
【祖国を憂う全ての諸君へ!】政治哲学考究 Ⅲ ジャン=ジャック・ルソーの思想とフランス革命について
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政治哲学考究シリーズまとめ
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「政治哲学考究 Ⅰ トーマス・ホッブズ『リヴァイアサン』と権利及び国家への憂い」(以下「第一稿」)に始った、『政治哲学考究』シリーズ。
第二弾(以下「第二稿」)では、ジョン・ロックに依る『Two Treatises of Government(統治二論又は市民政府論等と呼ばれる)』を扱った(「政治哲学考究 Ⅱ ジョン・ロック『統治二論(市民政府論)』と暴走する天賦人権説」)。
第三稿と成る本稿に於ては、近代政治の原点に為て最大の問題である「フランス革命」へと繋がる、ジャン=ジャック・ルソーの思想を扱いたいと思う。
参考文献と為て取上げるのは、ジャン=ジャック・ルソーの『社会契約論(Du Contrat Social ou Principes du droit politique)』と『人間不平等起源論(Discours sur l'origine et les fondements de l'inégalité parmi les hommes)』である。
『政治哲学考究』シリーズに就ての御説明を以下に記して置くが、前二稿と全く同じ文であるから、必要に応じて読み飛ばして貰って問題無い。
現代の政治を語る上で欠かす事のできないものは、「人権」や「自由」といった「リベラル・イデオロギー(リベラリズム)」であると言える。
本シリーズでは、此の「リベラリズム」について考えたい。
皆様御承知の通り近年のリベラリズムは暴走甚だしく、私は、我が国の永続は、過激化したラディカル・リベラリズムの克服無しには有り得ないと考える。
故にラディカル・リベラリズムを克服し、本来の意味での「自由」と「多様性」を自然に内包した在るべき大和の国へ戻る為の試論を問う事が、本シリーズの目的だ。
過去を検証し、今を検証し、「自由」を再定義し、「人権」を再定義し、「デモクラシー」を再定義し、世界を呑み込もうとする「グローバリズム」と失ってはならない「ナショナリズム」とを調整し、歪んだ外来イデオロギーの支配を脱し、固有の美しい国柄と『日本人』としての共同体を護るのである。
無論、私は若く、そして未熟である。
然し、若く未熟だからこその視点、気付く事のできる内容も有るものと信ずる。
そして、若く未熟だからという事は、我が国未曾有の危機にあって、「義勇公ニ奉」ず事無く、其の現実から逃げる事の言い訳になりはしない。
我が国の歴史と国柄、古来我が国に於いて育まれてきた民主主義の精神を表し、明治憲法制定の出発点となった五箇条の御誓文には、次のようにある。
一、廣ク會議ヲ興シ萬機公論ニ決スヘシ
一、上下心ヲ一ニシテ盛ニ經綸ヲ行フヘシ
一、官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス
一、舊來ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ
一、智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ
私は日本人として、「万機公論に決す(あらゆる重要な事柄を公の議論に依って決める)」べく筆を握る。
十七条の憲法にも「一に曰く、和を以て貴しと為し、忤ふること無きを宗とせよ」に続いて「上和ぎ下睦びて、事を論うに諧うときは、すなわち事理おのずから通ず。何事か成らざらん」とある通り、我が国に於いて「上下が心を一にして議論し、道理に適った結論を得る」というのは根本・根底の精神なのである。
私は日本人として、「上下心を一にして盛んに経綸を行う(身分に関わらず心を一つにして国家を治める)」べく、若く未熟な「下」の立場から国家論を提起する。
私は日本人として、「庶民」でありながらも、「強く美しく背骨が通り、幸せを感じ愛せる日本を再興する」という「其の志を遂げ」るべく公論を興おこす。
私は日本人として、近代ヨーロッパに始まる「旧来の陋習を破り」、「天地の公道に基づく」国家を取り戻すべく言葉を紡ぐ。
私は日本人として、我が国のみならず「世界」にも「智識」を求め、『天皇』を戴く我が国の基礎を「大いに」「振起」すべく学び、そして綴る。
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ジャン=ジャック・ルソー(一七一二~一七七八)は、当時フランス王国にもスイス連邦にも属して居なかった「ジュネーヴ共和国」に生れ、主にフランスに於て活躍為たものの、「ジュネーヴ市民 ジャン=ジャック・ルソー」と名乗って居た思想家である。
『社会契約論/ジュネーヴ草稿』の表紙(ブックカバー)には、次の様に。
フランスの思想家。スイスのジュネーヴで時計職人の息子として生まれる。16歳でカトリックに改宗。家庭教師等をしながら各地を放浪し、大使秘書を経て、37歳で応募したアカデミーの懸賞論文『学問芸術論』が栄冠を獲得。意欲的な著作活動を始める。本書『人間不平等起源論』と『社会契約論』で人民に主権があると主張し、その思想はのちのフランス革命を導くこととなった。主著に『新エロイーズ』『エミール』『告白』など。
ジャン=ジャック・ルソー 著 中山元 訳 光文社古典新訳文庫
ルソーは故郷であるジュネーヴ共和国を理想国家に最も近いと見做して居た様であるが、従来のキリスト教的世界観や王権神授説を否定為たルソーは著作を発禁・焚書に処され、逮捕令迄発された為に、亡命生活を余儀無く為れたと言う。
ルソーの思想はフランス革命に於て聖典の如く扱われ、終いには革命の功労者と為て栄誉の殿堂パンテオン(パリ)に合祀為れ迄為るが、フランス革命の開始はルソーの死から十一年後の事であり、ルソーは終ぞ、思想を認められる事無く生涯の幕を閉じた。
前稿に於て扱ったジョン・ロックの思想の系譜がジャン=ジャック・ルソーへと受継がれ、其のジャン=ジャック・ルソーの思想がフランス革命へと繋がった。
そして、ロック、ルソーの思想は、近代政治の根底に据えられ、吟味も再検証も経る事無く今に至る。
フランス革命は1789年7月14日、バスティーユ牢獄の襲撃に始り、暴力的虐殺の大混乱が何年も続いた地獄の惨禍である。
前二稿に於て何度も述べた事であるが、此の様な血塗ろの暴力革命から誕生為た「人権」思想は「劇薬」以外の何物でも無く、用法用量を守らねば身体を壊し、気を抜けば死に至る事は当然なのである。
其の「薬」の側面に許り目を奪われ、ラムネ菓子か何かと勘違い為て口から鼻から尻から際限無く食い散かし、「毒」と成る側面から目を背け続けて来た先進諸国の現状は、正に「薬も過ぎれば毒となる」の状態であると言えるだろう。
我が国に日本国憲法を強制インストール為て "人権" 思想を押付けた米国に於ては、暴走為るリベラリズム・wokeismに対する「常識革命」をトランプ大統領が断行為るのであると言う。
Today, I will sign a series of historic executive orders. With these actions, we will begin the complete restoration of America and the revolution of common sense. It’s all about common sense.
|朝日新聞(2025年1月21日)
(https://www.asahi.com/articles/AST1P14QMT1PDIFI005M.html?iref=pc_photo_gallery_breadcrumb)
本日、私は一連の歴史的な大統領令に署名為る。此れ等の措置に依り、我々は米国の完全な回復と常識の革命を開始為る。全ては常識に尽きる 。
さあ、我が国も「常識」に還ろう。
無論、独立宣言に「We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness.(我々は、全ての人は平等に造られ、創造主に依って特定の譲る事の出来ない権利を与えられて居り、其の権利の中に生命、自由及び幸福の追求がある事、此れ等の真理を自明の事と信ずる。)」とある、「人権」イデオロギーが据えられた米国と、我が国が還る可き「常識」は違うだろう。
そして、我が国に於る 反革命的思想革命である 「常識革命」は、米国のトランプ大統領が主導為て呉れる訳では無いし、そうで在る可きでも無い。
我々日本人が、我々日本人に依る、我々日本人の為の「常識革命」を、我々自身の手に依って起さねばならないのである。
我々の先人は、還る可き「常識」の標を多く遺して下さった。
神武建国の精神
八紘を掩ひて宇と為む。
十七条の憲法
和を以て貴しと為し、忤ふること無きを宗とせよ。
上和ぎ下睦びて、事を論うに諧うときは、すなわち事理おのずから通ず。何事か成らざらん。
五箇条の御誓文
一、廣ク會議ヲ興シ萬機公論ニ決スヘシ
一、上下心ヲ一ニシテ盛ニ經綸ヲ行フヘシ
一、官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス
一、舊來ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ
一、智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ
教育勅語
爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ德器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮󠄁ノ皇運ヲ扶翼スヘシ
新日本建設ニ関スル詔書
茲ニ新年ヲ迎フ。顧ミレバ明治天皇明治ノ初国是トシテ五箇条ノ御誓文ヲ下シ給ヘリ。曰ク、
一、広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スヘシ
一、上下心ヲ一ニシテ盛ニ経綸ヲ行フヘシ
一、官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメンコトヲ要ス
一、旧来ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ
一、智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ
叡旨公明正大、又何ヲカ加ヘン。朕ハ茲ニ誓ヲ新ニシテ国運ヲ開カント欲ス。須ラク此ノ御趣旨ニ則リ、旧来ノ陋習ヲ去リ、民意ヲ暢達シ、官民拳ゲテ平和主義ニ徹シ、教養豊カニ文化ヲ築キ、以テ民生ノ向上ヲ図リ、新日本ヲ建設スベシ。
和を以て貴しと為し、八紘を掩ひて宇と為す我が国は、上和ぎ下睦びて事を論い、萬機公論に決する国なのである。
特定のイデオロギーが天地の公道に基かぬ方法に依って実質的上位に君臨し、上和ぎ下睦ぶ事無く異論を排すのでは無く、恭儉己れを持し博愛衆に及ぼす、道義と自由との調和為た国なのである。
今を生きる我々は、恭儉の心を持して居るか、博愛を大衆に及ぼす可く努めて居るか、学を修め智能を啓発為可く研鑽為て居るか、徳器の成就を期して居るか、公益を広める可く励んで居るか。
我々は一度、先人の積み重て来た叡智たる「常識」に立返る可きである。
此の論稿は、其の為の一つに外ならない。
現在の我が国に於ては、ラディカル・リベラリズムの訴える、際限無き「人権」「自由」許りが注目為れ、「人権」や「自由」とは抑々何であるかの議論や、曖昧な概念の危さに就ての議論が軽視為れて居る。
私の読解は未熟であるかも知れないが、持ち得る全力を尽し、今此の外来イデオロギーに揺れる我が国の未来の為に、『政治哲学考究 Ⅲ ジャン=ジャック・ルソーの思想とフランス革命について』を皆様に問いたい。
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先ずは、『人間不平等起源論』(2008年8月20日初版第1刷発行『人間不平等起源論』著者 ルソー 訳者 中山元 光文社古典新訳文庫)を基に、ルソーの思想の根底を解明かす事から始めよう。
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