少年はやがて大人になって
残暑の続くなか、台風14号が日本列島を横断した。台風が過ぎ去ってから気温がぐっと下がった。
未練たらしい夏の暑さを台風が吹き飛ばしてくれた。
ただ、天候はぐずぐずで、空はつねに雲に覆われている。こうなるとむしろ夏の陽射しに未練を感じてしまう。
季節の移ろいは、僕らの心情にも微妙な変化を与えた。そのような変化が僕らを感傷的にさせる。
眼や肌で感じる景色の変化が心象風景にまで作用した。
四季を愉しむ美徳の精神が僕にもあれば、あるいはこんなレトリックなんて求めなかったかもしれない。