踊る猫

本と音楽と魚が好きです

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記事一覧

ジム・シェリダン『ローズの秘密の頁』

ジム・シェリダン監督『ローズの秘密の頁』を観る。ジム・シェリダンという監督に関してはなんの知識もなく、予告編とルーニー・マーラ目当てで観たようなものだったのだけ…

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4年前
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チャーリー・カウフマン『もう終わりにしよう。』

チャーリー・カウフマン監督『もう終わりにしよう。』を観る。なんと悲しい映画だろう。まるで近年の高橋源一郎の小説のようだ。チャーリー・カウフマンという人物に関して…

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4年前
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My Ever Changing Moods / Dear, 27歳の僕 #3

こんばんは。元気にしているだろうか。 今日は雨だった。仕事に行ったのだけれど、カバンに入れていた本を通勤の過程で濡らしてしまった。まあ、こういうことはよくある。…

踊る猫
4年前
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雪 / Dear, 27歳の僕 #2

こんばんは。元気にしているだろうか。 最近、夢公園という近所の公園に行く習慣をつけつつある。散歩をすることにしたんだ。きっかけはあってないようなもので、前に晴れ…

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4年前
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幸せってなんだっけ / Dear, 27歳の僕 #1

拝啓、二十七歳の僕へ。 僕は今日、グループホームで洗濯をした。職場ではそろそろ梅雨入りが始まるから気をつけておくようにと言われていたのだけれど、今日はそんな気配…

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4年前
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Dear, 27歳の僕 事始め

こんばんは。元気にしているだろうか。記憶の中の二十七歳の僕は、気が狂ったように毎日毎日酒を平らげていたことを除けば身体面では健康だったから、特に問題はないだろう…

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4年前
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2020/05/23

I decided to write my diary again. I thought someday a happy event would happen, and I went to Waseda. But it didn't happen. The problem is "myself" and I had …

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4年前
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今日はパス

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4年前
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ヴィットリオ・デ・シーカ『ひまわり』

ヴィットリオ・デ・シーカ監督『ひまわり』を観る。辛口/ビターテイストな映画だなと思った。一応は悲恋を描いた映画なのだけれど、若き日のソフィア・ローレンとマルチェ…

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4年前
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ビクトル・エリセ『ミツバチのささやき』

ビクトル・エリセ監督『ミツバチのささやき』を観る。深い映画だと思った。こちらをキャッチーな要素で惹きつける、というのとは違う。確かにアナ・トレントの魅力はチャー…

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4年前
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オーストリアの女性とチャットしました

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4年前
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フェデリコ・フェリーニ『カビリアの夜』

フェデリコ・フェリーニ監督『カビリアの夜』を観る。フェリーニは人生の達人なのではないか? と思った。と書くとなんだか説教臭い映画でも観たような印象を感じられるか…

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4年前
6

今年で45。だが、主観的には200年くらい生きたと思う

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4年前
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ナディーン・ラバキー『存在のない子供たち』

ナディーン・ラバキー監督『存在のない子供たち』を観る。必見、と言っても過言ではない作品だと思った。だが手放しで礼賛することもできない。生々しさにおいて、あるいは…

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4年前
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ダン・フォーゲルマン『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』

ダン・フォーゲルマン監督『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』を観る。ジェットコースターに乗っているような鑑賞体験だった。退屈はしない。サクサクとテンポよく進…

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4年前
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侯孝賢『恋恋風塵』

侯孝賢監督『恋恋風塵』を観た。傑作だと思った。だが、その魅力はどこから来るのか私にはわからない。わからないなりに書こうと思う。私は中国語はわからないのだけれど、…

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4年前
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ジム・シェリダン『ローズの秘密の頁』

ジム・シェリダン『ローズの秘密の頁』

ジム・シェリダン監督『ローズの秘密の頁』を観る。ジム・シェリダンという監督に関してはなんの知識もなく、予告編とルーニー・マーラ目当てで観たようなものだったのだけれどそこそこ楽しむことが出来た。傑作だとは思わないが、ソツがなく綺麗に纏まっておりイヤミなところもない、小粒だが良品だと思わされた。だが、読書においてページを次々とめくってグイグイ読んでいくような引き込みの強さが、この映画には欠けているよう

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チャーリー・カウフマン『もう終わりにしよう。』

チャーリー・カウフマン監督『もう終わりにしよう。』を観る。なんと悲しい映画だろう。まるで近年の高橋源一郎の小説のようだ。チャーリー・カウフマンという人物に関しては不勉強にして知らなかったのだけれど、これは是非彼が関わった映画(特に『マルコヴィッチの穴』)を観てみたいと思わされた次第である。だが、『もう終わりにしよう。』自体は私はそう高く買えないとも思った。そんなに難しい次元の話ではなく、単純に映画

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My Ever Changing Moods / Dear, 27歳の僕 #3

My Ever Changing Moods / Dear, 27歳の僕 #3

こんばんは。元気にしているだろうか。

今日は雨だった。仕事に行ったのだけれど、カバンに入れていた本を通勤の過程で濡らしてしまった。まあ、こういうことはよくある。図書館で借りた本でなかったからよかったと自分を慰めている。それで、鷲田清一の『〈ひと〉の現象学』という本を読んだのだった。すこぶる面白い本で、これは再度読み返してじっくり書かれていることを消化したいと思った。

いや、もちろん今日はもっと

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雪 / Dear, 27歳の僕 #2

雪 / Dear, 27歳の僕 #2

こんばんは。元気にしているだろうか。

最近、夢公園という近所の公園に行く習慣をつけつつある。散歩をすることにしたんだ。きっかけはあってないようなもので、前に晴れた日に部屋にこもって鬱屈した気分で過ごしていた時に、このままだと気が狂うのではないかと不安になって、それで行ってみたんだ。行ってみて、この公園の光景がカネでは換算できない値打ちのあるものだということに気がついた。それで、歩くことは健康にも

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幸せってなんだっけ / Dear, 27歳の僕 #1

幸せってなんだっけ / Dear, 27歳の僕 #1

拝啓、二十七歳の僕へ。

僕は今日、グループホームで洗濯をした。職場ではそろそろ梅雨入りが始まるから気をつけておくようにと言われていたのだけれど、今日はそんな気配は感じられないピーカンの晴れ模様だったので、洗濯が捗った。そして、洗濯を済ませると僕は近所の公園に行ったんだ。緊急事態宣言が終息したといっても、不要不急の外出は控えるようにという空気は変わらない。でも、もちろんマスクは忘れずに公園に行って

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Dear, 27歳の僕 事始め

Dear, 27歳の僕 事始め

こんばんは。元気にしているだろうか。記憶の中の二十七歳の僕は、気が狂ったように毎日毎日酒を平らげていたことを除けば身体面では健康だったから、特に問題はないだろうと思うのだけれど――。

今日はエリック・ホッファーという思想家の自伝を読んだよ。ホッファーのことは、多分君は柄谷行人が若き日に翻訳に携わった思想家ということくらいしか知らないかもしれない。知っていてカッコいい思想家というわけでもないからだ

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2020/05/23

2020/05/23

I decided to write my diary again.

I thought someday a happy event would happen, and I went to Waseda. But it didn't happen. The problem is "myself" and I had to change my sense.

Boring time goes on

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ヴィットリオ・デ・シーカ『ひまわり』

ヴィットリオ・デ・シーカ『ひまわり』

ヴィットリオ・デ・シーカ監督『ひまわり』を観る。辛口/ビターテイストな映画だなと思った。一応は悲恋を描いた映画なのだけれど、若き日のソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが出演している。しかし、アイドル的な魅力を振りまくというのではなく(このあたり、意見が別れるか?)むしろ細かいところまで芝居の旨味によって魅せていると思われるのだ。手堅く魅せていく映画、と言えるだろうか。流石は『自転車泥棒

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ビクトル・エリセ『ミツバチのささやき』

ビクトル・エリセ『ミツバチのささやき』

ビクトル・エリセ監督『ミツバチのささやき』を観る。深い映画だと思った。こちらをキャッチーな要素で惹きつける、というのとは違う。確かにアナ・トレントの魅力はチャーミングでこちらも息を呑むのだけれど、ストーリー展開にハラハラドキドキする要素はない。いや、正確に言えばこの映画の裏事情を知っている人間なら少しはハラハラドキドキするかもしれない。内戦に揺れたスペインで、政権批判が許されなかった時代に辛うじて

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オーストリアの女性とチャットしました

フェデリコ・フェリーニ『カビリアの夜』

フェデリコ・フェリーニ『カビリアの夜』

フェデリコ・フェリーニ監督『カビリアの夜』を観る。フェリーニは人生の達人なのではないか? と思った。と書くとなんだか説教臭い映画でも観たような印象を感じられるかもしれないが、『カビリアの夜』はそういう説教臭さはない映画だ。ハラハラドキドキする、という意味ではなくむしろ予定調和の極みの旨味を感じさせるという意味で面白い。映画史上ここまで、この映画でジュリエッタ・マシーナ演じるカビリアほど惨めなヒロイ

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今年で45。だが、主観的には200年くらい生きたと思う

ナディーン・ラバキー『存在のない子供たち』

ナディーン・ラバキー『存在のない子供たち』

ナディーン・ラバキー監督『存在のない子供たち』を観る。必見、と言っても過言ではない作品だと思った。だが手放しで礼賛することもできない。生々しさにおいて、あるいはアクチュアリティにおいてかなり頑張っている作品であり、その頑張りを評価したい反面頑張りが弊害を産んでいるとも考えられると思ったのだ。これは、映画において「貧困」を描く際に「貧困ポルノ」にならないようにするにはどうしたらいいか、を考えることに

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ダン・フォーゲルマン『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』

ダン・フォーゲルマン『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』

ダン・フォーゲルマン監督『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』を観る。ジェットコースターに乗っているような鑑賞体験だった。退屈はしない。サクサクとテンポよく進む。悪く言えば、観客を焦らしたり小休止させたりといった緩急のつけ方がなっていない。「タメ」がないというか、観終えた後印象に残るシーンを探そうとしても脳に残っていないという状態に陥る。上手くできた話であることは認めるが、映画にするのであれば主

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侯孝賢『恋恋風塵』

侯孝賢『恋恋風塵』

侯孝賢監督『恋恋風塵』を観た。傑作だと思った。だが、その魅力はどこから来るのか私にはわからない。わからないなりに書こうと思う。私は中国語はわからないのだけれど、タイトルから恋物語であることくらいはわかる。ただ観終えて、大事なのはむしろ「恋恋」ではなく「風塵」、つまり「風と塵芥」の方ではないかと思い英語ではこのタイトルはどう表記されるのか調べてみると、「Dust In The Wind」となると知っ

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