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#白血病
〜ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと〜人生に突如発生する「電源オフ」を乗り越える術 その①
私達の生活は、思った通りにいかないことの連続だ。
そんな日常をみな辛抱強く生きている。
ただ、大半の場合、それは日常という前提があった上での話である。
しかし、今回のコロナウィルスの蔓延で、そのような生活の前提が吹っ飛んでしまった。外出自粛によって仕事にはキャンセル・遅延が発生。卒業式・入学式も通常通りには開催できない。準備していた講演会や目標としていた試合も中止となった。
そんな「生活の強
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと~時間は絞り出すものではなく、じょうろの水のように注ぐもの
「今日から、時間がありまくる生活が始まります」
忙しいことがディフォルトの毎日を過ごしている人は、突然こう告げられた、かなり戸惑うと思います。
私もその一人でした。
でも、ある日突然本当に「時間ありまくり生活」が始まったのです。
「時間ありまくりの入院生活」9か月を、実際に私がどう過ごしたか、書いてみようと思います。
毎朝6時過ぎに長女を起こし、まず中学受験塾の算数問題集をやらせる。その
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと~自分の病気が、何なのか分からなくなった話
「退院したら、どんな体調で生活することになるのかな……」
9か月の入院生活が終わる頃、私は自宅での生活を想像していた。
大病と言われる白血病を、治療した身である。
白血病サバイバーはどんな体調で退院生活をスタートするのか、どんなことに気を付けなければならないのか、正直不安だった。
「退院後も、ステロイドと抗がん剤を飲み続けるから、副作用はあるはず。 まだまだ治療が続いていることを、忘れないよ
〜ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと〜 入院中に、最高のチームメイト見つけました その①
「何歳? 11歳? 今からお母さんの腰の骨から骨髄液を吸引するけど、ここからだと良く見えるよ」
主治医のH先生が快活に話しかけたが、当の娘はおびえていた。
「先生、怖いみたいなので、病室から出させていいですか?」
「怖い? そうですか…… 分かりました」
入院2日目の、やり取りだった。H先生は意外そうな顔をした後、処置の準備をし始めた。その後私は、骨盤から骨髄液を注射器で吸引する骨髄穿刺、
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと~ 入院中に、最高のチームメイト見つけました その②
前回のあらすじ:
白血病の治療のため、長期入院をしていた私は主治医との関係構築をとまどったが、主治医も私も同じ目的を目指すチームメイトであると気が付いたのだった。
・・・
「医師は、患者が良くなるよう動いてくれるチームメイトだ」
今ではそう自信をもって言える私も、H先生に対して不満を持ったことがあった。
膿瘍の治療を優先するため、抗がん剤治療が二か月弱ストッ
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと~ 髪が抜けたら、たわし頭のケアーを大切に その①
主治医は、普通の話をしているのと同じテンションで言った。
「先生、髪の毛が抜けない人って、いるんですか?」
「いません」
会話終了。藁にも縋る気持ちで質問したが、無駄だった。
「髪の毛、抜けちゃうんだ……。 ドラマの世界じゃん」
急性白血病と診断され、緊急入院していた私は、すぐにその事実を受け入れられなかった。恐ろしい副作用が待っている抗がん剤治療だけでなく、肩まである髪の毛が抜けて無く
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと~ 髪が抜けたら、たわし頭のケアーを大切に その②
前回までのあらずじ:
白血病治療のための抗がん剤を投与して2週間後。主治医の説明通りに髪の毛が抜け始めた…はたして、ちゃんと髪の毛はまた生え始めるのか?
・・・
「本当に、またちゃんと伸びてくるのかなぁ」シャンプーしながら「たわし」頭に触れるたびに、私は暗い気分になった。
9か月に及ぶ白血病治療の合間には、抗がん剤を投与しない時期もあった。その間、髪の毛や、薄
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと~ 寄り添って欲しいなら、物言う患者になりましょう
「大丈夫ですよ~。 順調なので、何も心配しないでくださいね」
看護師さんが、手術台に横たわる私に呼びかけた。
私は何も質問していないのに、何かがおかしい。
言われてみれば、いつもよりも時間がかかっている気がする……
大学病院の手術室で、白血病患者の私は、首にカテーテルを入れる処置を受けていた。
今回が4回目だ。
抗がん剤は、首の太い血管に入れ込まれたカテーテルを通じ投与される。そのため、白血
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこ~ 大きな声では言えませんが、無菌室推しの私です
「こちらが今日から入っていただく、無菌室です」
看護師さんが、ドアを開けながら言った。
その日の昼過ぎに、白血病の治療のため、検査を受けていた一般病棟から血液内科の病棟に降りてきた。特殊な部屋とは聞いていたが、実際に無菌室を見た時の衝撃は、忘れられない。
「これ、監獄? トイレがむき出しじゃない……」
私は呆然としながら、心の中で呟いた。
(これが私が実際に滞在した、無菌室です。初めて部
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと~ 長期入院生活をサバイブするために必要なもの、 知っていますか?
「同室のOさん、占い師じゃないかって話よ。LINE通じて占いの仕事続けているのかもよ」
「占いの仕事を続けてる? 本当ですか? でも確かに、そう言われてみれば、あり得るかもしれないですね」
私は急性白血病の治療のため、約4か月間、AさんとOさんと3人で大部屋での入院生活を送っていた。Aさんは気さくな性格で、体調のこと、食事のこと、娘さんのことなど、毎日挨拶とともにおしゃべりをした。
一方で、
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと~ すべきでないことリストを作らなくては
「くれぐれも、無理はしないでくださいね。 大事にしてください」
病気をした人は、こう周りからよく声をかけられる。
挨拶代わりのようなものである。
「お気遣いいただき、ありがとうございます」
こちらも、お決まりの返事をする。
だが、実際には、無意識に無理なことをしてしまうのが、病人や病み上がりの人達だ……
2019年のお正月明け。
白血病治療のため長期入院していた私に、一時退院許可が出た。
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと~ 闘病中に、鳥が好きになったわけ
「夢は、オウムを飼うこと?」
思わず聞き返してしまった。
「そう、私の夢は、オウムを飼うことなんだよね。 でもね、オウムは求愛行動として、吐き戻しするから、なかなか難しく、残念ながら実現可能性は低いね。 オウムじゃない鳥を、飼うことになるのかなあ」
「私、就職活動を前提に、やりたい仕事とか取りたい資格とかについて、聞いたつもりだったのだけど……」
これは、親友と私の大学2年生頃の会話だ。