マガジンのカバー画像

読書note

32
運営しているクリエイター

#自分

【読書noteNo.23 「事務」は目標達成するために必要な技術かもしれない。坂口恭平『生きのびるための事務』】

【読書noteNo.23 「事務」は目標達成するために必要な技術かもしれない。坂口恭平『生きのびるための事務』】

フォロワーさんの一人であるshogoさんが、
今回紹介する本を取り上げており、「面白そうだな~」と思い、早速買って読んでみた。

「事務」というと、地味なイメージしか今まで持っていなかったし、いいイメージが沸かなかった。なぜなら、「事務的」な対応だよね~みたいなイメージでしか、「事務」を捉えていなかったからだ。

しかし、この本を読んで、《事務》は、今の自分が目標を達成するのに必要な技術であること

もっとみる
【読書noteNo.21 人間って、こんなに脆い生き物なのか 坂口安吾 『白痴』】

【読書noteNo.21 人間って、こんなに脆い生き物なのか 坂口安吾 『白痴』】

8月のはじめ、『堕落論』を取り上げた。

その勢いで、『白痴』を読もうと思ったが、岡崎京子にハマってしまい、だいぶ間が空いてしまった。そして、やっと読み終わったので、感動が覚めないうちに感想を書いていこうと思う。

この作品を読んでて、以下の文章に惹かれた。少し長い文章だが、引用してみる。

絶望的な状況の中、人間の焼かれた死体を焼鳥と表現するところに、安吾の逞しさを感じる。

もし、仮に自分が同

もっとみる
【読書noteNo.20  生きる意味って見いだす必要ってあるの? 岡崎京子『リバーズ・エッジ』】

【読書noteNo.20 生きる意味って見いだす必要ってあるの? 岡崎京子『リバーズ・エッジ』】

前回、こちらの記事で「仕事に意味はあるのか」を考える上で、参考になる漫画として岡崎京子の『pink』を取り上げました。

上の記事で、「仕事は生活を維持する上で必要なアクティビティ程度と普段は捉えて、自分が心の底から欲しいモノに出会ったら、それのために頑張って働く方がいいのでは?」と書きました。仕事に意味を見いださなくてもいいのでは?というのが私の持論です。

今回も、全く同じです。

「なぜ、生

もっとみる
【読書noteNo.18  坂口安吾『堕落論』を読めば、人生はもっと生きやすくなる】

【読書noteNo.18 坂口安吾『堕落論』を読めば、人生はもっと生きやすくなる】

毎年、このクソ暑い時期になると読みたくなる本があります。それが、今回紹介する本『堕落論』です。

発表されたのは、1946年。
日本が戦争に敗北した年の翌年に発表された本です。

この本を読むと、思うことがあります。

美徳・常識・道徳ほど、人を縛り付けるものはないよな。敗戦後の日本人は、今まで自分が信じてきた美徳・常識・道徳がこんなにも呆気ないものと分かった時どういう気持ちだったんだろう…。

もっとみる
「自分」というものは存在しない-『唯識の思想』から学んだこと

「自分」というものは存在しない-『唯識の思想』から学んだこと

「自分」とは何だろうか?

こういった悩みを抱えている人は少なくない、と思う。

勿論、私もその一人だ。

今回紹介する『唯識(ゆいしき)の思想』を紐解くと、「自分」というものはない、と一刀両断する。

それなのに、「自分」という実体のないものに私達は悩んでいる。

では、その悩みからどうすれば解放されるのか?

本題に入る前に、唯識の定義を簡単に説明しよう。

唯識とは、「唯(た)だ識(しき)、

もっとみる
哲学とは何か?

哲学とは何か?

今回は、こちらの本を紹介する。

哲学に関する本を無性に読みたくなり、家の本棚にあったこの本を再読した。

そして、自分なりに哲学とは何かを確かめる事ができた。

著者は次のようにいう。

人生とは、○○であるべき……

成功するには、○○すべき…

ネットを見れば、こういった意見がたくさんあるが、これらの主張も本当にそうか?と疑う姿勢が大事なんだな。

「人生がラクになれる哲学」や「幸せになれる

もっとみる
「読む」ことを学ぶ~「『コーラン』を読む」評

「読む」ことを学ぶ~「『コーラン』を読む」評

この本の内容を紹介する前に、コーランってどんな本なのかを簡単に書いておく。

正式名称は、クルアーン。

イスラム教の信徒が、声に出して読むべき
聖典(その宗教の教えなどを記した書物)を意味する。

以下の冒頭箇所を、400ページに渡って丹念に読み解いていくのが、この本の主な内容だ。

実は、この冒頭部分に『コーラン』自体のエッセンス(本質)が含まれている。

つまり、一番重要な部分である。

もっとみる