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体型を取り戻せ!!【息子夫婦と暮らす#28】

「やった〜とうとう30ポンド減量成功!!」

息子タローが10年前の体重となり大喜びしています。昨年の今ごろから比べると約14キロ痩せたのです。

夫がどんどん痩せてしまったのはがんに侵されていたからなので、突然痩せられると心配になりますが、タローは健康だからこそです。

夫が2年前に大腸がんで亡くなったため、その遺伝子を受け継いでいる彼はつい最近大腸がんの内視鏡検査を受けました。今のところ異常なしと判明してほっとしています。

1日じゅうコンピューターの前でスクリーンを眺める仕事ゆえ、体を動かすことは健康のためにもとてもたいせつです。本人も気にしているようで、仕事用デスクは座りっぱなしを防ぐため、ワンタッチでスタンドデスクにできる電動で高さが変えられるタイプのものを使っています。

夫が大腸がん宣告をうけたあとで、大腸がん予防に運動がとても効果的だと再認識し「わたしといっしょにちゃんと運動していれば……」と苦々しい気持ちになりました。というのも、2011年に息子たちが家を出て行ってからそれまで親子でいつもテコンドーを楽しんでいた夫が、すっかり運動しなくなったあげくのことだったからです。

わたしは子どもたちがいなくなってから時間的なゆとりができたこともあり、フィットネスクラブに通いエクササイズをスタートさせたのに夫は運動をやめてしまったのです。いっしょにジムに行けたらと、わざわざ夫婦で通えるメンバーシップに切り替えて誘ったりもしたのですが、夫は後ろ向きでした。

運動のたいせつさを理屈ではわかっていても、「新しい家に引っ越したらはじめるから」と先延ばし発言を繰り返していたので「馬を水辺につれていけても水を飲ませることはできない」と実感したものです。

昨年から息子夫婦と暮らすなかで、何度となく「わたしの言うことをちゃんと聞いてくれていればお父さんはまだ元気だったかもしれないのに……」と悔しい気持ちをタロー相手に語っていました。

そんなわたしの言葉が影響してかどうかはわかりませんが、昨年暮らし始めたばかりのときと比べると、目に見えて食の質も量も気にしはじめて、ヘルシーライフを意識するようにタローは変化しています。

大学院に行く前までは我が家でわたしの料理を食べ、週に2回テコンドークラブで父親もいっしょに体を動かしていました。当時は若さゆえ基礎代謝も高かったのでスリムながらもいい体型を保っていました。

ところが、2011年オハイオ州で一人暮らしの身になりました。奨学金をもらっての学院生生活でしたがあまりの貧乏学生だったので栄養を考えた食生活とはどんどんかけ離れていきました。ストレスや孤独から安いアイスクリームを爆食いするなんてことを平気でしていたようです。

2016年に職を得て、彼女ムーちゃんといっしょにテキサス州ダラスに越しました。ダラスのような大都市ではおいしいレストランがたくさんあります。職を得てからはちょっぴり贅沢もできるようになり、今度はたらふく外食を楽しむ暮らしになり二人とも体脂肪を蓄えていきました。

そして、2020年にパンデミックを向かえ、さらなる運動不足となり、買い物にも自由に行けずの不健康な食生活となっているうちにジワリジワリとさらなる体重増となりました。とは言っても、見るからに太り過ぎというわけではなく、アメリカのモノサシなら普通といえましたが、タロー自身が2011年当時の自分の写真を見るたびに体型を取り戻したいと考えはじめたようです。

地下に筋トレ用のエクササイズグッズを整え、古巣のテコンドー道場に復活すると、ハイスクール時代からの息子を知る人々は復活を歓迎してくれました。6月には州のテコンドートーナメントでグランドチャンピオンにもなりました。

(左)蹴られ殴られることに耐える健気なボブ
(中)柔術の技練習用にとデイブがリビングルームに座っている
(右)州のトーナメントで獲得したトロフィーとメダル

今年の春からは、隣町にある道場でブラジリアン柔術もはじめました。もともと、格闘技や武道が好きなのは父親の影響です。そんなふうに、ほぼ毎日かなりハードに体を動かすようになり、タローの運動不足はすっかり解消され、食事担当のわたしに「筋肉増やしたいからプロテイン多めによろしく〜」なんて注文までつけます。

ミシガン州は肥満率が高い州で全米の中で8位にランクされており10人いればそのうち4人弱が肥満体です。とにかく大きな人が多い環境で、このあたりの人々と同じようなライフスタイルを送っていれば、男女問わず自然と不健康レベルの体重オーバな体になってしまうのです。

体型はともかく、健康でいてほしいというのがわたしのゴールですが、30代半ばに突入した息子タローは、まわりを見渡すとかつてスリムで筋骨隆々だった友が時とともに豹変していく姿にかなり抵抗を感じ始めているようです。なんとかせねば……😱

「やっぱり、いつまでもクールな体型保って、動ける体を維持していたいからさ。ちゃんと運動して正しく食べないとね」

などと言い出すようになりました。ようやくわたしが言葉にはしなかったけど、意図していたことを理解してくれたようでシメシメなこの頃です。

わたしが食事を担当し、今のように運動をしている限り肥満になる心配はなくなりましたが、格闘技ゆえ今度は怪我をしないかとハラハラな母でもあります。😅





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yahoi /ライフエディター・エッセイスト
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