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国語教育

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国語に関する記事を集めたものです。自身の仕事に関係するものを挙げていくので、質はそれなりに高いものとなっています。写真は東博の書道具の展示を撮影したものです。
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#読書

近現代文学史 補遺ノート

近現代文学史 補遺ノート

近現代文学史の全5回のシリーズだと触れていない作品もあるので、さっくり近現代文学史の作家と作品を確認する記事です。

明治期
小説・評論

啓蒙主義 = 西洋の思想を学び、日本に伝えようとした。
 福沢諭吉:蘭学から英学に移り、遣米使節団の一員となる。『学問のすゝめ』、『西洋事情』などを著す。慶應義塾の創始者。

写実主義 = 現実のありのままを描こうとした。
 坪内逍遥:江戸時代の文学から明治時

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高校生向け短期集中日本文学史#5(戦後の文学と総合)全5回

高校生向け短期集中日本文学史#5(戦後の文学と総合)全5回

文学史は地味ながら意外と定期テストで出題されて特典源になることも多いです。そのような文学史について素早く勉強をする全5回のシリーズ記事です。

戦後、谷崎潤一郎『細雪』や永井荷風『踊子』など大家が再度文壇に登場するとともに、新戯作派の①太宰治や②坂口安吾らのような新人も台頭し、文学の復活が見られた。戦後派と呼ばれる人々も台頭し、『黒い絵』の野間宏、( Ⅰ )の安部公房、『野火』の大岡昌平、『金閣寺

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高校生向け短期集中日本文学史#4 (昭和時代初期~戦前の文学) 全5回

高校生向け短期集中日本文学史#4 (昭和時代初期~戦前の文学) 全5回

文学史は地味ながら意外と定期テストで出題されて特典源になることも多いです。そのような文学史について素早く勉強をする全5回のシリーズ記事です。

文学史#4(昭和時代初期~戦前の文学)
次の文を読み、空欄Ⅰ~Ⅷに当てはまる作家や作品を語群を参考に答えなさい。
 昭和期の文学は、戦前期と前後期の二つの時期に大別することができる。戦前期では昭和初期に台頭した二つの文学勢力の影響が大きい。一つはイタリアや

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高校生向け短期集中日本文学史#3 (大正時代の文学) 全5回

高校生向け短期集中日本文学史#3 (大正時代の文学) 全5回

文学史は地味ながら意外と定期テストで出題されて特典源になることも多いです。そのような文学史について素早く勉強をする全5回のシリーズ記事です。

大正時代の中期になると、耽美派や白樺派が見失いがちであった現実を理知的に捉えなおし技巧的に表現しようとする新現実主義が台頭した。新現実主義には二つの派閥に大別できるが、これはそれぞれの基盤となる雑誌の違いが大きく、その結果として作風の違いを与えていると言え

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高校生向け短期集中日本文学史#2 (明治時代末期〜大正時代初期の流れ) 全5回

高校生向け短期集中日本文学史#2 (明治時代末期〜大正時代初期の流れ) 全5回

文学史は地味にながら意外と定期テストで出題されて特典源になることも多いです。そのような文学史について素早く勉強をする全5回のシリーズ記事です。

明治時代末期から大正時代初期の文学は、既に台頭していた自然主義を批判する反自然主義の立場を取る人々によって展開された。反自然主義の立場の人々は特に共通基盤を持つわけではないが、自然主義とは異なる立場を取ろうとした点で共通しており、三つの立場が存在する。

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のんびり読書案内 番外編 国語系辞書紹介

のんびり読書案内 番外編 国語系辞書紹介

 今回は、のんびり読書案内の番外編として、手元にあると便利な机上におけるサイズの辞書をいくつか紹介したいと思います。画像は著作権の関係もあり、省きますが検索すればすぐに出てくるので、気になったものがあればぜひ調べてみてください。

国語辞典
・明鏡国語辞典(大修館書店)
机上に置けるサイズの中で文法の説明が特に丁寧な辞書。単語の意味以外にも文法的なことも調べることがある人は手元に置いておきたい一冊

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数分でできる読書の下準備【時間にまつわる話】

数分でできる読書の下準備【時間にまつわる話】

 数分でできる読書の下準備シリーズは、昔高校生向けに作成した読解力を高めるための素材集めとして作成した文章集をもとにしたものです。現代の評論文を読むために知っておくと読みやすくなる知識を簡単にまとめたものなので、新書や選書などの硬派な文章は苦手という人は少し硬い文章に慣れる練習として読んでもらえたらと思います。知識を試す「現代文キーワード小テスト」というシリーズもあるので、よりたくさん下準備したい

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夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #4 精読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #4 精読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

 このシリーズでは、国語の授業のように丁寧に作品を読み深めながら、1人で読書しただけでは気づかない作品の良さを知ることを目指しています。授業風ということもあり、長さは適量でカットし、深めたい人は参考文献を見てさらに深めてほしいという形をとりますので、物足りなさを感じたらぜひ参考文献類も確認してみてください。
今回は精読ということで、前回捉えた全体像を意識しながら細部の表現や仕掛けを読み解いていきま

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夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #3 精読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #3 精読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

 このシリーズでは、国語の授業のように丁寧に作品を読み深めながら、1人で読書しただけでは気づかない作品の良さを知ることを目指しています。授業風ということもあり、長さは適量でカットし、深めたい人は参考文献を見てさらに深めてほしいという形をとりますので、物足りなさを感じたらぜひ参考文献類も確認してみてください。
今回は精読ということで、前回捉えた全体像を意識しながら細部の表現や仕掛けを読み解いていきま

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夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #2 精読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #2 精読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

 このシリーズでは、国語の授業のように丁寧に作品を読み深めながら、1人で読書しただけでは気づかない作品の良さを知ることを目指しています。授業風ということもあり、長さは適量でカットし、深めたい人は参考文献を見てさらに深めてほしいという形をとりますので、物足りなさを感じたらぜひ参考文献類も確認してみてください。
 今回は精読ということで、前回捉えた全体像を意識しながら細部の表現や仕掛けを読み解いていき

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夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #1 範読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #1 範読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

 このシリーズでは、国語の授業のように丁寧に作品を読み深めながら、1人で読書しただけでは気づかない作品の良さを知ることを目指しています。授業風ということもあり、長さは適量でカットし、深めたい人は参考文献を見てさらに深めてほしいという形をとりますので、物足りなさを感じたらぜひ参考文献類も確認してみてください。
 『夢十夜』は夏目漱石の新聞連載小説の1つです。夏目漱石の作品はたくさんありますが、190

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中島敦「狐憑」(こひょう)を国語の授業風に読む #6 味読 (最終回)

中島敦「狐憑」(こひょう)を国語の授業風に読む #6 味読 (最終回)

 このシリーズでは、国語の授業のように丁寧に作品を読み深めながら、1人で読書しただけでは気づかない作品の良さを知ることを目指しています。授業風ということもあり、長さは適量でカットし、深めたい人は参考文献を見てさらに深めてほしいという形をとりますので、物足りなさを感じたらぜひ参考文献類も確認してみてください。この記事は#6ですので、最初から読みたいという方は#1からご覧ください。
 今回は味読という

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中島敦「狐憑」(こひょう)を国語の授業風に読む #5 精読 山場の部、終結部

中島敦「狐憑」(こひょう)を国語の授業風に読む #5 精読 山場の部、終結部

 このシリーズでは、国語の授業のように丁寧に作品を読み深めながら、1人で読書しただけでは気づかない作品の良さを知ることを目指しています。授業風ということもあり、長さは適量でカットし、深めたい人は参考文献を見てさらに深めてほしいという形をとりますので、物足りなさを感じたらぜひ参考文献類も確認してみてください。この記事は#5ですので、最初から読みたいという方は#1からご覧ください。
 今回も精読という

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中島敦「狐憑」(こひょう)を国語の授業風に読む #4 精読 展開部後半

中島敦「狐憑」(こひょう)を国語の授業風に読む #4 精読 展開部後半

このシリーズでは、国語の授業のように丁寧に作品を読み深めながら、1人で読書しただけでは気づかない作品の良さを知ることを目指しています。授業風ということもあり、長さは適量でカットし、深めたい人は参考文献を見てさらに深めてほしいという形をとりますので、物足りなさを感じたらぜひ参考文献類も確認してみてください。この記事は#4ですので、最初から読みたいという方は#1からご覧ください。
 今回も精読というこ

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