2022年3月の記事一覧
#読書感想文 スーザン・ネイピア(2019)『ミヤザキワールド 宮崎駿の闇と光』
スーザン・ネイピアの『ミヤザキワールド 宮崎駿の闇と光』を読んだ。
翻訳は仲達志さん、2019年に早川書房から出版された本である。
スーザン・ネイピアさんは、アメリカのタフツ大学の日本文学の研究者で、宮崎アニメのゼミの授業を行っている大学教授だ。
この本は、宮崎作品と宮崎駿自身の人生や家族、東映の会社員時代、スタジオジブリのエピソードが一緒に語られており、はじめて知ることも多かった。
『と
スティーヴン・プール(2018)『RE:THINK(リ・シンク) 答えは過去にある』の読書感想文
スティーヴン・プールの『RE:THINK(リ・シンク) 答えは過去にある』を読んだ。2018年11月に早川書房より出版された本である。
著者のスティーヴン・プールは、イギリス人のジャーナリストで、新聞や雑誌に寄稿をしている。
本作のコンセプトは「今、新しいと思われているアイデアは実は昔からあったものだよ」というものだ。そう、昔の人間は愚かでも、頭が悪いわけでもない。電気自動車は19世紀末のロン
中島美鈴(2016)『悩み・不安・怒りを小さくするレッスン~「認知行動療法」入門~』の読書感想文
中島美鈴の『悩み・不安・怒りを小さくするレッスン~「認知行動療法」入門~』を読んだ。2016年に光文社新書から出された一冊だ。
認知行動療法とは
日本では、2010年4月から保険診療適用となった。これはつまり、かなり多くの人に対して効果が認められた診療方法ということになる。もちろん、合わなかった人、効果がなかった人もいると思うが、希望を感じる。
わたしは、フロイトのソファに寝転がって、自分の
宮崎伸治(2020)『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』の読書感想文
宮崎伸治の『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』を読んだ。2020年11月にフォレスト出版から出された本である。出版業界、翻訳業界の暴露本でもある。
Newsweekの印南敦さんの書評を読んで興味を持ち、手に取った。Amazonのレビューも、とても多くて驚いた。それだけ、読み手が知りたいと思うことが書かれた本ということなのだろう。
この本で描かれているのは、資本主義そのもので、結局お金を出
篠田桃紅(2015)『一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い』の読書感想文
篠田桃紅の『一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い』を読んだ。2015年に幻冬舎新書から出された一冊だ。
篠田桃紅(しのだ とうこう)は美術家で、1913年3月28日に生まれ、2021年3月1日に亡くなった。108歳まで生きた人だ。
ある種の箴言集として読める。忘れたくない箇所を引用しておきたいと思う。
著者を何度かテレビで見かけ、100歳を過ぎて、これだけ明晰に話せるものなのか