- 運営しているクリエイター
記事一覧
「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」と寺山修司「幸福論」から学ぶ「他人を不幸にしない生き方」
はじめに 満員電車で疲れた自分が「極悪女王」の顔と重なる
疲れていた。帰りの満員電車で、つり革を持ちフラッとめまいがした。後ろに立っている人の肘に当たったらしい。次の瞬間、悪意の籠った強さで、肘で強く押し返された。
びっくりすると同時にイラっとした。衝動的な怒りとも言っていい。
私はときどき感情リテラシー(感情を客観的に言葉で表現し認識する能力)を失ってしまう。そこで一息ついて
「あゝこ
「アバウト・タイム」日常的タイムトラベル、トライアル&エラーのすすめ
①「今日が人生最後の一日だったら何をする?」の答えを探す「タイムトラベル」
「アバウトタイム」は、父親から代々受け継いだ「タイムトラベル」の能力を、21歳のティム(ドーナル・グリーソン)が使って、自分の恋愛の失敗や友人や家族の不幸な出来事を消そうと奮闘するラブコメディ。リチャード・カーティスの監督としての最後の作品。
リチャード・カーティスは、インタビューの中で、この映画は「今日が人生最後
「PERFECT DAYS」人を幸せにする持続可能なモノ作りの3つのヒント
「PERFECT DAYS」は、シンプルに楽しい至福の映画体験だった。
長年ヴィム・ヴェンダースの映画を観てきたが、これほどわかりやすく心に響いた映画はなかった。
私はこの映画からストレス社会から抜け出し、人を幸せにする持続可能なモノ作りの姿勢や楽しさを改めて教えられた。
①日常の観察から生まれる心の安定と優しいまなざしを持つ事
「PERFECT DAYS」はトイレ清掃作業員の日常が繰り
「82年生まれ、キム・ジヨン」顔のない小説と顔を持った行動の映画
1.顔のない小説、誰もが感じる危機感と喪失感
私は、好きな小説の場合、映画化は観たくない。映画化された作品を観てしまうと、読んで想像したイメージが、映画化されたイメージに上書きされて消えてしまう。これが困る。
本を読み返す度に、映画の演者たちの顔が浮かぶ。困る。「困る」なら観なければ良いのだが…。ときどき原作では良くわからなかった事が、ぱっと目の前に広がる事がある。
で、原作「82年生ま
「フィルムなつかしい」と言う学生達と繋がり表現の豊かさを持つ事
1.16ミリフィルム映画を「なつかしい」と言う学生たち
学生映画のある場面の撮影に使うために、16ミリフィルムの映写機を久しぶりに回した。映写機にかけたのは、20年以上昔の、10分ほどの学校を舞台にした短編映画だった。
デジタルネイティブで、4Kのクリアな映像にこだわるZ世代の彼らが、なぜか映像を見て「なつかしい」と言い始めた。
教室の別の場所では、別の班が別の映画製作の話し合いをしてい
侯孝賢監督が教えてくれた3つの事、それでも、人と世界を美しいと感じる事
侯孝賢監督が教えてくれた3つの事
侯孝賢監督の「冬冬の夏休み」「童年往時/時の流れ」「恋恋風塵」は私にとって大切な幼い頃の記憶と原風景につながる映画だ。
Yahoo!ニュースの記事を読み、侯孝賢監督が、アルツハイマー認知症で監督を引退した事を知った。
侯孝賢監督の「童年往時」を見て「こんな映画が撮りたい」と夢中になり、侯孝賢監督の作品を観てインタビューを読み、多くの事を学びたいと思っ