雑感記録(34)
【我が青春への陶酔】
昨日、私事で非常に恐縮なのですが誕生日を迎え26歳となりました。3連休ということもあって、自分の好きなことを思いっきりやろうと思い、金曜日の夜に大学時代の友人宅へ突撃し、図々しくも泊まらせてもらい昨日1日僕のやりたいことに無理矢理、付き合わせてしまいました。久々に友人と一緒に遊びたかったこともありますが、とにかく本やら映画やら芸術全般についてアツく話したかったということが1番大きかったかもしれません。
しかし、昨日は本当に朝から晩までしこたま東京都内を闊歩して、足がパンパンでした。移動距離も多かったこともありますし、重い荷物を抱えたまま移動していたことが大きかったように思います。それでも凄く愉しかった。身体的にはしんどかったけれども、精神的にはずっと120%ぐらいの状態で本当に楽しかった。そこで今日はその道中での話を少し書いてみたいと思います。お付き合い頂ければ幸いです。
(1)スイス プチ・パレ展
朝から精力的に活動しようということで、損保美術館へ行ってきました。実に4年ぶりでした。その時にはターナーを見に行ったのをよく覚えています。こんなビル群の中に美術館があるのか!?という驚きがありましたし、企業が美術館を所有しているということに驚きもしました。
それでこのスイスプチ・パレ展へ行ってきた訳ですが、これが非常に良かった。印象派からフォーヴィズム、そしてキュビスム等々様々な作品が展示されていました。その中で僕が非常に感銘を受けた作品がありました。それがテオフィル=アレクサンドル・スタンランの『2人のパリジェンヌ』と『純愛』という作品でした。
写真に撮ることが叶わず、またポストカード等もなく手元で見返すことが出来ないことが非常に残念なのですがこれらの作品が僕の心を揺さぶったのです。何と表現すればいいのか分からないのですが、この2つの絵が並んであったのですが僕は個人的にこの並んで展示されているのがいいなと感じました。実際に見て頂けるといいのですが、この2つの絵がどこか繋がっていると感じました。技法やら雰囲気ということではなくて、その描かれているものが地続きになっている感じがしました。
単純に絵のタッチも好きなんですが、そういったところでも僕は良い作品だなと感じました。やはり美術作品に触れること程愉しいものはない。ゴッホの『ひまわり』も見ましたが、これは正直あまりピンと来るものがありませんでした。勿論、作品自体は良かったと思います。
(2)神保町古書店街
損保美術館でスイス プチ・パレ展を見終わったその足で神保町へ向かいました。しかし、まあ新宿でやたら歩いて…。都営新宿線で行くので駅まで歩くんですが、どうも駅の改札が歩いても歩いても見当たらない。いつまで歩くんだと無心で歩いて大体15分ぐらいですかね。ようやく改札に着いたと思ったら、改札をくぐってからもまだ歩く。東京人はすげえなと改めて思いました。
神保町駅についてもうお腹ペコペコで。友人と何食べるという話になったのですが、2人とも足は限界。とにかく座りたいという気持ちが勝っていたので「日乃屋カレーにするか!」と即決。少し豪勢にしようと思ってカツカレーにトッピングで生卵つけました。いや美味しかった…いつ食べてもやはりここのカレーはうまい。学生時代によく来たっけなあ…。
腹ごしらえをした後、古書店巡りスタート。購入するジャンルは目ぼしを付けていたので、行きたい書店目掛けて一直線。澤口書店、小宮山書店…。やはり愉しい。多くの本に囲まれて、多くの貴重な本に囲まれて、僕はなんて幸せな時間を過ごしたことでしょう。僕にとってこれほどまでに愉しいことがあるだろうかと。
真剣に都内近郊に住むことを検討してもいいのではないかと日々、強い思いを加速させています。本屋が無くなるのならこれも吝かではない。
(3)早稲田大学
神保町を巡った後、久々に通っていた大学へ行ってみるかとなって母校である早稲田大学へ行ってきました。多分、ここへ向かう時が何だかんだで1番ワクワクしていたかもしれません。
実際に行ってみるとやはり今までの記憶が、愉しかった記憶が一気に溢れ出てきました。友人と2人でキャンパスの中を休憩しながら巡った訳ですが、至る所にその記憶の残滓がある。それをまるで回収していくかの如く歩き回ったり、眺めたり実際に入れる施設には入ってみたりしました。
そこで友人と2人で色々と話をしました。仕事のことであったり、文学や芸術をすることは今の時代にとって必要なのか、何もしない(動かない)ことは悪なのか…等々様々なジャンルについて2,3時間話し込んでいました。本当にこの時間が愉しくて仕方がなかった。
それからもう1人友人と合流して、また大学構内を散策。1人加わるとまた別の凄く愉しかった記憶がまた押し寄せてくる。
この戸山の丘にスタバが出来ていて、外の机があるんですがそこで色々とまた話し込んで、今何してるだとか、それこそ想い出話をしたりと、種々雑多に話し込んだ訳です。
(4)青春への陶酔
大学時代の友人たちは僕にとって全力で好きなことを語れる人たちで、何と表現すればいいのかも分からないのですが、大真面目な馬鹿話をしてもそれ相応かそれ以上の返しがあって学ぶことが多いし、何より知的愉しさがそこにはある。勿論、真面目な話をしても自分が考えなかった多角的なところでの思考を与えてくれる。
話をしていて感じたのだけれど、あの頃と変わっていなくて僕は凄く嬉しかったんですね。社会人になって社会にもまれて、考え方や生活の質やら色んな事が状況的には変化していると思うんですね。それは少なくとも僕もそうだと思いますし、その友人たちもそうだと思います。
だけれども、対話して見えたことはあの頃と本質的な部分は変わっていないということ。そこが安心したというか、僕にはとにかく嬉しかった。色んな経験を積んでも僕が知っている友人たちがそこには居て、あの頃の記憶の中に居る友人と全く同じとは言えないけれども、それでも同じ姿が見える。
青春への陶酔。
よしなに。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?