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Hint(まどろみ文庫)

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記事一覧

【随想】映画『悪魔のいけにえ』トビー・フーパー

【随想】映画『悪魔のいけにえ』トビー・フーパー

今更見ました。
世にも有名なレザーフェイスの出世作。
チェンソーマンの元ネタ。
50年も前の作品なのに、普通に怖い。
目が離せなかった。
何がどうなるか、分からない。
ヒッチハイクしてくる男の狂気。
話しの通じない人間の怖さがよく出ている。
なんだかリアルだ。
車を思いっきり叩くところとか
血で文字を書いて呪いの刻印をするとか。
普通に上手い。
肝心のレザーフェイスも
こういう感じだったんだ。

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【随想】小説『透明な螺旋』東野圭吾

【随想】小説『透明な螺旋』東野圭吾

『透明な螺旋』という小説を読んだ。
久々東野圭吾だ。
なんだろう。
知ってる土地がよく出てくるのでいつも他人事ではない感じがしてしまう。
ガリレオシリーズはちょっと苦手で
というよりドラマのイメージが強すぎてしまって
あまり読んできていなかったのだが
普通に面白かった。
ああ、いつもの東野圭吾だ。
ちゃんと、感動させられる。
どうして、こんなことができるのだろう。
しかも、まったく違うストーリーな

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【随想】映画『マイ・エレメント』ピーター・ソーン

【随想】映画『マイ・エレメント』ピーター・ソーン

エレメントシティは、火、水、風、土の4つのエレメントが共存する街。
火のエレメントであるエンバーの両親は、祖国の火の土地を災害で追われ、新天地を求めてエレメントシティに移住しました。
しかし、火のエレメントは他のエレメントたちから迫害され、下町のファイアタウンで生きることを余儀なくされます。
そこで父親は小さな店「ファイアプレイス」を開業し、エンバーを大切に育てながら地域に活気をもたらしました。

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【随想】映画『夢追いウサギ』マデリン・シャラフィアン

【随想】映画『夢追いウサギ』マデリン・シャラフィアン

最初なんのこっちゃわからなかった
セリフもないから
最後めでたしめでたしになった理由もわからなかった
他人の家と貫通していてそれでいいの?
理想のマイホーム作りたかったんじゃないの?
ご近所さんの家を見て自分の計画が恥ずかしいと思い
穴を掘って掘って掘るの早すぎるけど掘り続けたら水が出てきてしまって、みんなに迷惑かけて、でも、みんなが助けてくれて、ただただみんながいい人でしたという話なんじゃないの

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【随想】映画『2分の1の魔法』ダン・スカンロン

【随想】映画『2分の1の魔法』ダン・スカンロン

安心安全のピクサー
裏切りもなくいつのもピクサー話法
ちょっとシュレックっぽい?
ピクサーにとっては魔法使いという新しそうな題材なのに
まったくもって新しくない
結局描かれているのは兄弟愛や家族愛だからだ
車でもロボットでも魚でもいいのだ
じゃあなぜ今更魔法使いを?
この辺りがピクサーのネタギレ感を感じる
ピクサーの凄さは、ない世界を生み出すところにあった
映画を観終わった時、
その世界を愛さずに

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【随想】映画『インサイド・ヘッド2』ケルシー・マン

【随想】映画『インサイド・ヘッド2』ケルシー・マン

1が面白かったので、続編出るのは異論がないが
しかし続編というのはいつも不利なのは変わらない。
だって1のような驚きはないから。
もう世界観は知っている状態なので純粋に内容だけで
前作を上回らないといけないから。
上回らなくても単独でいい出来だったらいいのだろうけど
どうしても前作との比較は免れない。
でもピクサーの手にかかると2も3も面白いという
とんでもないことが当たり前のようになっている。

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【随想】映画『ソウルフル・ワールド』ピート・ドクター

【随想】映画『ソウルフル・ワールド』ピート・ドクター

コロナ禍で劇場公開が見送られ、配信限定となってしまったので、見たくても見れていなかった。
評判はものすごく良かったので、絶対見なくてはと思っていた。
もうあれから4年も経つのか。
いつでも見られるというのは、永久に見ないかもしれないと同義だった。
あとは、見るのがもったいないという変なジレンマ。
テーマがあまりにも刺さってしまうだろうし、とてつもなくハードルが上がっているのでそれを下回るのではない

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【随想】イベント『佐藤雅彦 トークイベント 「作り方を作る」』

【随想】イベント『佐藤雅彦 トークイベント 「作り方を作る」』

金曜の夜は、やはり疲れていて、万全ではなかった。
何よりまず、会場に辿り着けなくて焦る。
時間より早く駅についたはいいが、そこからナビが利かない。
駅がこう重層的になっていて、
Googleマップでは、自分が地上にいるのか地下にいるのか判別できないのだ。
駅構内の地図を見ても、なんだかさっぱり分からず
焦った末に
違うビルへと突っ込んでそこにいた守衛さんに道を尋ねる。
「ここに行きたいのですがどこ

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【随想】小説『プラスティック』井上夢人

【随想】小説『プラスティック』井上夢人

プラスティックという本を読んだ。
久々の井上夢人さん。
20年も前の作品らしい。
どんなことを書いてもネタバレになるが、ネタはだいぶ序盤の方から、分かってしまう。
ネタとタネって、近い言葉。
種明かしとネタバラシ。
まあそれはおいといて。
好きなタイプのミステリーなのだが、だいぶ序盤でネタがわかってしまった後の読み方が難しかった。
章が短いのでグイグイ読ませるし、まったく飽きはしないのだが、もう結

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【随想】映画『名探偵ピカチュウ』ロブ・レターマン

【随想】映画『名探偵ピカチュウ』ロブ・レターマン

集中して見ていなかったからか、よく分からなかった。なぜミュウツーはそんなまどろこっしいことを?ピカチュウとそのパートナーであるハリーがミュウツーを逃して、ハワードの陰謀を阻止しようとした。しかしハリーとピカチュウは逃げる途中で追手に車ごと吹き飛ばされる。そこをミュウツーが助ける。瀕死のハリーはミュウツーによって精神と肉体を分離され、精神はピカチュウに入れられる。そして、ミュウツーは記憶を失ったピカ

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【随想】ドラマ『海のはじまり』『スカイキャッスル』『笑うマトリョーシカ』

【随想】ドラマ『海のはじまり』『スカイキャッスル』『笑うマトリョーシカ』

海のはじまり

音楽が『いちばんすきな花』と同じすぎた。
ほぼ続編だ。
内容は全然違った。
過去と現在の行き来がシームレスなので
最初の方少し混乱した。
『踊る大捜査線』の再放送を見ていて
こちらはまったく回想とかないので
最近のドラマは結構回想が多いなと思った。
過去の因果が現在に影響を与えているというストーリーをよく見かける。
逆に回想が入らないドラマの方が新鮮だ。
事件は現場で起きてるんだb

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【随想】キングオブコント2024 ラブレターズに寄す

【随想】キングオブコント2024 ラブレターズに寄す

キングオブコント決勝。
多くの組を面白いと感じたが、ラブレターズのファーストステージのネタが心を打った。
もちろん笑ったのだが、ストーリーが上質な短編小説のようで素晴らしかった。

引きこもり息子を持つ家族の話。
息子の部屋着を洗濯する母は、息子に関わろうとしない父にイライラしている。
ヒステリーになった母は父に部屋着を投げつける。
父はイライラしながらその部屋着を拾い、母に手渡そうとすると、部屋

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【随想】小説『俺ではない炎上』浅倉秋成

【随想】小説『俺ではない炎上』浅倉秋成

いやー読んでよかった。中盤ちょっとページを繰る手が止まってしまったが、後半にかけて一気にアクセル全開で面白くなっていった。あまり聞いたことのない出版社(双葉文庫)から出ていて、本屋でも平積みされていなかったので、探し出すのに一苦労だった。最近文庫化されたばかりだから、しかも人気作家だし、平積みされてるだろうとたかを括って探していたのが悪かった。前作が角川から出ていたから、また大手出版社だろうと思い

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【随想】展覧会『空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン』

【随想】展覧会『空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン』

フォロン展を観に行きました。
面白かったです。
じっくり見たので、1時間半くらいかかりました。
@東京ステーションギャラリー。
フォロンの絵は、ポスターや画集などで見たことはありましたが、
本物の絵を見たことはありませんでした。
全体的な感想としては、
とてもピュアでわかりやすい人だなと思いました。
もちろんいい意味です。
コンセプチュアルで難解なアートではない。
でも、かといってジャンクな粗悪品

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