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知っている?介護保険制度の改正!〜理事の石本が一般の人にも分かるように介護保険制度の改正について日本一わかりやすく解説!〜

KAiGO PRiDE WEEK  DAY-6「介護保険制度改定について」2024年2月22日(木曜日)



KAiGO PRiDE WEEK  DAY-6「介護保険制度改定について」2024年2月22日(木曜日)

KAiGO PRiDE WEEKイベントの一環として、2024年に予定されている介護保険制度改定の内容を、一般社団法人KAiGO PRiDE理事の石本淳也(熊本県介護福祉会会長、日本介護福祉会前会長)が一般向けにわかりやすく解説します。この改定は私たちの生活に直結し影響していきます。介護を身近なものとして捉え、今後の生活で役立てるための知識を得る絶好の機会です。

「介護保険制度改定について」分かりづらい動画が多いというお声が寄せられたので、介護職ではない一般の方にも分かるように解説していく 



介護保険制度の基本構造

2000年に始まった介護保険制度は、3年ごとに見直される仕組みで、その目的は国民が負担する保険料や介護サービスの単価、事業者に課される規則等の見直しを通じて、制度を現代の社会状況に適合させることにあります。2024年4月から始まる第9期介護保険制度改定は、この継続的な見直しの最新のサイクルであり、介護サービスの質と効率をさらに向上させるための重要なステップです。

「介護報酬改定」「介護保険制度改定」など色んな言葉が第9期に向けて飛び交っていたが、「2024年4月1日から介護報酬改定」が正式であるとのこと



改定の主な目的

  • 地域包括ケアシステムの進化: 誰もが住み慣れた地域で必要な医療、介護、福祉サービスを受けられるような体制の構築を目指します。この柱では、医療と介護の連携強化や、在宅看取りサービスの充実、新型コロナウイルス感染症や自然災害への対応能力の向上、認知症ケアの強化が主な焦点となります。

  • 自立支援と重度化防止: 介護が必要になった場合でも、できる限り自立した生活を維持できるよう、機能訓練や口腔・栄養管理を含む総合的なアプローチを推進します。これは介護状態の重度化を防ぎ、国の社会保障財源の持続可能性にも寄与します。

  • 効率的なサービス提供と職場環境の改善: 介護職員の不足問題に対処し、働きやすい環境を作ることで質の高い介護サービスの提供を目指します。賃金の改善や職場環境の向上がこの柱の中心です。

  • 制度の持続可能性: 介護保険制度の費用が増大し続ける中で、制度の安定性と持続可能性を確保するために、資金の効率的な使用と適正な評価体系の整備が求められます。

  • その他の調整: 介護事業者に適用される規則の見直しを行い、制度全体の効率性を高めます。これには、書面掲示や基準費用額の見直しなどが含まれますが、一般の方には直接的な影響は少ないでしょう。

厚生労働省社会保障審議会介護保険部の資料を引用して、全部で5本の柱を大きなテーマとして見直しが行われたことを説明

介護保険制度の改定背景

2024年4月から開始される第9期介護報酬改定は、介護保険制度の継続的な見直しの一環として行われます。この改定は、社会情勢の変化や高齢者人口の増加を考慮し、質の高い介護サービスの提供を目指すものです。日本の介護保険制度は、40歳以上の国民が将来の介護サービス利用に備えて保険料を支払う仕組みで、収集された保険料と税金を財源としています。

保険料の改定

今回の改定では、保険料の負担に所得格差を反映させることで、低所得者の負担を軽減し、高所得者の負担を増やす方針が採られました。具体的には、保険料の算定方法が9段階から13段階へと細分化され、より公平な負担分担が目指されています。この変更は特に65歳以上の第1号被保険者に影響し、保険料は年金から天引きされる形で徴収されます。

利用料の改定

サービス利用時の自己負担についても見直しが行われ、提供されるサービスの対価として、基本的にはサービス費用の1割から3割を利用者が負担することになります。これは医療機関での自己負担と同様の仕組みです。

報酬単価の改定

第9期の改定では、介護サービスの報酬単価が1.59%上昇します。これにより、サービス提供者に支払われる報酬が増加し、特に介護職員の給料向上が目的です。この措置は、介護職の待遇改善と人材不足の解消に寄与するものですが、結果的には利用者の負担増にもつながります。

全産業と比べても未だ100万円以上の開きがある介護職員の給料を少しでも上げる為には利用料を上げることになるため、利用者側の負担額も自ずと増えることになる。だからこそ介護職員はより質の良いて丁寧なサービスを提供するべきだと石本は主張している

介護事業者への要請

改定では、感染症対策や災害対応の強化が求められ、事業者に対して業務継続契約、すなわちビジネス・コンティニュイティ・プラン(BCP)の策定が義務付けられます。未策定の場合、ペナルティとして減算措置が取られることとなり、事業所の運営に直接影響を及ぼします。また、高齢者虐待防止への取り組みの不備に対しても同様の措置が講じられます。


リハビリ・機能訓練と口腔、栄養管理の統合

リハビリや機能訓練、口腔ケア、栄養管理の一体的な取り組みが強調され、これらのサービスを組み合わせた包括的なアプローチが推奨されます。目的は、利用者の自立支援と健康維持、機能改善を促進することにあります。

生産性向上と職場環境改善

介護施設や事業所における生産性の向上と働きやすい職場環境の構築が促され、委員会設置やロボット・ICTの活用による効率化が奨励されており、介護職員の負担軽減とサービスの質向上へと繋がっていきます。

第9期介護保険制度改定は、日本が直面する超高齢社会の課題に対応するための重要な取り組みです。地域包括ケアシステムの推進、自立支援と重度化防止、職場環境の改善、制度の持続可能性の確保という4つの主柱を中心に、具体的な改革が進められます。これらの改定は、介護を必要とする人々にとってより質の高いサービスを提供し、同時に介護産業で働く人々にとってもより良い環境を作り出すことを目指しています。

さらには、介護職員の待遇改善、事業者のサービスの質向上を目指すもので、日本における介護サービスの持続可能性と品質の向上に不可欠なステップです。しかし、国民一人ひとりが健康寿命を延ばし、介護期間を短縮するための自助努力も同時に重要です。この改定を通じて、介護保険制度がより公平で効率的なものへと進化することが期待されます。



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