記事一覧
「世紀末ウィーンのグラフィック」展
くすんだ黄金色の、長い手足の女性たち。
散りばめられた星や月、うっとりと閉じられた瞳。
まちがいなく同じ世紀末芸術であるのに、フランスのそれとは何かが違う——
退廃、幻想、神秘、異教といったフランスの世紀末文化に親しんでいただけに、ウィーンのグラフィックから発される力強い「大義」に圧倒されてしまった。
デザインの表象は似ているのに、決して本質は唯美主義ではない。むしろ、正反対にある。
19世紀
「上着の折り返しが絹だったり、昼間の靴がエナメルで塗られていたりということが、詩的才能を証明する。テオフィル・ゴーティエの髪の毛やリシュパンの深紅のベルト付きコートと同じくらい議論の余地のないやり方でね。」(ピエール・ルイス『三声書簡』)
わたしが服装にこだわりたい理由の原点。
