友人Xの逆鱗。 (短編小説)
私には昔から仲の良い友人が一人だけいる。私にとって唯一の友人と言っても過言ではない存在である。
だが先日、そんな友人と一悶着あった。今回はその一件について書き記したいと思う。ここでは仮にその友人を「X」と呼ぶことにする。
Xはとても優しい日本の男である。言動や行動、雰囲気など全てが優しさに包まれており、怒った姿を一度も見たことがない。まさに優しさの権化のような存在である。
私は小学生の時、友人が一人もおらず少々寂しい思いを抱いていた。そんなときに、Xは唯一私に話しかけて