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美味しい北東北

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北東北の食に関する記事やつぶやきまとめ
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#食材

2日と1時間半かけて「干かすべ」から「かすべ煮(エイヒレの煮付け)」を炊く

2日と1時間半かけて「干かすべ」から「かすべ煮(エイヒレの煮付け)」を炊く

 関東地方に住んでいた頃、これまで当たり前に見てきた食材がスーパーに並んでおらず驚いたことは何度かあった。その中でも自分にとって筆頭と呼べるものがかすべだ。

 東北地方、または北海道や新潟県などに住んだ経験のある方は、スーパーの鮮魚コーナーに独特の形状を桃色の肉の塊が並んでいるのを見たことがあるだろう。

 かすべと呼ばれるこれの正体はエイの仲間のヒレの部分である。厳密に言えば、写真のものは皮を

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八戸の館鼻岸壁朝市で買った謎の「ヤマモモ」と産直ならではの出会いを愛でる

八戸の館鼻岸壁朝市で買った謎の「ヤマモモ」と産直ならではの出会いを愛でる

 一般的にヤマモモというと、漢字で楊梅と書かれることが多い鮮やかな赤い果実をつける植物を指すと思う。

 しかし青森県の三八地方 (※)ではお盆明けの短い時期に、同じく「ヤマモモ」の名で呼ばれる謎の果実が売られていることがある。

※ 八戸市を中心に、階上町や五戸町などの青森県南東部の地域

 今回この「ヤマモモ」を購入したのは、青森県八戸市で行われている館鼻岸壁朝市だ。

 館鼻岸壁朝市は毎週日

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マアナゴではないアナゴの「沖はも」を、広島の郷土料理のアプローチでうなぎの蒲焼に近づける

マアナゴではないアナゴの「沖はも」を、広島の郷土料理のアプローチでうなぎの蒲焼に近づける

 以前記事にした「沖はも」ことイラコアナゴは、主に北海道や東北地方の太平洋側で漁獲される深海魚であり、これらが漁獲される地域では缶詰などの加工品はもちろん、大衆魚として親しまれている魚だ。
 マアナゴの代用魚として扱われることも多い本種だが、脂が乗ったこってりとした身とねっとりとした独特の食感はマアナゴとはまた違う旨さがある。

 さて、この記事の投稿日の前日である2024年7月24日は土用の丑の

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ハモじゃない!マアナゴでもない!でも美味しい!「沖ハモ」の旨さを再確認する

ハモじゃない!マアナゴでもない!でも美味しい!「沖ハモ」の旨さを再確認する

 青森県や岩手県の魚屋では、時折「沖ハモ」と表記された細長い魚が開かれた状態で売られている。

 ハモは基本的に暖かい海で獲れるはずなのに、多くの場合表記されている「青森県産」または「岩手県産」の文字と、透明感のあるハモの身とは似ても似つかない真っ白い身からわかる通り、この魚はハモではない。
 この魚の正体はイラコアナゴという太平洋の深海に生息する魚だ。

※このイラコアナゴという名称については、

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チキンもいいけどきりたんぽ鍋もね

チキンもいいけどきりたんぽ鍋もね

 今週日曜日はクリスマスイブ。家族や恋人と過ごす方も多いだろう。
 そんな時、食卓に上がるものといえばなんだろう。

 ケーキ、勿論それも欠かせない。
 国によっては七面鳥だったり鯉だったりするのは承知の上で、一般的に日本のクリスマスの定番といえばチキンは欠かせないはずだ。

 そう、チキン。チキンである。

 チキンといえばそう。

 きりたんぽ鍋である。

 以前、秋田県の大館 (おおだて)

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