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小磯通信 現代短歌部

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小磯通信で投稿した短歌をまとめています。
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記事一覧

愛の短歌(讃歌) 10首


好きだから
一緒にいたいと
思うのは
エゴですか

勝手でしょうか


あなたには
愛する私が
いるから
スマホはいらない
ここに居ればいい


「けど、それも愛」
だと今まで思ってて、

涙を拭いて、
また大人になる。


「腹が立つ」
それはあなたに
期待した
未熟で若い
昔のわたし


もう少し遊んでいたい
午前二時
布団を出たくない
午前七時

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生きている短歌(10首)


さあどうだ
行くも
帰るも
自分次第
これからの生を
如何に使わん


一度きり
刹那に散りゆくも
いいさ
紛れない
「今」を
感じながら


「運が悪けりゃ死ぬだけさ」
また明日も
そう言いながら
生きていくのさ


大好きな
歌を歌おう
公園で
下手くそだって
かまわないから


将来も
何も得てない
僕だから
つくれる歌を
歌っていきたい


宵の更け
漆黒に揺れる

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冬のある日の短歌(10首)


スマホから
顔上げ慌て
飛び降りた
そこは
最寄りの隣の駅さ


館内を
出た後も続く
ストーリー
映写機になった
僕の目が映す


雨道で
傘をステッキに
ステップを
踏みたくなるのは
映画のせいかな


ネオン街
曲がった
地下の小舞台
夢見る彼女は
命を燃やす


新しい
喫茶店探し
街歩き
それが密かな
冬の楽しみ


街を行く
体も心も
財布まで
寒い背中を
風が吹きゆく

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恋と短歌(10首)


昔嫌いだった
ラブソングを聴く
スキップなんか
しちゃったりして


酔いさましがてら
押してる自転車が
君とちょうど良い距離を保つ


夕暮れに
火照る体
灯を消した
その温もりを
感じるために


今日
明日
明後日
明々後日
1日ずつ紡いでく
僕たちの日々


イヤホンのコード
を伝って
僕の耳
だけに
一足早いクリスマス


急に
寒くなったら
ちょっぴり
不安で
あなたに

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さらにさらに短歌


瞬間の快楽
のため

肝臓を
悪魔
に差し出す

21歳


週末の
眠らぬ街の どん底で

踊り狂って 朝を迎えた


今日の日を

受け入れたくはないけれど

明日に進むため
捧げる一杯

(あとがき)
読んでください。
これからもいっぱい作ります。

2019/11/12 ケビーン

そうはいっても短歌



昼に起き

1日潰した気になって

今日を諦め

布団をかぶる


尊厳を
失うばかりの
日々があり

人間になる
努力をしている


「本当の愛」
を求めて
わからずに
「True Love」
を聴き込んでいる

(あとがき)
久しぶりに短歌を投稿しました。
趣向を凝らしてみたので、是非読んでね。

2019.10.28 ケビン

你好(ニイハオ)・短歌

短歌6首

祈りでは足りず 涙を流す夜
あなたも同じ月を見ている

「譲る」の言葉の意味を考えながら
それを眺めて 握るつり革

宵(酔い)更けに 友の本性垣間見て
驚き半分 ガッカリ半分

睡魔と闘いながら握るページから
逃げてく文字に 追いつけぬ僕

寝不足の瞳が疲労を伝えても
タイプやめられぬ 4回の冬

読み終わり 筆者が僕に語りかけ
君は誰なのか 何して生きる

(あとがき)
短歌を作り

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オータム短歌

オータム短歌

心の悪魔に襲われ 家を飛び出し
季節が変わっていたことを知る

宙ぶらりんな自分はソーダかグレープか
すら選べない 自販機の前

街の灯が 一番綺麗に見えるのが
あの坂だから 君も行こうよ

(あとがき)
最近は風が強くなってきて、あっという間に秋が近づいてきたように感じます。
私は季節の変わり目には、体調を崩すことがしばしばあります。
夏の疲れもそろそろ出始めてくる頃だと思います。
皆様も体調に

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始まります短歌

哀愁を 暑さに垣間見たならば
セミの声すら 惜しくなるのか

僕のいる 道はどこにもつながっていると
気づいて また歩き出す

踏み外し 道から逸れた人生も
文字に変わって 趣となる

(あとがき)
9月に入りました。
まだまだ暑い日が続いていますが、朝晩の涼しさからは、秋の始まりがチラリと見えてきているのではないでしょうか。
今回のテーマは「スタート」となっています。
秋のスタートを存分に味わい

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ご無沙汰してます短歌

花火の音も止んだこの頃はいつも
取り残されたあの日を暮らす

縁取られ笑うあなたはお星さま
さっき空から帰ったんだよね

知っている匂いに気づき振り返り
誰もいなくて涙が溢れた

(あとがき)

ご無沙汰しています。
まだまだ暑く汗がにじみますが、夏の終わりを意識し始める頃ではないでしょうか。
お盆に実家に帰省して、田んぼに囲まれたあの家で畳の匂いと風鈴の音を思い出しながら書きました。

(20

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こんばんわ短歌

横並び泳ぐ水中は冷たく
息継ぐ横目に沈む人見る

朝焼けの陽が眩しくて悲しくて
夜の欠片を探してしまう

瞳はとうに光を捉えないのだ
だから残酷さを喜び味わう

(あとがき)
実は毎回テーマや歌ごとのまとまりはなく、思いつけば書いているのでした。
苦しいときこそその苦しさを味わい、これが苦しみの味なのかと感慨にふけるのはどうでしょうか。
それも一つ生きるということではないでしょうか。
日々の失敗や

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こんにちは短歌

生まれ落つ小さな星に一粒の
痛みに悶え苦しみつつも

振り返り何度も何度も振り返り
いつかの道を ぐるぐるぐるり

信ずるは救われますか
どんぐりが坂を下るのをゆっくり眺め

(あとがき)
こんにちは。
遅めに入った梅雨はなかなか明けませんね。
以前は濡れるのが鬱陶しくて、雨の日が死ぬほど嫌いでしたが、最近はそうは思わなくなりました。
人は気持ちや考え方が、些細なことでも180度変わるので不思議で

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短夏

雨は枯れ でも夏は来なければいい
6月の夜 ぬるいアスファルト

汗ばんだ背中に恋が張り付いて
まぶしい季節の車輪が回る

豊かとは 私たちとは 未来とは
君は立つ地に 視線を落とす

(あとがき)
短歌を3つ作りました。
テーマは梅雨、夏、(資本主義)です。
本格的に梅雨を迎えて雨の日が続いていますが、この時期を乗り越えると夏になります。
腐っても汗ばんでも明日は来ます。
ですので明日に目を向け

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空は真っ赤で

雨粒を 少しこぼした 赤い空
あわてて駆け出す 痺れた腕で

リコーダーが少し聞こえる昼間には
珈琲が入るのを待ちわびる

寝過ごしたぐらいがちょうどいい日には
知らない街の知らないお店へ

小説はページをめくる催眠術
別の世界へ 私をいざなう

わたしには 足りないくらいがちょうどいい
満ち足る日待つ そのドキドキが

(あとがき)
短歌です。読んでください。

(2019.6.23 文:ケビン

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