雑感記録(276)
【真昼/夢の戯言集】
沈黙。その渦に今僕は居る。この場で発狂しようと書き出す。
そろそろ『現代日本の批評』の2冊目も読み終わる。
昨日も書いたけど、これらを読んでから凄くザワザワする。
怒り?哀しみ?苦しみ?
そういう感情とはまた別な感じだ。何だろう。
信じていること、当たり前であることが瓦解する瞬間。
それと似ている。テレビで流れる様々な土色を思い出す。14の時。
存在して「当たり前」だったもの。土台。あらゆる物事。
でも、いつか何事かにも終りはある。
僕にとってはこれがそうだったという話だ。
信仰というのは得てして不健康である。
そして美しく、儚い。夢だ。
だが、誰もタバコを美しいとは思わない。
その不健康性に美が宿る。僕はそう思っている。
寄生虫。ワーム。
次から次へと信仰の対象を切り替える。衛生的だ。
僕は信仰を捨て去るべき時なのかもしれない。健康体。
perspectiveと言う。なるほど。
果たしてこの世に知の巨人は存在するのか?
retrospective。僕の毎日。今どこ。
そういえば、僕は誰かの言葉に動かされている。
事後性とか現前性とか、何だか全てが夢。
夢の中で夢を食らう夢人。
形而上学?イデアなんか糞くらえ。どこにあるんだ。
歩けども歩けども、一向にイデアは見つからない。
昼休憩……………。
タバコを蒸かしにいつもの古本屋へ。
沈黙。ヘッドホンからRakim『It’s been a long time』が流れる。
しかし、まあ、僕には…。
様々な本が僕に向かって圧を掛けてくる。
だが、僕にはそんな言葉を持ちえないからと腰を引く。
古本屋を歩くと僕は矮小化する。
過去の渦、それが一斉にグワっと向かってくる。
ただ、その中で僕は1人沈黙を貫く。
そうして思い知らされる。僕に文章は書けない。
僕は不思議に思う。
僕は本を読めば読むほど小説を書く気が失せる。
だからどんな作家であれ宇宙人だ。いや、天才なんだろう。
心にある強い感情は爆発し、それは芸術に向かう。
「芸術は爆発だ」というけれども。
中間地帯は今は既に二分されている中で僕は創る気になれない。
天才は馬鹿と半紙1枚距てた仲良しこよし。
詩は良いなって思う。
僕が詩に傾倒しているのもそういうことなんだと思う。
マントルのさらに先へ。
全力の自慰行為。だが、それは今必要ではないか。
やっぱり詩が僕は好きなんだなと背中を向ける。
すると、僕の原点は『雨の降る品川駅』だった。
夢。これが全て夢ならばと願う。
今僕の接地面はどれぐらいだろう。
夢でもし逢えたら、夢でいま逢えたら。
難しい言葉を並べる。でも、意味なんてない。
難解な言葉は乏しい。中身の無い卵。綺麗そのもの。
だから小林秀雄は空っぽな感じがする。何が書いてあっても。
そして僕は最近、某映画評論家の重鎮にも思う。
そして…そして…僕の信仰は瓦解していく。
夢。
夢。という夢。
僕がここで語ることはフィクションである。
だが、この焼野原や瓦礫を僕はどうしようか。
そこが今後の僕の放浪読書。
僕は新芽を探す荒野の読書を始めよう。
よしなに。