ホップ・ステップ・シャーラップ (超短編小説)
我が家の近所には、御年70ぐらいの少々近寄りがたいオーラを醸し出す、一人のおっちゃんが住んでいる。おっちゃんとは特別何か話したことはないが、たまにすれ違ったりすると軽く挨拶したりする感じの関係である。
そのおっちゃんが、たまに唐突に私に向かって言うのである。
「ホップ・ステップ・シャーラップ!!」と。
私はこの言葉に気圧される。それはそれは本当に気圧される。そうして毎度のごとく、ガクガク震えて地に膝がついてしまいそうなこの貧弱な足で、なんとかその場に立ち続けるのである。