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#01「良い音楽」とは?─みんな違ってみんな良い、のその先へ─

音楽は世界共通。
音楽は国境を越える。
音楽は世界を救う。

よく耳にするスローガンです。数え切れないほどの人が、音楽の持つパワーに魅せられて、その可能性を信じてきました。しかし、その言葉、本当にそうですか?

この世に存在する全ての音楽を好きになれる人って居るのでしょうか?

「私、どんな曲でも好きだよ!」っていうあなた。
おそらくまだ聴いたことのないジャンルが山ほどあるのでは?価値観は無限に存在します。肌に合わない音楽の1つや2つ、誰にでもあるはずです。

では、仮に自分にとって好ましくない音楽に出会ったとして、それは【人に聴かれるべきではない、価値のない、「良くない」音楽】ということなのでしょうか?

もしくは、自分が良い音楽だと思ってもそれが人に伝わらなかったり、ランキングを見て「良いと思わない曲ばかりが大衆に支持されているなあ。もっとランクインすべき"良い音楽"があるのに。」と感じたことのある、音楽マニアの方も多いかと思います。

そもそも「良い音楽」って、何なのでしょう?



良い音楽とは?


結論から言ってしまうと、そんなものはありません。笑

……もう少し正しく言い換えると、そう言い切れる絶対的な基準なんて存在し得ない、と思うのです。

先ほど述べたとおり、価値観は無限に存在します。
その間に誰もが納得できる優劣はあるのでしょうか?
たとえば、AさんとBさんという2人の演者がいて、技術的な差があったとします。その"技術的な基準"でAさんのほうが明らかに優れていたとしても、Bさんのパフォーマンスに心が動かされるという人も必ずいるはずです。

あるのは、好みの違いだけ。
どんな理屈を付けても、感覚的なものであっても、
「良い音楽、悪い音楽」と感じたのは本当は
「好きか、好きになれないか」の違いでしかないのではないでしょうか?

多様性が大事な時代です。みんな違って、みんな良い。
尊重し合って、良い音楽ライフを送りましょう。
めでたし、めでたし。


……って、それで終われるかぁ!!!!

本当にこれで納得しましたか?
頭では納得しても、心のどこかで「好みの違い以上の何か」があるのでは?と思いませんか?

「みんな違って、みんな良い。」

ハッキリ言って、キレイゴトだよなあって思いませんか?この言葉で解決できるなら、とっくの昔に世界平和は実現しています。

自分が良いと思った好きな音楽が、周りにとってちっとも良いと思って貰えなかったとき。

自分が良いと思えなかった音楽が、世間でたくさん評価されているとき。

そこには悔しさと疑問が残ります。
そして、いつもそこから論争の種になるのです。 


絶対的な「良い音楽」の基準は無い、として。

では人気の音楽、人気ではない音楽の差は、どこから生まれるのでしょう?

伝わりやすい音楽、伝わりにくい音楽の違いは?

ジャンルによってどういう条件の違いがあるのか?


こういう分析的なことを考えていくことが、
異ジャンルを本当に尊重合うための次のステップだと思うのです。


ちなみに、こういう理屈くさい意見を述べると、やたらと

「難しいことは考えずに音を楽しめば良いじゃん!」

という謎の楽観の押し付けをしてくる人がたくさんいるのですが、これも「みんな違ってみんな良い」の亜種のようなものだと思っていて、その意見だけでは浮かばれない分野、切り捨てられる部分がたくさんあるんです。それこそ「良い音楽は無条件に良い!」と言われているような気がして、その裏返しで「良い音楽の基準にそぐわなかった音楽」は切り捨てられます。

難しい音楽でも、美しくて難しいものもあります。それを楽しめるケースと楽しめないケース、楽しんでもらえないケース。それはどういうことなのか、そういうことを考えていきたいですね、というお話です。


「みんな違って、みんな良い」はスタート地点であり、最終目標である。

(「みんな違って、みんな良い」にそもそも到達できていない人は、まず到達してください。笑)

でもそれだけでは何の解決にもならない。
みんな違って、みんな良いはずなのに、現状生まれるこの差は何なのだろうか?

そういう視点に立って、いろんな音楽のジャンルを知っていきたいと思います。

さて、ジャンルを知ろうとしたとき。
この世にいったい、いくつ音楽ジャンルがあるのだろう?
知ろうとしても、また解りづらい部分がたくさん出てくる。
そもそも一体、音楽のジャンルって何?

次回はそんなお話をしたいと思います。


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