小宮哲男@不真面目を真面目に。

会計事務所勤務。既婚。 本はゆっくり読む派。谷崎潤一郎やボードレールといった退廃的な世界を描く作家が好き。三宅さんの『人生を狂わす名著50』を読んで、幅広いジャンルの本を扱った書評を書こうと決意。【映画note】と【藝術note】再開。

小宮哲男@不真面目を真面目に。

会計事務所勤務。既婚。 本はゆっくり読む派。谷崎潤一郎やボードレールといった退廃的な世界を描く作家が好き。三宅さんの『人生を狂わす名著50』を読んで、幅広いジャンルの本を扱った書評を書こうと決意。【映画note】と【藝術note】再開。

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改名に伴い、改めて自己紹介

はじめましての方、最近フォローして頂いた方に向けて書きます。(以前、フォローして頂いた方もぜひ読んで下さい。) この一つの前は、「ひー坊」という名前で、本に関するエッセイや読書感想文を書いていました。 6月から、【読書note】、【映画note】、【藝術note】を始めました。 けっこうしんどかったので、7月からは【読書note】一本に絞りました。 そして、書評一本に絞ったことだし、この際だから、名前も変えようかな~と思って、 「小宮哲男」と変えました。 30過ぎて

    • 【映画noteNo.4 人が人らしく生きるって何なんだろう『わたしは、ダニエルブレイク』(2016年)】監督 :ケン・ローチ ※ネタバレあり

      イギリスの北東部ニューカッスルで大工として働くダニエル・ブレイク(ディヴ・ジョーンズ)。心臓の病を患い医者から仕事を止められる。国の援助を受けようとするが、複雑な制度が立ちふさがり、役所ではたらい回しにされてしまう。そんなダニエルが、自分と同じように役所でぞんざいな扱いを受けているシングルマザーのケィテイ(ヘイリー・スクワイアーズ)と二人の子供の家族を助け、交流が生まれていく物語。物語の終盤になって、ケィテイの助けを得て、ようやくまともな福祉を受けるための申し立てができるよう

      • 【藝術noteNo.2 負の感情を大事にすることは間違っていなかった『ルイーズ・ブルジョワ展』】

        先日、こんなnoteを投稿した。 この記事を書いてから、嫉妬だけでなく、怒り、悲しみといった負の感情が出てきた時、「負の感情よ、こんにちは。上手く付き合ってあげますよ…」と考えられるようになった。 そして、今回紹介する展覧会に行ってきて、「負の感情を大事にすることは間違っていなかったんだ。」とようやく確信を持てるようになった。 ルイーズ・ブルジョワってどんな人? このアーティスト、最近まで全く知りませんでした。 フランス・パリの※タペストリーの商業画廊とパリ郊外に修

        • 【映画noteNo.3自分を見失うな『ファイトクラブ』※ネタバレなし】

          監督:デヴィッド・フィンチャー 出演俳優:エドワード・ノートン ブラッド・ピッド 視聴方法:Amazonprimeにて(時期によって観られない可能性があります。) もう、お手上げである。ぐうの音も出なかった。その通りでございます。(私の場合は、"情報"です。) 不眠症に悩む若きエリートのジャック(エドワード・ノートン)が、謎の男タイラー(ブラッド・ピット)と出会った事で、ジャックの空虚な生活が一変していく物語。映画の後半に、このタイラーの正体が明らかにされるが、「え!マ

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        • お金の話~『給与明細』編
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        • 書く習慣1ヶ月チャレンジnote 25日目~30日目
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        • 書く習慣1ヶ月チャレンジnote 19日目~24日目
          6本

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          【読書noteNo.30読書はゆっくり読むのが一番だ『新しい文学のために』】

          最近、本の読み方が雑だ。 noteに早く投稿しなきゃ そんな焦りの気持ちが出ているからだ。 以前、スロー・リーダー(遅読家)という肩書を掲げた。 しかし、最近は全く本をゆっくり味わっていなかったが、本はゆっく読むのが一番だよな、と考え直した本に出会った。 一つ一つの言葉に意識をすることで、読書はもっと楽しめるし、そのために読書はゆっくり読む必要があるなと思う。 最近の私といえば、noteに早く投稿しなきゃ、という気持ちが先行してしまったが、この本に書かれている次の

          【読書noteNo.30読書はゆっくり読むのが一番だ『新しい文学のために』】

          【読書noteNo.29 嫉妬は人を成長させる原動力だ 漫画 『プライド』】

          私には、嫉妬という感情が昔からない。 元々、他人に興味・関心がないという性格が原因だと思う。「嫉妬なんて持つなんて、みっともない」とさえ思っていた。 しかし、今日紹介する漫画を読み終えて、嫉妬についての捉え方が大きく変わった。 嫉妬って人を成長させる原動力だよな 負の感情の一つといわれる嫉妬。 この感情を、自分の成長のために使えば、こんなに素晴らしいものはないじゃないか、とさえ思うようになった。 他人によく嫉妬ばかりしていると悩んでいる人に、ぜひオススメしたい漫画

          【読書noteNo.29 嫉妬は人を成長させる原動力だ 漫画 『プライド』】

          【9月に読んだ本 】

          1.『文学とは何か』(上)(下)テリー・イーグルトン著 文学理論と聞くだけで、アレルギー反応がでていましたが、この本を読んで、理解しようと思えば理解できるんだ!と思わせてくれた本。 2.『もものかんづめ』さくらももこ著 「ちびまる子ちゃん」で有名な著者のエッセイデビュー作。抱腹絶倒とは、この事かと思わせる、笑いが止まらないエッセイ。 3.『パリの憂鬱』ボードレール著 新訳で読みました。読みやすい翻訳だけでなく、全ての詩について、解説もあって助かりました。ボードレール

          【読書noteNo.28 何でもかんでも「意味」を求めればいいもんじゃない。『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』】

          これまで、自分が知らなかったものに出会った時、「これはこういう意味だろう」と、何でもかんでも「意味」を求めようとしていた。 そう、「意味」を求めないと、気持ちが悪かったのだ。冒頭の文章を読んで、モヤモヤに対しての寛容さを自分は失なってきているぞと考えてしまった。 「分からない」ものは、「分からない」ままでいいじゃないか。無理やり「意味」を見いださなくていいんだよな、と読み終えて思ったことだ。 今回、紹介する本は、何でもかんでも「意味」を求めるのに疲れた人にぜひ読んでもら

          【読書noteNo.28 何でもかんでも「意味」を求めればいいもんじゃない。『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』】

          【読書noteNo.27自分が知らないキモい感情を知るために、文章を書き続けるのだ 『書けないんじゃない、考えていないだけ。』】

          なぜ自分は文章をこれまで書いてきたか が、この本に出会って分かった。 自分はキモくなりたかったんだ…… 去年読んだ『勉強の哲学』を読んでから、勉強に対する考え方が、自己成長とかくだらない目的から、キモくなるために自分は勉強するんだ!とキモさを積極的に受け入れるようになった。これが、まずキモさの第一関門の通過だった。 しかし、である。 文章となると、全く違っていた。 当り障りのない文章になっていたのだ。 最近の書評でも、この文章だったらウケるかな~と下心丸出しな気持

          【読書noteNo.27自分が知らないキモい感情を知るために、文章を書き続けるのだ 『書けないんじゃない、考えていないだけ。』】

          【読書noteNo.26 孤独を肯定してくれたアナタに感謝をしたい。『巴里の憂鬱』】

          拝啓 シャルル・ボードレール様 おそらく、この手紙はアナタに読まれることはないでしょう。 なぜなら、1867年には亡くなっているから。 それでも、手紙を書いたのは、アナタが今の私が悩んでいることを肯定してくれたのと、 そんなアナタに感謝の気持ちを伝えたかったからです。 では、私の悩みとは何か? それを書いていこうと思います。 孤独を愛することは、悪いことではなかったと胸を張れるようになった 30代に突入した今、20代ほど悩むことはなくなりました。 まぁ、世間っ

          【読書noteNo.26 孤独を肯定してくれたアナタに感謝をしたい。『巴里の憂鬱』】

          【読書noteNo.25 こんなに笑ったエッセイは、はじめてかもしれない。『もものかんづめ』】

          先日YouTubeを見てたら、面白い動画に出会った。今、話題になっている元AKB48の福留光帆ちゃん。 私自身、アイドルはあまり興味はない。 というより、皆同じ顔に見える、というオジサン現象にすでに陥っている。 でも、この子は結構好き。 頭の回転が速く、話が面白いから。 どうしたら、そんな答えが思い浮かぶのか? と、いつも驚かされている。 ホントに20代なのか。 人生二周目のような回答を、マシンガンのようにぶっ放している。 そんな彼女がオススメしていた本が、

          【読書noteNo.25 こんなに笑ったエッセイは、はじめてかもしれない。『もものかんづめ』】

          【読書noteNo.24 「文学理論」アレルギーをなくしてくれた本に出会ってしまった。『文学とは何か』】

          去年の7月に、この本を取り上げた記事を書いた。 作中で、次のように書いてある。 作品を分析できるようになるには、「批評理論を学ばないといけないのか~。」と思って、何冊か批評理論の本を読んでみた。 しかし、どれも理解ができなかった。 難しすぎる・・・・・。 その結果、「自分が楽しく読めれば、批評理論なんか学ぶ必要はない」と言い訳をして、批評理論からは遠ざかっていた。 完全にアレルギー症状が出ていた。 自分にはご縁がないものとして、理解を諦めていた批評理論。 しば

          【読書noteNo.24 「文学理論」アレルギーをなくしてくれた本に出会ってしまった。『文学とは何か』】

          【8月に読んだ本】

          1.『堕落論』坂口安吾著 戦争に負けたから堕ちるのではないのだ。人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるんだ。 薄っぺらい自己啓発本を読むぐらいなら、この本をオススメします。なんか生きづらいな~と思っている人には、安吾の文章は刺さります。 2.『pink』岡崎京子著 7月に取りあげた『ヘルタースケルター』の作者による作品。物欲のカタマリといわれるOL兼ホテトル嬢ユミコが主人公。欲しいモノは手にいれる…坂口安吾にどこか通じるものがあると思います。 3.『リバーズ

          【読書noteNo.23 「事務」は目標達成するために必要な技術かもしれない。坂口恭平『生きのびるための事務』】

          フォロワーさんの一人であるshogoさんが、 今回紹介する本を取り上げており、「面白そうだな~」と思い、早速買って読んでみた。 「事務」というと、地味なイメージしか今まで持っていなかったし、いいイメージが沸かなかった。なぜなら、「事務的」な対応だよね~みたいなイメージでしか、「事務」を捉えていなかったからだ。 しかし、この本を読んで、《事務》は、今の自分が目標を達成するのに必要な技術であることを学んだ。 《事務》とは抽象的なイメージを数字や文字に置き換えて、《具体的な値

          【読書noteNo.23 「事務」は目標達成するために必要な技術かもしれない。坂口恭平『生きのびるための事務』】

          【読書noteNo.22 今まで読んだことのないブックガイドに出会ってしまった…三宅香帆『人生を狂わす名著50』】

          本は、面白いから読むものですよ~ って言ってくれるだろうな、と期待していた。 しかしである。 出だしから、いい意味で裏切られた。 戦闘モード剥き出しの文章で笑ってしまった。 読書は戦い でも、この言葉に嘘はない。 断言できる。 だって、本を読むことで、自分が今まで当たり前だと思っていた価値観が、音をたてて崩れるなんてことは、実際に最近あったから。 坂口安吾の『堕落論』を読んでから、「道徳や制度は、確かに大事だけど、それに縛られたら人生窮屈だよな」って考えにシ

          【読書noteNo.22 今まで読んだことのないブックガイドに出会ってしまった…三宅香帆『人生を狂わす名著50』】

          【読書noteNo.21 人間って、こんなに脆い生き物なのか 坂口安吾 『白痴』】

          8月のはじめ、『堕落論』を取り上げた。 その勢いで、『白痴』を読もうと思ったが、岡崎京子にハマってしまい、だいぶ間が空いてしまった。そして、やっと読み終わったので、感動が覚めないうちに感想を書いていこうと思う。 この作品を読んでて、以下の文章に惹かれた。少し長い文章だが、引用してみる。 絶望的な状況の中、人間の焼かれた死体を焼鳥と表現するところに、安吾の逞しさを感じる。 もし、仮に自分が同じような状況つまり、爆撃を受けてしまい、辺り一面が焼け野原の状況に置かれた事を考

          【読書noteNo.21 人間って、こんなに脆い生き物なのか 坂口安吾 『白痴』】