳飾り館(しんとうむらみみかざりかん)」で、茅野遺跡から出土した縄文の耳飾りを見て、ちょっと度肝を抜かれたばかりだ。  そういうことで、今度は土偶の出土数では

          ため息俳句 土偶の貌

          ため息俳句番外#51  山梨行 

           ともかくも、暑い秋である。  今朝も畑に出たが、1時間も作業が続かない。汗まみれになって、退却した。とりあえず大根白菜の種をまかねばならない。玉ねぎもポットに蒔くことも。だが、こう暑くては、気持ちがなえてくる。  一昨日から小さな旅行をした。  石和温泉に一泊して、甲府盆地を車で回った。  石和温泉は、若い頃、研修会で泊ったきりでどんな所であったかなんて、忘れている、その研修会が何であったかも。  ただ、石和の町は深沢七郎の生地であることは知っている。深沢七郎は、自分にと

          ため息俳句番外#51  山梨行 

          #20 野畠や大鶏頭の自然花 一茶

           秋の七草もよろしいのだが、秋を極める花は、鶏頭であるかもしれない。その証とも言えそうな茂吉の一首。 鶏頭の古りたる紅の見ゆるまでわが庭のへに月ぞ照りける 茂吉    名月と鶏頭、意外な組み合わせであるが、似合いそうだ。  では、これはどうだろう。 名月や鶏頭花もにょっきにょき 良寛  名月ではないが、同じく良寛で。 綿は白しこなたは赤し鶏頭花  今盛んに、我が菜園でも綿が吹いている最中であるので、ついでに挙げておく。  一茶ではこうだ。 ぼつぼつと痩けいたう

          #20 野畠や大鶏頭の自然花 一茶

          ため息俳句 吾亦紅

           この時期になると、目に触れさせておきたいという草花がいくかある。  吾亦紅もその一つである。 吾も亦紅なりとつひと出て  虚子  すぐに思い出す句であるが、この句の成立はその名をアイデアとしている。  吾亦紅は花の姿に惹かれるというより、その名が誘う哀れさのような感じが、秋に似合うのである。木の実のような形のものは、小さな花の集合であって、それもバラの仲間であるらしい。それにしても地味な花ではないか。  虚子の「ついと出て」という観察とも感想ともとれる表現は、吾亦紅に

          ため息俳句 吾亦紅

          ため息俳句番外#50  現の証拠

          「現の証拠」とは、野草の名である。  今年の夏、連日外出は控えてといわれていた、そのせいにするわけでは無いが、森林公園から足が遠のいた。昨日、秋風も感じ始めたと一月振りに出かけたのよいが、真夏日となった。  その森林公園で、現の証拠はいつものところに咲いていた。  昨年は、白い花で無くて、こちらにであったのだ。  色は違うが、現の証拠である。  さて、この「現の証拠」という奇妙な名であるが、それはこれが薬草であることに由来する。長くなるが、自分的には興味深いので引用す

          ため息俳句番外#50  現の証拠

          ため息俳句 つくつくぼうし

           今午後5時を過ぎて、先ほどまで西日が眩しかったのだが、今は日がずっと傾いて日が短さを感じるほどになった。  先ほどまで、外でツクツクボウシが鳴いていた。蝉にもいろいろあって、鳴き声もそれぞれであるが、ツクツクボウシの鳴き声は、胸を突く感じがある、皆さんはどうであろう。  漱石の句こんなのが。 鳴き立てゝつくつく法師死ぬる日ぞ  漱石  蝉は幼虫時代を地中ですごす。長いものでは10年にも及ぶという。それが成虫として地上にあるのは一週間ほどだと聞いている。その短い地上に

          ため息俳句 つくつくぼうし

          #19 名をへくそかずらとぞいふ花盛り  虚子

             この花、屁糞葛と呼ばれている。畑の周囲に咲いている。  まこと、命名というのは、慎重にしてほしいものだ。   名を へくそかずらとぞいふ 花盛り 虚子  屁糞葛という呼ばれ様は、茎や葉を揉むと悪臭がすることからだ、その悪臭の素は、確かに屁の成分と同じだという。  しかし、和名には、花の内側の赤色がお灸をすえた跡に似ることから「ヤイトバナ(灸花)」、また、筒状の小花を田植えをする早乙女の花笠に見立てた「サオトメカズラ(早乙女葛)/サオトメバナ(早乙女花)」などと

          #19 名をへくそかずらとぞいふ花盛り  虚子

          ため息俳句 秋耕

          秋耕の汗に涼しき風吹けり  空茶 とは言え。すぐにこうなる、老いとはいかんとも。 無花果の木陰にへたりへたりかな なんだか、掘り起こすと今年は蚯蚓が多い。蚯蚓はウンコで土壌を改良してくれる。家庭菜園家にはありがたい生き物であるのだが、たいていの人にとっては気味悪い奴と忌避されやすい。 荒起こし蚯蚓おおよそ単独者 俺も、蚯蚓の仲間かと。 ともあれ、こうして今日も畑仕事ができる。 幸くとす脱いで野良着の汗一斗 家に帰れば、今朝の極楽。 シャワー浴び「ガツン、とみかん」

          ため息俳句 秋耕

          ため息俳句 九月

           台風10号は熱帯低気圧に変わったというが、依然として風も強く雨にも警戒せよという。何も変わっていない。  俳句では台風は「野分」という古称で詠まれることが多い。熱帯低気圧も「野分」でよいのだろうか。  ともあれ、なんだかくたくたに疲れて、九月に入ったような感じだ。  しばらく続くだろう残暑も憂鬱だ。 九月来て鼻の頭は濡れてをり  空茶 明朝はゴミ出しせねば野分去る  

          ため息俳句 九月

          ため息俳句 野分の空が茜色

           今夕、今年一番の夕焼けの空を見た。  台風の余波の小雨が降っていたのだが、空も辺りの家々も朱に染まった。  西に夕陽、東は薄い雲が流れていた。  空は一面、夕焼け。  一時のことであったが。 茜さす夕べなりけり野分雲    奇妙な気分になった。  ニュースは各地の被害を伝えている。  ながながと迷走する台風に国中が翻弄されている。  なんだか、空を見てばかりいるような気がする。  誰もがなんだかイライラしてように見える。  初めての経験のように思える。 何時までも惑ふ

          ため息俳句 野分の空が茜色

          ため息俳句 颱風来

           この颱風10号、ぐずぐずと進まない。  通過地域と被害を受けた方々にはお見舞いを申し上げます。  週明け以降、当地にやってくる頃は熱帯低気圧になっているという。  しかし、警戒を緩めるわけにはゆかない。  昨日は、この辺りも激しく降っていたが、今日はおおむね穏やかな一日になった。断続的に雨は降ったが、本降りは一時で、後は小雨であった。    その雨の切れ間に、庭に出た。    松葉牡丹が開いている。  薄日が射してきて、水たまりに映るが、直ぐに雲に隠れる。    庭の草花

          ため息俳句 颱風来