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カラオケが嫌悪から趣味に転じるまでの話

現在こそ「カラオケ」の類の集まりに行くことが多くなり、遅咲きですが、大人の趣味になりつつあります(実は昔は嫌いでした)。 そんなこともあり、iPhoneのiTunes Storeで歌を探す時があるのですが、年代に関係なく好きな歌に出会うことがあります。 最近は特にAimerさんの曲に惹かれていますが、他には家入レオさんの「a boy」という曲もです。 現在の自分のスタンスはシンプルに「自分が好きな歌を歌うこと」だけ。これを貫いてからは嫌悪感も自然と消えました。 人生は

初期設定を変更して生きやすくなった話

頭では分かっているけどなかなか行動に移せないことが急にカチッとはまって行動できるようになる経験があった。 ここ5年くらい自己理解に努めていた。例えばAボタンを押したら右手が上がるとか、Bボタンを押したらジャンプするとか、こういう環境に行ったらダメージを受けるとか、回復するとか私の身体と心の特性、性質はどういうものなのだろうかという実験を繰り返していた。 そこで分かった大きなことは、私はネガティブな人間でそれによって自己否定を繰り返し自分を傷つけてしまうということだった。

北海道の道東で「雪の妖精シマエナガのおにぎり」を探せ!

《連続1944日目!》 プロローグ 日本の最北端、北海道の道東地域は、広大な自然が織りなす独自の風景が広がっている。 果てしなく広がる牧草地、流れの清らかな川、雪を頂く山々、そしてそこに生息する野生動物たちが、訪れる人々に冒険の予感を抱かせる。 2022年に道東を訪れた時は、氷点下10度の中、釧路湿原でカヌーに乗って野生動物を探した。 この時に旅では、タンチョウやエゾシカ、ミンクやオオワシなどの貴重な動物に出会うことができた。 実は、この時、会いたくても会えなかった

改札は通れないけど空は飛べる

大阪から東京にやってきて、それなりの数のバンドのライブを、それなりの数のライブハウスで観てきた。 新宿、渋谷、下北沢、恵比寿などなど、大阪にいたころも名前は聞いたことのあった地名には、大体有名なライブハウスがあった。 もはや新木場なんて「新木場STUDIO COAST」があったから知っていたくらいだった。 ただ、これだけいろんな場所のライブハウスを訪れていても、どんな外見で、どんな内装だったかをパッと思い出せない。 多分、現場に行けばそのときの記憶が蘇るのだろうけど、

命について

「命って何だろう」、「生きるって何だろう」。 そんなことを最近よく考えるようになった。 命に重い軽いなんて無いって言うけれど、少なくとも命の「長さ」について神様は残酷すぎやしないだろうか。生きたい思いにみんな違いはないのに。 生きている意味や生きる目的、目標を問いかけられた時、僕は答える術を何も知らない。言葉1つ出ない。普段そんなことを考えたことがないから。 街行く人々を見て「あの人の服いいなぁ」と思うことはあっても、「でも自分はあの服をあと何年着れるだろう」と思う人は

野望に本屋さんをプラスして

どうも、本が好きな喜木凛(ききりん)です。 昔からもっている密かな野望で、印税をもらいながら趣味で喫茶店を開くという夢があったのですが、 メディアパルさんの企画を拝見して、本屋さんもいいなぁという気持ちに。 喫茶店は趣味というとこがポイントなのです。 利益を考えるとしんどいので。 カフェが好きなのですけど経営は現実的に考えるほど厳しい……。 というわけで、印税で生活できるようにならねばですね。 まぁ、妄想なのでお付き合いいただけると嬉しいです。 喫茶店の規模は、カウン

労働

神は、6日間で世界をつくり、7日目に休暇をとった。『旧約聖書』の創世記は、世界の一週目をこのように描く。いわゆる「天地創造」である。 月曜日からはじまり、日曜日でおわる一週間。私たちが、あたりまえのように過ごすこのサイクルも、聖書に由来しているのだから、宗教とはすごいものである。 さて、この『旧約聖書』では、楽園で遊んで暮らしていたアダムとイブが「善悪を知る実」を食べてしまったことに、神が罰を与える。女には「出産」、男には「労働」の罰を。 一方、日本の神話『古事記』では、最

大阪でsorry、sorry言いまくる

前回の記事に続き、今回は翌日の観光のお話を、記憶が新しいうちにちょっとだけ書いてみたいと思います。 瀬戸内海の島を出て、その日のうちに私と妹は大阪まで戻りました。 夜間、二女に何かあれば、少しでも早く自宅に帰れるようにと思い、関西圏に帰ってきておりました。 とりあえずホテルでチェックインを済ませ、夜遅く、通天閣へ。 この日は妹と、夜遅くまで語らいました。 翌朝、私たちが張り切って向かった先は大阪城です。 予想に反してめちゃくちゃ良いお天気!暑すぎず、心地よいお散歩日和

卒業

人生で、卒業イベントは何回あるのだろう。僕の場合、保育園、小学校、中学校、高校、大学、大学院、とすでに6回も卒業している。あいだに童貞も卒業しているから、7回か。今後、僕は「卒業」のイベントにどれくらい出くわすのだろうか。 僕がアイドルであれば、グループ卒業、のイベントもあっただろう。残念ながら、僕はアイドルではないし、今後なることもないから、このイベントは発生しない。他に卒業といえば何だろうか。 わが子の、卒業。親として、卒業イベントに参加できる。それも、妻とふたりで。

本とスイーツ、最高のマリアージュ♡読書の秋、ちょっと違う楽しみ方

秋と本は、相性バツグン?なのかが気になってしまった喜木凛(ききりん)です。 「読書の秋」という言葉は、もはや定番ですが、本当に秋は読書をするのに最適な季節なのでしょうか? 夏目漱石が小説『三四郎』で引用した漢詩がきっかけで秋に読書をするイメージが広まったという説もありますが、個人的には、食欲の秋がナンバーワンだったりします。 そこで、今回は、読書のお供にぴったりのスイーツと本の組み合わせを勝手にご紹介! 秋の読書を彩る、スイーツ×本のマリアージュ あなただけの組み合わ

過疎の島の未来を思う

10月の最後の週末、妹と一泊二日の旅に出た。泊まりの姉妹旅行は大人になってからは初めてだ。 目的地は両親の故郷、瀬戸内海の島。 島へ行くのは3年ぶりだった。 前回は、弟が両親を島へ連れて行ってあげようと計画してくれて、弟の運転で、両親と私と妹と、つまり家族水入らずで島へ渡った。その日は、私と妹は日帰りで帰ってきた。 当時、肺を患い、歩くのがやっとだった父は、島に帰ると別人のようにサクサク歩いた。叔父たちにも会えてよほど嬉しかったのだろう。 その旅が父の最後の里帰りになった

あの日の私に努力だけではどうにもならないことがあると伝えたい。

私は子供の頃から周りよりできることが多かった。しかしそれは生まれ持った才能によるものではなく、努力によって勝ち取ったものだという自負があった。努力によって多くの困難を乗り越えてきた経験があったからこそ、どんな大きな壁も努力さえすれば乗り越えられるという考えが私の中にはあった。 ・・・ 小学生の頃から始めた部活は、初心者ながらも上手な人のプレーから学ぶことによって段々と上達していき、試合に出場するメンバーに選ばれるまでに成長した。 最終学年ではキャプテンに選ばれた。監督と

車窓

岩木山は、青森県の津軽平野に位置する火山で、標高1600メートルを越す。青森県最高峰の山であり、日本百名山にも選定されている。周りは平野が広がっているから、岩木山がひとつ、存在感を放つ。山のかたちが美しいことから「津軽富士」とも呼ばれる。津軽の人にとって自慢の山である。 先日、青森へ旅行した際、この岩木山を見た。弘前駅から青森駅へ北上する奥羽本線の車窓から見えた。圧倒的である。時刻は夕刻。山の向こうを真っ赤に染めて、岩木山は影絵となる。山頂から山麓にかけてのびる稜線は、一級

古びた故郷の地図に思い出をのせて

久しぶりに歩いた大阪の街は、懐かしさと目新しさが入り混じる景色をしていた。 ほぼ1年ぶりに最寄り駅に着くや否や、昔ながらのアーケード街が広がる駅前の一画は更地へと変わっていて。一瞬、別の駅と間違えたかと思った。 そして、これまで真っ白なフェンスで覆われていた梅田の北側は、再開発によって優美な芝生エリアが広がり、来年の頭には巨大な商業ビルのオープンを控えている。 そんな大きな変化に見惚れていると、次第に細やかな変化も目につくようになった、 飲食店やコンビニ、コインランド