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ため息俳句 立冬赤城山

 晴天につられて赤城山までドライブに行ったのだ。
 秩父と赤城山と榛名山辺りまでは、気軽に行けるのだ。
 
 そうして紅葉見物の気分で行き着いた赤城大沼は、激しい風で震えあがる寒さであった。

蕎麦屋の前から大沼。強風、到底湖畔まで近づこうという気さえ起きない。
ひっきりなしに波が押し寄せてくるボート乗り場の桟橋。

 大沼の湖面一面風波が立ち、次々湖岸に打ち寄せてくる。
 湖畔に近づこうにも立っていられないほどの烈風。
 こんな大沼は、初めてである。
 やってくる観光客も、来てはすぐに立ち去ってゆく。
 ここに来るといつも立ち寄るお蕎麦屋さんで、お決まりの舞茸天ぷらそばを食べて体を温めて、赤城神社にも覚満淵にも小沼にも立ち寄らず、早々に下山して来た。

あれは、黒檜山1828メートル、赤城山の最高峰?

 火口湖の大沼を取り巻く山の頂には、雪が見えた、いやあれは樹氷なのだろうか。蕎麦屋のおばあちゃんの話では、あの白いものは今朝突然に出現していたのだそうだ。冬がやって来たのだ。

 そうか、この湖上の風が自分の住む街を震え上がらせて吹き抜ける赤城颪あかぎおろしの始発であったのかと、よくよく分かった気がした。

立冬や赤城大沼風巻しまきたり 空茶


 ともあれ、今日の赤城山は標高1100メートルあたりに紅葉が見られた。今年初の紅葉見物である。

妻、大根とキャベツを買う。

 そんなこんなであったが、意外に気持ち良い一日となった。

一山に秋冬まとう赤城山


帰路遠ざかる山を振りかえると、遠目には昨日と変わらぬお山が見えた。

秋行くと変わりなく在り赤城山